こんにちは。 ラケシュです。 テキサス・インスツルメンツのシステム・アプリケーション・エンジニアです。 今日は、TIのeFuseソリューションを使用して、 ディスクリート型の回路保護ソリューションの制約解消法について説明します。 また、障害発生の例を活用して、eFuseソリューション の利点についても説明します。 システムのダウンタイムを最小限に抑え、動作の安全性 を確保するうえで、現在の電子機器にとって回路保護 機能は非常に重要です。 保護の一般的な要件として、突入電流の制御、 短絡の保護、過電流の制限などを挙げることが できます。 どのような障害イベントが発生した場合でも、電流と 電圧を安全な水準まで制限することが重要です。 そのような制限に失敗した場合、重大な損傷、責任、 安全性に関連した懸念が発生します。 何を使用して保護するかを考えましょう。 ディスクリート型の回路保護ソリューションは、電源 ソースと負荷の間のスイッチとして、一般的にPチャネル MOSFETを使用します。 また、ヒューズはこの素子を過電流保護に使用する ほか、ブロッキング・ダイオードを直列に配置し、 逆極性保護を実現します。 この回路図に示すように、保護機能を実現するには 複数のディスクリート部品が必要になりますが、 その結果、ソリューションの体積増加、効率低下、サイズの増大につながります。 また、このようなソリューションは短絡障害に対する 応答がより遅くなり、電流制限の精度も不十分です。 パスFETに対する過熱保護機能もないので、 パスFETに関する制限に抵触する可能性が 生じます。 一方、TIのeFuseは重要な保護機能すべてをコンパクト なソリューションに統合しています。 eFuseでは、電流制限と突入電流の制御が調整可能で あり、システム設計のフレキシビリティが向上します。 eFuseは、短絡電流を迅速に遮断し、信頼性の高い システム保護を実現します。 内蔵の過熱保護機能により、デバイスの信頼性も 向上します。 電圧モニタ、高精度の負荷電流モニタ、 障害報告機能は、システムの付加価値を 高めます。 TIのeFuse製品の大部分はUL認定済みであり、 コンパクトな3mm x 3mmのサイズに封止されています。 12Vアプリケーションで、これら2つのソリューションを 比較してみます。逆電流を阻止し、障害電流を 1.5Aに制限するほか、過電圧を13.8Vにカットオフする 機能が要求されています。 ディスクリート使用時の回路図は、ここに示す形式を使用します。 この回路は19個の部品を使用しています。これに対し、 TPS25940 eFuseを使用したソリューションは全部で7個 の部品で済み、その結果、スペースを88%節約できています。 eFuseソリューションの方が効率的で、ディスクリート ・ソリューションに比べてシステム・レベルでより大きな利点を実現しています。 したがって、今後の設計では、システム保護のために eFuseの利点を活用することを推奨します。 詳細は、TIのeFuseホーム・ページを ご覧ください。 ご質問がある場合、E2Eエンジニア・フォーラムの 「Load Switches and Power Path Protection」(英語)にお気軽にご投稿ください。 ありがとうございました。