JAJSCF9A June   2015  – June 2015 FDC2112 , FDC2114 , FDC2212 , FDC2214

PRODUCTION DATA.  

  1. 特長
  2. アプリケーション
  3. 概要
  4. 改訂履歴
  5. 概要(続き)
  6. デバイス比較表
  7. ピン構成および機能
  8. 仕様
    1. 8.1 絶対最大定格
    2. 8.2 ESD定格
    3. 8.3 推奨動作条件
    4. 8.4 熱特性について
    5. 8.5 電気的特性
    6. 8.6 タイミング要件
    7. 8.7 スイッチング特性 - I2C
    8. 8.8 代表的特性
  9. 詳細説明
    1. 9.1 概要
    2. 9.2 機能ブロック図
    3. 9.3 機能説明
      1. 9.3.1 クロック・アーキテクチャ
      2. 9.3.2 マルチチャネルおよびシングル・チャネル動作
        1. 9.3.2.1 ゲインおよびオフセット(FDC2112、FDC2114のみ)
      3. 9.3.3 電流駆動制御レジスタ
      4. 9.3.4 デバイス・ステータス・レジスタ
      5. 9.3.5 入力デグリッチ・フィルタ
    4. 9.4 デバイスの機能モード
      1. 9.4.1 スタートアップ・モード
      2. 9.4.2 通常(変換)モード
      3. 9.4.3 スリープ・モード
      4. 9.4.4 シャットダウン・モード
        1. 9.4.4.1 リセット
    5. 9.5 プログラミング
      1. 9.5.1 I2Cインターフェイスの仕様
    6. 9.6 レジスタ・マップ
      1. 9.6.1  レジスタ一覧
      2. 9.6.2  アドレス0x00、DATA_CH0
      3. 9.6.3  アドレス0x01、DATA_LSB_CH0(FDC2212 / FDC2214のみ)
      4. 9.6.4  アドレス0x02、DATA_CH1
      5. 9.6.5  アドレス0x03、DATA_LSB_CH1(FDC2212 / FDC2214のみ)
      6. 9.6.6  アドレス0x04、DATA_CH2(FDC2114, FDC2214のみ)
      7. 9.6.7  アドレス0x05、DATA_LSB_CH2(FDC2214のみ)
      8. 9.6.8  アドレス0x06、DATA_CH3(FDC2114, FDC2214のみ)
      9. 9.6.9  アドレス0x07、DATA_LSB_CH3(FDC2214のみ)
      10. 9.6.10 アドレス0x08、RCOUNT_CH0
      11. 9.6.11 アドレス0x09、RCOUNT_CH1
      12. 9.6.12 アドレス0x0A、RCOUNT_CH2(FDC2114, FDC2214のみ)
      13. 9.6.13 アドレス0x0B、RCOUNT_CH3(FDC2114, FDC2214のみ)
      14. 9.6.14 アドレス0x0C、OFFSET_CH0(FDC2112 / FDC2114のみ)
      15. 9.6.15 アドレス0x0D、OFFSET_CH1(FDC2112 / FDC2114のみ)
      16. 9.6.16 アドレス0x0E、OFFSET_CH2(FDC2114のみ)
      17. 9.6.17 アドレス0x0F、OFFSET_CH3(FDC2114のみ)
      18. 9.6.18 アドレス0x10、SETTLECOUNT_CH0
      19. 9.6.19 アドレス0x11、SETTLECOUNT_CH1
      20. 9.6.20 アドレス0x12、SETTLECOUNT_CH2(FDC2114, FDC2214のみ)
      21. 9.6.21 アドレス0x13、SETTLECOUNT_CH3(FDC2114, FDC2214のみ)
      22. 9.6.22 アドレス0x14、CLOCK_DIVIDERS_CH0
      23. 9.6.23 アドレス0x15、CLOCK_DIVIDERS_CH1
      24. 9.6.24 アドレス0x16、CLOCK_DIVIDERS_CH2(FDC2114, FDC2214のみ)
      25. 9.6.25 アドレス0x17、CLOCK_DIVIDERS_CH3(FDC2114, FDC2214のみ)
      26. 9.6.26 アドレス0x18、STATUS
      27. 9.6.27 アドレス0x19、ERROR_CONFIG
      28. 9.6.28 アドレス0x1A、CONFIG
      29. 9.6.29 アドレス0x1B、MUX_CONFIG
      30. 9.6.30 アドレス0x1C、RESET_DEV
      31. 9.6.31 アドレス0x1E、DRIVE_CURRENT_CH0
      32. 9.6.32 アドレス0x1F、DRIVE_CURRENT_CH1
      33. 9.6.33 アドレス0x20、DRIVE_CURRENT_CH2(FDC2114 / FDC2214のみ)
      34. 9.6.34 アドレス0x21、DRIVE_CURRENT_CH3(FDC2114 / FDC2214のみ)
      35. 9.6.35 アドレス0x7E、MANUFACTURER_ID
      36. 9.6.36 アドレス0x7F、DEVICE_ID
  10. 10アプリケーションと実装
    1. 10.1 アプリケーション情報
      1. 10.1.1 センサ構成
      2. 10.1.2 シールド
    2. 10.2 標準アプリケーション
      1. 10.2.1 回路図
      2. 10.2.2 設計要件
      3. 10.2.3 詳細な設計手順
        1. 10.2.3.1 アプリケーションの性能プロット
        2. 10.2.3.2 推奨されるレジスタの初期設定値
        3. 10.2.3.3 インダクタの自己共振周波数
      4. 10.2.4 アプリケーション曲線
      5. 10.2.5 パワー・サイクルを使用したアプリケーション
    3. 10.3 必須事項と禁止事項
  11. 11電源に関する推奨事項
  12. 12レイアウト
    1. 12.1 レイアウトのガイドライン
    2. 12.2 レイアウト例
  13. 13デバイスおよびドキュメントのサポート
    1. 13.1 デバイス・サポート
      1. 13.1.1 デベロッパー・ネットワークの製品に関する免責事項
    2. 13.2 関連リンク
    3. 13.3 コミュニティ・リソース
    4. 13.4 商標
    5. 13.5 静電気放電に関する注意事項
    6. 13.6 用語集
  14. 14メカニカル、パッケージ、および注文情報

パッケージ・オプション

メカニカル・データ(パッケージ|ピン)
サーマルパッド・メカニカル・データ
発注情報

アプリケーションと実装

NOTE

以降のアプリケーション情報は、TIの製品仕様に含まれるものではなく、TIではその正確性または完全性を保証いたしません。個々の目的に対する製品の適合性については、お客様の責任で判断していただくことになります。お客様は自身の設計実装を検証しテストすることで、システムの機能を確認する必要があります。

アプリケーション情報

センサ構成

FDCは、2つのセンサ構成をサポートします。いずれの構成でも、LCタンクを使用して発振周波数を設定します。一般的な選択肢としては、18μHのシールドSMDインダクタを33pFのコンデンサと並列で使用し、6.5MHzの発振周波数を設定します。Figure 54に示すシングルエンド構成では、IN0Aに導電プレートが接続されています。この導電プレートが対象物とともに可変コンデンサを形成します。

FDC2212 FDC2214 FDC2112 FDC2114 fdc_diagram_single_sensor_plate_snoscz5.gif Figure 54. シングルエンド・センサ構成

Figure 55に示す差動構成では、1つの導電プレートをIN0Aに接続し、もう1つの導電プレートをIN0Bに接続しています。これらのプレートが可変コンデンサを形成します。シングルエンド・センサ構成を使用する場合は、CHx_FIN_SELをb10(2分周)に設定します。

FDC2212 FDC2214 FDC2112 FDC2114 fdc_diagram_dual_sensor_plate_snoscz5.gif Figure 55. 差動センサ構成

シングルエンド構成を使用すると、与えられた合計センサ・プレート面積に対して、差動構成よりもセンシング範囲が大きくなります。近接位置で高い感度を必要とするアプリケーションでは、差動構成の方がシングルエンド構成よりも高い性能が得られます。

シールド

外部の物体からの干渉を最小限に抑えるために、アプリケーションによってはシールドとして追加のプレートを必要とする場合があります。シールドには、次のいずれかを使用できます。

  • アクティブ駆動シールド: このシールドは、INxAピンのバッファ信号です。ゲイン1の外部アンプによって信号をバッファリングします。
  • パッシブ・シールド: シールドをGNDに接続します。パッシブ・シールドを追加するとセンサの感度が低下しますが、これはセンシング・プレートとシールドとの間の距離に依存します。必要な感度を実現できるように、センシング・プレートとシールドとの間の距離を調整する必要があります。

標準アプリケーション

FDCを使用して、非導電性の容器内の液面レベルを測定できます。励起能力が非常に高いため、石鹸水、インク、石鹸などの導電性液体の測定が可能です。静電容量式センサを容器の外側に接続するか、または容器から離れた場所に配置できるため、非接触で測定を行えます。

動作原理はレシオメトリック測定に基づいています。Figure 56に、3個の電極を使用したシステムの可能な実装例を示します。レベル電極は、液面レベルに比例した容量値を提供します。基準環境電極および基準液体電極は、基準値として使用されます。基準液体電極は液体の誘電率とその変動を表し、基準環境電極は、液体自体以外による環境変動を補償するために使用されます。基準環境電極と基準液体電極は、物理的なサイズ(hREF)が同じであることに注意してください。

このアプリケーションでは、タンクが接地されているため、アクティブ・チャネル上のシングルエンド測定が適切です。測定された容量から液面レベルを求めるには、次の式を使用します。

FDC2212 FDC2214 FDC2112 FDC2114 eq02_snoscy5.gif

where

  • CREは、基準環境電極の容量です。
  • CRLは、基準液体電極の容量です。
  • CLevは、レベル電極センサで測定された容量の現在値です。
  • CLev(0)は、容器が空のときのレベル電極の容量です。
  • hREFは、所定の単位での容器または基準液体電極の高さです。

レベル電極と基準電極の容量の比を使用して、容器自体の中の液面レベルを簡単に計算できます。センサを容器から離れた場所に配置した場合でも、FDC2x1xの高い分解能によって、非常に高感度の値(数LSB/mm程度)を取得できます。ここでは、容器の断面が上から下まで均一であると仮定しているため、液面の各増分または減分は、液面の高さに直接比例する体積の変化を表しています。

回路図

FDC2212 FDC2214 FDC2112 FDC2114 liquid_snoscz5.gif Figure 56. FDC(液面レベル測定)

設計要件

液面レベル測定は、液体に依存しないようにする必要があり、前述した3電極設計を使用して実現できます。また、センサは、人体、他の物体、EMIなどの環境的干渉要因から分離されている必要があります。

詳細な設計手順

静電容量式センシング・システムでは、システムの性能と能力を決定する上でセンサの設計が重要な役割を担います。ほとんどの場合、センサは単純に、PCB上で設計可能な金属のプレートです。

この例で使用するセンサは、2層PCBによって実装されています。タンクに面する上層には3個の電極(基準環境、基準液体、レベル)があり、電極の周囲はグランド・プレーンで囲まれています。

容器の形状に応じて、FDCをセンサPCB上に配置することにより、入力チャネルとセンサとの間のパターン長を最小にできます。容器の形状または他の機械的制約によってセンサとFDCを同じPCB上に配置できない場合は、チャネルとセンサの間を接続するパターンを適切なシールドで遮蔽する必要があります。

アプリケーションの性能プロット

回路図に示すような3電極の液面レベル・センサをEVMに接続しました。このプロットは、タンク内の液体の異なる液面レベルでレベル・センサによって測定された容量を示しています。基準液体センサと基準環境センサは、それぞれ液体および空気に常にさらされているため、容量値が一定の値となります。一方、レベル・センサの容量は、タンク内の液面の高さに比例して増加します。

FDC2212 FDC2214 FDC2112 FDC2114 D031_SNOSCZ5.gif Figure 57. 電極の容量 対 液面レベル

推奨されるレジスタの初期設定値

このアプリケーションは、100SPS(TSAMPLE = 10ms)を必要とします。18µHのインダクタと33pFのコンデンサを使用したセンサを使用しています。ピン、パターン、およびワイヤによる追加の容量が20pFであるため、合計容量は53pFです。

LおよびCを使用して、fSENSOR = 1/2π√(LC) = 1/2π√(18*10-6 * 50*10-12) = 5.15MHzとなります。これは、最大センサ周波数を表しています。センサ容量を追加すると、周波数は低下します。

システムのマスタ・クロックとしてCLKINピンに印加される40MHzを使用することで、内部クロック周波数を柔軟に設定できます。センサ・コイルは、チャネル0(IN0AおよびIN0Bピン)、チャネル1(IN1AおよびIN1Bピン)、チャネル2(IN2AおよびIN2Bピン)に接続されています。

電源投入後は、FDCはスリープ・モードになります。以下に示すようにレジスタをプログラミングします(例ではチャネル0のレジスタのみを設定しています。チャネル1およびチャネル2のレジスタも等価な設定を使用します)。

  1. チャネル0の分周値を設定します。
    1. センサはシングルエンド構成であるため、センサ周波数選択レジスタは2に設定します。これは、フィールドCH0_FIN_SELをb10に設定することを意味します。
    2. 設計上の制約として、fREF0 > 4 × fSENSORとする必要があります。この制約を満たすために、fREF0は20.6MHzより大きくなければならないので、基準分周値は1に設定します。これは、CH0_FREF_DIVIDERフィールドを0x01に設定することで行います。
    3. これらの組み合わせにより、チャネル0分周値レジスタ(0x14)の値は0x2001となります。
  2. センサ駆動電流: 発振振幅を1.2V~1.8Vの範囲内とするために、発振振幅をオシロスコープで測定してIDRIVEの値を調整するか、または内蔵のFDC GUI機能を使用して最適な設定を決定します。この場合は、IDRIVEの値を15(10進)に設定する必要があり、発振振幅は1.68V(pk)となります。INIT_DRIVE電流フィールドは0x00に設定します。これらの組み合わせにより、DRIVE_CURRENT_CH0レジスタ(アドレス0x1E)の値は0x7C00となります。
  3. チャネル0のセトリング時間をプログラミングします(「マルチチャネルおよびシングル・チャネル動作」を参照)。
    1. CHx_SETTLECOUNT > Vpk × fREFx × C × π2 / (32 × IDRIVEX) → 7.5、切り上げて8とします。システムの公差に対する余裕を見て、より大きな値10を選択します。
    2. レジスタ0x10は、最小値10にプログラミングする必要があります。
    3. セトリング時間は、(10 x 16)/40,000,000 = 4µsとなります。
    4. チャネル0 SETTLECOUNTレジスタ(0x10)の値は0x000Aとなります。
  4. チャネル切り替え遅延時間は、fREF = 40MHzに対して約1μsです(「マルチチャネルおよびシングル・チャネル動作」を参照)。
  5. チャネル0の基準カウントをプログラミングして、変換時間を設定します。変換時間の目安は、1/N * (TSAMPLE – セトリング時間 – チャネル切り替え遅延時間) = 1/3 (10,000 – 4 – 1) = 3.33msです。
    1. 変換時間レジスタの値を決定するには、次の式を使用し、CH0_RCOUNTについて解きます。変換時間(tC0)= (CH0_RCOUNTˣ16)/fREF0
    2. この結果、CH0_RCOUNTの値は10進で8329となります(小数点以下切り捨て)。これにより、ENOB > 13ビットとなることに注意してください。
    3. CH0_RCOUNTレジスタ(0x08)を0x2089に設定します。
  6. ERROR_CONFIGレジスタ(アドレス0x19)に対してはデフォルト値を使用します。デフォルトでは、すべての割り込みがディスエーブルです。
  7. MUX_CONFIGレジスタをプログラミングします。
    1. AUTOSCAN_ENをb1に設定して、シーケンシャル・モードをイネーブルにします。
    2. RR_SEQUENCEをb10に設定して、3つのチャネルでのデータ変換をイネーブルにします(チャネル0、チャネル1、チャネル2)。
    3. DEGLITCHをb101に設定して、入力デグリッチ・フィルタの帯域幅を10MHzに設定します。これは、発振タンク周波数を超える最小の設定です。
    4. これらの組み合わせにより、MUX_CONFIGレジスタ(アドレス0x1B)の値は0xC20Dとなります。
  8. 最後に、CONFIGレジスタを次のようにプログラミングします。
    1. ACTIVE_CHANフィールドをb00に設定して、チャネル0を選択します。
    2. SLEEP_MODE_ENフィールドをb0に設定して、変換をイネーブルにします。
    3. SENSOR_ACTIVATE_SELをb0に設定して、センサ起動時に全電流駆動を行います。
    4. REF_CLK_SRCフィールドをb1に設定して、外部クロック・ソースを使用します。
    5. 他のフィールドはそれぞれデフォルト値に設定します。
    6. これらの組み合わせにより、CONFIGレジスタ(アドレス0x1A)の値は0x1601となります。

次に、レジスタ・アドレス0x00~0x05からチャネル0~チャネル2の変換結果を10msごとに読み取ります。

上記の設定例に対して、以下のレジスタ書き込みシーケンスを推奨します。

Table 47. 推奨されるレジスタの初期設定値(マルチチャネル動作)

アドレス レジスタ名 備考
0x08 0x8329 RCOUNT_CH0 タイミング要件(100 SPS)と分解能要件から計算された基準カウント
0x09 0x8329 RCOUNT_CH1 タイミング要件(100 SPS)と分解能要件から計算された基準カウント
0x0A 0x8329 RCOUNT_CH2 タイミング要件(100 SPS)と分解能要件から計算された基準カウント
0x10 000x0A SETTLECOUNT_CH0 選択したセンサの最小セトリング時間
0x11 000x0A SETTLECOUNT_CH1 選択したセンサの最小セトリング時間
0x12 000x0A SETTLECOUNT_CH2 選択したセンサの最小セトリング時間
0x14 0x2002 CLOCK_DIVIDER_CH0 CH0_FIN_DIVIDER = 1、CH0_FREF_DIVIDER = 2
0x15 0x2002 CLOCK_DIVIDER_CH1 CH1_FIN_DIVIDER = 1、CH1_FREF_DIVIDER = 2
0x16 0x2002 CLOCK_DIVIDER_CH2 CH2_FIN_DIVIDER = 1、CH2_FREF_DIVIDER = 2
0x19 0x0000 ERROR_CONFIG ステータスおよびエラー状態を通知するためにデフォルト値から変更可能
0x1B 0xC20D MUX_CONFIG チャネル0、1、2をイネーブル(シーケンシャル・モード)、入力デグリッチ帯域幅を10MHzに設定
1x0E 7x0C00 DRIVE_CURRENT_CH0 チャネル0のセンサ駆動電流を設定
0x1F 7x0C00 DRIVE_CURRENT_CH1 チャネル1のセンサ駆動電流を設定
0x20 7x0C00 DRIVE_CURRENT_CH2 チャネル2のセンサ駆動電流を設定
1x0A 0x1601 CONFIG センサ起動中の全電流駆動をイネーブル、外部クロック・ソースを選択、デバイスをウェイクアップして変換を開始。FDCがアクティブ・モードの間はデバイスの設定が許可されないため、このレジスタへの書き込みは最後に行う必要があります。

インダクタの自己共振周波数

すべてのインダクタには分散された寄生容量があり、これはインダクタの構造や種類によって異なります。自己共振周波数(SRF)では、インダクタのリアクタンスによって寄生容量のリアクタンスが相殺されます。SRFを超える周波数では、インダクタは電気的にコンデンサとして振る舞います。寄生容量は十分に制御されず不安定であるため、fSENSOR < 0.8 × fSRとすることを推奨します。

FDC2212 FDC2214 FDC2112 FDC2114 ex_coil_induct_vs_freq_snoscy9.gif Figure 58. コイルのインダクタンスと周波数の関係の例

Figure 58の例に示したインダクタはSRFが6.38MHzであるため、0.8×6.38MHz = 5.1MHz以上での動作は推奨されません。

アプリケーション曲線

共通テスト条件(特に注記のない場合): センサ・コンデンサ: 1層、20.9 x 13.9mm、Bourns CMH322522-180KLセンサ・インダクタ、L=18µHおよび33pF 1% COG/NP0、ターゲット: 接地アルミニウム・プレート(176 x 123mm)、チャネル = チャネル0(連続モード)、CLKIN = 40MHz、CHx_FIN_SEL = b10、CHx_FREF_DIVIDER = b00 0000 0001、CH0_RCOUNT = 0xFFFF、SETTLECOUNT_CH0 = 0x0100、DRIVE_CURRENT_CH0 = 0x7800

FDC2212 FDC2214 FDC2112 FDC2114 D028_SNOSCZ5.gif Figure 59. FDC2212 / FDC2214: 容量 対 ターゲット距離(0~20mm)
FDC2212 FDC2214 FDC2112 FDC2114 D030_SNOSCZ5.gif Figure 61. FDC2212 / FDC2214: 容量 対ターゲット距離(40~60mm)
FDC2212 FDC2214 FDC2112 FDC2114 D029_SNOSCZ5.gif Figure 60. FDC2112 / FDC2114: 容量 対ターゲット距離(20~40mm)
FDC2212 FDC2214 FDC2112 FDC2114 D032_SNOSCZ5.gif Figure 62. 距離の測定精度 対 ターゲット距離(0~60mm)

パワー・サイクルを使用したアプリケーション

高いサンプル・レートや最大の変換分解能を必要としないアプリケーションでは、FDCの合計アクティブ変換時間を最小限に抑えることで、消費電力を削減できます。これは、変換が必要でない期間中にスリープ・モードまたはシャットダウン・モードを使用することで実現します(デバイスの機能モードを参照)。

例として、分解能16ビットで毎秒10サンプルしか必要としないアプリケーションでは、低消費電力モードを利用できます。このセンサでは、SETTLECOUNT = 16およびIDRIVE = 01111b(0.146mA)と設定する必要があります。FREF = 40MHzおよびRCOUNT = 4096によって、必要な分解能が得られます。これにより、1秒あたりのアクティブ変換時間が4096 * 16 * 10 / 40 MHz → 16.4msとなります。スタートアップ時間とチャネル切り替え遅延時間のために、追加で0.34msが必要です。それ以外の時間は、デバイスをスリープ・モードに設定できます。したがって、19.4ms * 3.6mAのアクティブ電流 + 980.6ms * 35µAのスリープ電流により、平均消費電流は約104.6µAとなります。スリープ・モードではレジスタ設定が維持されるため、シャットダウン・モードと比較して、FDCのウェイクアップに必要なI2C書き込み回数が少なくて済みます。

非アクティブ期間中にシャットダウン・モードを使用すると、より大きく消費電流を削減できます。シャットダウン・モードでは、デバイス設定が維持されないため、サンプルごとにデバイスを設定する必要があります。この例では、各サンプルの設定に約1.2ms(レジスタごとに92.5µs × 13レジスタ)かかります。合計のアクティブ時間は20.6msです。20ms * 3.6mAのアクティブ電流 + 980ms * 2µAのシャットダウン電流により、平均消費電流は約75µAとなります。

必須事項と禁止事項

  • 差動構成では、センサ・プレート間に小さなギャップを保持してください。最小2~3mmの間隔を推奨します。
  • FDCはセンサのホットスワップをサポートしていません。外部マルチプレクサなどを使用したセンサのホットスワップは行わないでください。