JAJSDY4I June   2017  – August 2021 TLV6741 , TLV6742

PRODUCTION DATA  

  1. 特長
  2. アプリケーション
  3. 概要
  4. 改訂履歴
  5. デバイス比較表
  6. ピン構成および機能
  7. 仕様
    1. 7.1 絶対最大定格
    2. 7.2 ESD 定格
    3. 7.3 推奨動作条件
    4. 7.4 シングル・チャネルの熱に関する情報
    5. 7.5 デュアル・チャネルの熱に関する情報
    6. 7.6 電気的特性
    7. 7.7 TLV6741:代表的特性
    8. 7.8 TLV6742:代表的特性
  8. 詳細説明
    1. 8.1 概要
    2. 8.2 機能ブロック図
    3. 8.3 機能説明
      1. 8.3.1 THD+ ノイズ性能
      2. 8.3.2 動作電圧
      3. 8.3.3 レール・ツー・レール出力
      4. 8.3.4 EMI 除去
      5. 8.3.5 電気的オーバーストレス
      6. 8.3.6 代表的な仕様と分布
      7. 8.3.7 シャットダウン機能
      8. 8.3.8 露出サーマル・パッド付きパッケージ
    4. 8.4 デバイスの機能モード
  9. アプリケーションと実装
    1. 9.1 アプリケーション情報
    2. 9.2 音声フィルタ付き単一電源エレクトレット・マイク・プリアンプ
      1. 9.2.1 設計要件
      2. 9.2.2 詳細な設計手順
      3. 9.2.3 アプリケーション曲線
  10. 10電源に関する推奨事項
  11. 11レイアウト
    1. 11.1 レイアウトのガイドライン
    2. 11.2 レイアウト例
  12. 12デバイスおよびドキュメントのサポート
    1. 12.1 ドキュメントのサポート
      1. 12.1.1 関連資料
    2. 12.2 Receiving Notification of Documentation Updates
    3. 12.3 サポート・リソース
    4. 12.4 商標
    5. 12.5 Electrostatic Discharge Caution
    6. 12.6 Glossary
  13. 13メカニカル、パッケージ、および注文情報

パッケージ・オプション

メカニカル・データ(パッケージ|ピン)
サーマルパッド・メカニカル・データ
発注情報

電気的オーバーストレス

設計者は多くの場合、オペアンプが電気的オーバーストレス (EOS) にどの程度耐えられるのかという質問をします。これらの質問は、主にデバイスの入力に関するものですが、電源電圧ピンや、さらに出力ピンにも関係する場合があります。これらの各ピンの機能には、特定の半導体製造プロセスの電圧ブレークダウン特性と、ピンに接続された特定の回路とで決まる電気的ストレスの制限値があります。また、これらの回路には内部静電気放電 (ESD) 保護機能が組み込まれており、製品の組み立て前と組み立て中の両方で、偶発的な ESD イベントから保護します。

この基本的な ESD 回路と、電気的オーバーストレス・イベントとの関連性を十分に理解しておくと役に立ちます。TLV674x に含まれる ESD 回路の図を、図 8-2 に示します (破線で囲まれている部分)。ESD 保護回路には、いくつかの電流ステアリング・ダイオードが含まれており、これらは入力ピンや出力ピンから接続され、内部の電源ラインに戻るようルーティングされます。これらのダイオードは、オペアンプ内部の吸収デバイスや電源 ESD セルで接続されます。この保護回路は、通常の回路動作中は非アクティブに保たれるよう設計されます。

GUID-3FA58841-45DD-4D89-86E9-A8E154B02E56-low.gif図 8-2 代表的な回路アプリケーションと比較して等価な内部 ESD 回路

ESD イベントは持続時間が非常に短く、電圧が非常に高い (例:1kV、100ns) のに対して、EOS イベントは持続時間が長く、電圧も低くなります (例:50V、100ms)。ESD ダイオードは、回路外の ESD 保護 (つまり、PCB に半田付けする前にデバイスの組み立て、テスト、保管を行うとき) を目的として設計されています。ESD イベントの間、ESD 信号は ESD ステアリング・ダイオードを通過して吸収回路 (「ESD 電源回路」とラベル付けされています) に渡されます。ESD 吸収回路は、電源を安全なレベルにクランプします。

この動作は回路外保護のためには必要なものですが、回路内でこの動作をアクティブにすると、過大な電流と損傷が発生します。過渡電圧サプレッサ (TVS) を使用すると、回路内の ESD イベント発生時に ESD 吸収回路がオンになることで生じる損傷を防止できます。適切な電流制限抵抗と TVS ダイオードを使うと、デバイスの ESD ダイオードを使って EOS イベントから保護できます。

TLV674x ファミリは、上記のように、すべてのピンに内部静電気放電 (ESD) 保護回路を内蔵しています。これらの ESD 保護ダイオードは、Topic Link Label7.1 に示すように電流が 10mA に制限されている限り、回路内の入力オーバードライブ保護の役割も果たします。図 8-3 に、入力電流を制限するために駆動入力に直列入力抵抗を追加する方法を示します。追加された抵抗はアンプ入力での熱ノイズに寄与するため、ノイズに敏感なアプリケーションではその値を最小限に抑える必要があります。

GUID-9243C757-746F-4A28-BA28-C99BDB4AD3B9-low.gif図 8-3 入力電流保護