設計目標

設計の説明

この調整可能なバンドパス アッテネータは、10Hz ～ 100kHz の周波数範囲にわたって信号レベルを -40dB 減衰させます。また、DC出力レベルを独立に制御できます。この設計では、指定の帯域範囲内での減衰を最小化するため、極周波数が通過帯域外で選択されています。

デザイン ノート

1. V_ref に DC 電圧が印加される場合、同相制限を必ずチェックしてください。
2. 負荷の問題を回避し、安定性を維持するため、R₃ はできるだけ小さくしてください。
3. ローパス フィルタの 2 番目の極の周波数 (f_p3) は、最初の極の周波数 (f_p2) の 2 倍以上にしてください。

設計手順

1. パスバンド ゲインを設定します。
   $\mathrm{Gain}=-\frac{{\mathrm{R}}_2}{{\mathrm{R}}_1}=-0.01\frac{\mathrm{V}}{\mathrm{V}}(-40\mathrm{dB})$
   ${\mathrm{R}}_1=100\mathrm{k\Omega }$
   ${\mathrm{R}}_2=0.01\times {\mathrm{R}}_1=1 \mathrm{k\Omega }$
2. ハイパス フィルタの極周波数 (f_p1) を f_l よりも低く設定します。
   ${\mathrm{f}}_{\mathrm{l}}=10\mathrm{Hz},{\mathrm{f}}_{\mathrm{p1}}=\mathrm{2.5Hz}$
3. ローパス フィルタの極周波数 (f_p2 および f_p3) を f_h より高く設定します。
   ${\mathrm{f}}_{\mathrm{h}}=100\mathrm{kHz}$
   ${\mathrm{f}}_{\mathrm{p}2}=150\mathrm{kHz}$
   ${\mathrm{f}}_{\mathrm{p}3}\ge 2\times {\mathrm{f}}_{\mathrm{p}2}=300\mathrm{kHz}$
   ${\mathrm{f}}_{\mathrm{p}3}=300\mathrm{kHz}$
4. C₁ を計算し、f_p1 の位置を設定します。
   ${\mathrm{C}}_1=\frac{1}{2\mathrm{\pi }\times {\mathrm{R}}_1\times {\mathrm{f}}_{\mathrm{p}1}}=\frac{1}{2\mathrm{\pi }\times 100\mathrm{k\Omega }\times 2.5\mathrm{Hz}}=0.636\mathrm{\mu F}\approx 1 \mathrm{\mu F}\text{ (Standard Value)}$
5. f_p2 および f_p3 を設定するための部品を選択します。
   ${\mathrm{R}}_3=8.2\mathrm{\Omega }\text{ (provides stability for cap loads up to 100nF)}$
   $$\begin{gathered} {\mathrm{C}}_2=\frac{1}{2\mathrm{\pi }\times ({\mathrm{R}}_2+{\mathrm{R}}_3)\times {\mathrm{f}}_{\mathrm{p}2}}=\frac{1}{2\mathrm{\pi }\times 1008.2\mathrm{\Omega }\times 150\mathrm{kHz}} \\ =1052\mathrm{pF}\approx 1200\mathrm{pF}\text{ (Standard Value)} \end{gathered}$$
   ${\mathrm{C}}_3=\frac{1}{2\mathrm{\pi }\times {\mathrm{R}}_3\times {\mathrm{f}}_{\mathrm{p}3}}=\frac{1}{2\mathrm{\pi }\times 8.2\mathrm{\Omega }\times 300\mathrm{kHz}}=64.7\mathrm{nF}\approx 68\mathrm{nF}\text{ (Standard Value)}$

設計シミュレーション

DC シミュレーション結果

アンプは、非反転ピンに印加された DC 電圧を、オペアンプの同相制限 (この設計では ±13V) まで通過させます。

AC シミュレーション結果

過渡シミュレーション結果

設計の参照資料

テキサス・インスツルメンツ、バンドパス フィルタ付き反転アッテネータ回路のシミュレーション、SPICE 回路シミュレーション ファイル

テキサス・インスツルメンツ、誤差 0.1dB 未満のバンドパス フィルタ付き -40dB アッテネータ、リファレンス デザイン

設計に使用されているオペアンプ

設計の代替オペアンプ