3 アプリケーションに関する考慮事項

コードレス電動工具や、モーター ドライブを搭載した他の家電製品などの家電製品では、設計上の重要な検討事項としてコスト、全体的な設計サイズ、使いやすさを挙げることができます。デバイス仕様に関する考慮事項には、最大ブートストラップ電源電圧、負電圧の過渡処理、ゲート ドライバの VDD 電源電圧、低電圧誤動作防止、駆動電流を含めることができます。単一入力機能、イネーブルまたはシャットダウン ピン、固定または調整可能なデッド タイム、インターロック、ブートストラップ ダイオード機能内蔵の各種ゲート ドライバを比較するには、表 4-1を参照してください。図 3-1は、コードレス掃除機などのアプリケーションの複数の BLDC、永久磁石同期モータ (PMSM)、またはブラシ付き DC (BDC) モータの制御にゲート ドライバを使用できる場所を示しています。

LM5106 または LM2105 などの 100V ハーフ ブリッジ ドライバは、小型の家電製品モーター ドライブ アプリケーション向けの設計を採用しています。LM5106 は、118V の高い絶対最大ブートストラップ電源電圧を実装しており、12V ～ 48V のモータ駆動電源を使用する 12V VDD システムで 100% のスイッチング電圧過渡マージンを実現できます。1.2A のソース電流と 1.8A のシンク電流は DC モーター駆動スイッチング周波数用に設計されたもので、LM5106 は単一の PWM 入力、イネーブル入力、調整可能なデッド タイムを備えており、小型の 4x4mm WSON または 3×3mm VSSOP パッケージに収められています。

設計全体のサイズが主要な懸念事項である場合、LM2105 は小型の 2×2mm WSON パッケージで、ブートストラップ ダイオードを内蔵します。リード付きパッケージが必要な場合は、5×4mm の SOIC パッケージが利用可能で、外付けのブートストラップ ダイオードおよび抵抗が不要なため、全体のフットプリントを低減できます。また、LM2105 は、標準的な 12V～48V のモータ駆動システムに対して十分な最大 HS ピン電圧マージンを提供し、大きな負の過渡に対応するための高 -19.5V の負電圧にも対応できます。

モーター ドライブ アプリケーションの詳細については、「DC モーター ドライブ用のゲート ドライバを選択する方法」をご覧ください。