JAJA993A February 2024 – August 2025 TMAG5170D-Q1
多くの設計では、マグネットを配置する最も論理的な場所は、遠く離れた電源から配線されたトレースや配線を通じて電力が供給される可能性のあるセンサではなく、感知したい可動部品内です。このため、マグネットはシフタレバーのどこかに収まる必要があり、マグネットを配置する場所に応じて、異なる種類のマグネットが適しています。図 3-1 に、2 つのマグネットの実装が可能です。左側はレバーの支点を中心に径方向磁化マグネット、右側は回転軸からある程度の距離を置いている軸方向マグネットです。
このアプリケーション ノートで説明する設計の目標は、図 3-2 に示す目的の信号など、エイリアシングなしで線形化された出力を得ることです。軸を中心に回転する物体を検出するため、1 軸のセンシング デバイスよりも 3D または多軸のセンシング デバイスの方が設計されています。多軸センシングデバイスはパッケージ向きが柔軟であるだけでなく、1 軸センシング デバイスでは避けられないエイリアシングにも耐性があります。これは、互いに垂直な場が正弦波と余弦波に類似した振る舞いを示すという事実によります。2 つの直交する磁場の逆正接を取ることで、マグネットの広範囲の動作にわたって線形出力を導き出すことができます。
直径方向のマグネットの場合、図 3-3 のような磁場の挙動が予想されますが、軸方向のマグネットの場合、図 3-4 のような磁場の挙動が予想されます。
この設計ではシフタが回転し、冗長測定が必要となるため、TMAG5170D が選択されます。