JAJA993A February   2024  – August 2025 TMAG5170D-Q1

 

  1.   1
  2.   概要
  3.   商標
  4. はじめに
  5. 機械的実装の選択
  6. マグネット実装の選択
  7. マグネット センサの配置
  8. プロトタイプ製作とベンチテスト
  9. 誤差発生源
  10. まとめ
  11. 推奨デバイス
  12. 参考資料
  13. 10改訂履歴

誤差発生源

誤差の原因はいくつか考えられますが、その多くは製造とアセンブリに関係しています。ベンチ評価プロセスでは、このような誤差の原因特定が容易であるため、大量生産に進む前にベンチテストを実施するこがは適切かつ必須となります。以下のリストに、この設計で特定されたすべての誤差発生源を示します。暫定設計で考慮されている誤差の発生源も含まれます。

  • マグネットの回転軸からのオフセット (離心率)
  • マグネットの傾き
  • センサ オフセット
  • センサの傾き
  • マグネットの変動
  • デバイスの変動
  • 外部フィールド
  • 近接する物質の影響
  • ベンチ セットアップ誤差
  • 後処理誤差

マグネット オフセットおよびセンサのオフセットが設計に与える影響についての詳細は、「デュアルダイ磁気位置センサでのスタックダイとサイドバイサイドダイ実装の比較」アプリケーションノートを参照してください。

ベンチ セットアップ誤差は、設計で想定されるリファレンス角度ソースの精度と、テスト対象デバイス (DUT) 信号を対象の位置で測定できる精度に対応します。ベンチ セットアップ誤差の例として、図 6-1 に、このアプリケーション ノートで紹介されている設計を評価するために最初にデータが収集された方法を示しています。予備的な設定によってもたらされた測定誤差は、人間の光学分解能の限界、正確な位置を維持する能力、および平均データの時間同期の限界によるものです。図 5-1 に示すセットアップにより、これらの誤差の原因が排除されました。

 予備テストセットアップ図 6-1 予備テストセットアップ

後処理誤差は、データの平均化方法、データをあるスケールから別のスケールに変換する方法、およびキャリブレーション アルゴリズムの実行方法によって発生する可能性があります。後処理誤差の例を 図 6-2 に示します。この特定のケースでは、ノイズを考慮するために、ベンチ テスト中に実行された各個別のステップで複数の測定が行われました。2 の補数形式であるこれらの測定値は、2 の補数ではない数値のように誤って平均化されました。2 の補数で 0 に近い負の数は、2 の補数ではない大きな数と同じ 2 進形式であるため、2 の補数ではない数のように平均化すると、標準的な 2 の補数ではない形式では 0 に近いはずの値に対して平均値が非常に大きくなります。

 ユーザーによる不適切な後処理から生じる誤差図 6-2 ユーザーによる不適切な後処理から生じる誤差