JAJSRV0A June 2024 – May 2025 ADS8681W , ADS8685W , ADS8689W
PRODUCTION DATA
ADS868xWは、入力アラームと AVDD アラームを備えています。入力アラームの場合、Low スレッショルドと High スレッショルドはユーザーが設定でき、指定された範囲外の入力によってアラームが起動します。入力アラームにはヒステリシスも組み込まれており、これもユーザーがプログラム可能です。このセクションでは、温度検出のために負の温度係数 (NTC) サーミスタを使って、ユーザーがプログラム可能な入力アラームスレッショルドとヒステリシスを適用することに焦点を当てます。
温度が上昇すると、NTC サーミスタの抵抗値は減少します。温度が低下すると、NTC サーミスタの抵抗値が上昇します。図 8-3 に、センシング抵抗を使用した分圧回路内に NTC サーミスタを配置した図を示します。この図に示されているように、温度が上昇すると Vout は増加し、温度が低下すると減少します。温度感知アプリケーションでは、温度が過度に高いか低いかを監視します。入力アラームのスレッショルドをプログラミングおよび調整して、システムの動作が高温になったか、異常に温度が下がったかどうかを警告します。
温度がアラーム スレッショルド付近で変動すると、温度はプログラムされた限界値を超え、連続して複数回スレッショルドに戻る可能性があります。ノイズや干渉によるアラームの誤作動を防ぐには、信号に適用されるヒステリシスを適用して調整します。
温度がアラームの High スレッショルドに近いかどうかを確認します。周囲のノイズにより、測定された電圧が一時的にこのスレッショルドを超える可能性があります。しかし、実際の温度は事前決定済み限界値を超えないため、誤ったアラームが発生します。温度が事前決定済み限界値を超え、電圧が一時的にアラーム High スレッショルドを超えた場合、アラームが必要なときにアラームは出力されません。この状態は、周囲のノイズによって測定された電圧がアラームの High スレッショルドを下回ることが原因です。ヒステリシスの量を適用して適切に調整することで、このような状況を回避できます。さらに、入力アラーム機能のノイズ耐性を向上させ、システムの温度条件をより正確に反映させます。図 8-4 に、ヒステリシスを適用したときのアラーム機能を示します。