JAJT277A January   2024  – February 2024

 

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    2.     産業用通信向けイーサネットの主な利点
    3.     組み込みプロセッサを活用してイーサネットへの移行を実現する方法
    4.     プロセス オートメーションとファクトリ オートメーションでのイーサネットへの移行に向けた次のステップ

‌Vaibhav Desai

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イーサネット ベースの産業用通信は、ファクトリ オートメーションやプロセス オートメーションにとって、実現不可能な空想ではなくなりました。イーサネット ベースの産業用通信は、急速に採用されています。

ただし、コスト、複雑さ、スケーラビリティの課題が存在していることもあり、依然としてシリアル インターフェイスが有線通信の標準として使用されています。IO-Link と RS-485 のコスト効率と信頼性を考えると当然のことです。設計エンジニアやソフトウェア エンジニアも、これらの規格に精通しています。

しかしながら、新しい組込みプロセッサ テクノロジーは、 MAC サポートを統合するとともに、 EtherCAT や Profinet などのさまざまな産業用イーサネット プロトコルをサポートすることで、イーサネットへの移行を加速しています。テキサス・インスツルメンツのプロセッサ チームは複数のエキスパートにインタビューを行い、産業用通信の設計上の課題と、イーサネットの採用において組み込みプロセッサが果たす役割に関する要望をヒアリンしました。

産業用通信向けイーサネットの主な利点

最新の製造プロセスで効率とフレキシビリティの向上という要求を満たすには、接続システムで急速に拡大する帯域幅に対応できる通信プロトコルを使用する必要があります。より多くのセンサと、エッジ AI のような上位レベルの処理機能を活用するように設定されているシステムは、信頼性が確保された状態で迅速に大量のデータを送信する必要があります。

この場合、イーサネットが有効であり、使用すれば遅延の制約が厳しいデータを転送するメカニズムを実現できます。特に、Time-Sensitive Networking (TSN) や、 EtherCAT や Profinet のような各種プロトコルにとって有効です。

ファクトリ オートメーション / 制御部門のゼネラル マネージャの Alex Weiler は次のように述べています。「私たちはインダストリ 4.0 への変革の途中にいるところです。最新システムが求める高帯域幅の需要を満たし、よりデータドリブンな意思決定を活用するために、より多くの工場がイーサネットを採用しています。イーサネットは、ファクトリ オートメーションとプロセス オートメーションのリアルタイム機能を強化します。その結果、次世代の製造業で、より多くの機械学習、予測分析、自律型ロボットを採用できます

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産業用イーサネット プロトコルと、インダストリ 4.0 設計の進化における役割の詳細については、 テキサス・インスツルメンツのブログ「インダストリ 4.0 の導入障壁を引き下げる、新しいコネクティビティ技術」をご覧ください。

組み込みプロセッサを活用してイーサネットへの移行を実現する方法

産業用通信設計では、組み込みプロセッサによりシステム間の信頼性の高い通信が確保されます。イーサネット ベースのネットワークでも、同じ役割を引き続き果たすことになりますが、特に予知保全とシステム監視において、より多くの成果を出せる可能性があります。

プロセッサ担当バイス プレジデントの Roland Sperlich は次のように述べています。「マイコンからマイクロプロセッサまで、組み込みプロセッサはイーサネット ベースの通信への移行において重要な役割を果たします。コネクテッド システム間で増加するデータを管理し、複数のネットワーク プロトコル間で相互運用性を確保するのに役立ちます。テキサス・インスツルメンツの AM2432 マイコン のようなデバイスは、処理能力の強化、コンポーネントの統合、オープン ソースで使いやすいソフトウェアを通じて、産業用システムのリアルタイム制御と通信の可能性を拡大するのに役立ちます。」

産業用通信の設計で組み込みプロセッサの役割は変化していませんが、最新のデバイスを適切なソフトウェアと組み合わせることで、イーサネット ベースの設計を最適化することができます。

「現在の組み込みプロセッサのコンピューティング性能が継続的に向上しているので、エンジニアは複雑なソフトウェアを使用してイーサネット ベースの各種プロトコルでリアルタイム制御を強化することができます」と、 Weiler は語ります。

テキサス・インスツルメンツの半導体デバイス製品ラインアップは、コスト効率の優れたマイコンから、高性能の Arm ® Cortex ® -A72x ベースのシステム オン チップ (SoC) まで多岐にわたります。これらのデバイスは、従来のリアルタイム制御およびセンシング機能と、以前は上位レベルのシステムにしか見られなかった通信、ストレージ、セキュリティ、データ処理機能を組み合わせています。これらのデバイスは、さまざまなフィールドバス プロトコルと、最大 1Gbps の速度の産業用イーサネット プロトコルをサポートしており、設計者がイーサネットへの移行をより的確に管理するのに役立ちます。

プロセス オートメーションとファクトリ オートメーションでのイーサネットへの移行に向けた次のステップ

工場内外でイーサネット接続されたデバイスで構成され、拡大を続けるエコシステム間のコネクティビティの強化は、継続的に効率を高め、サプライ チェーン全体を最適化します。増加を続けるセンサからのデータをより多く対応できるようになり、処理能力が向上すると、製造プロセスでより柔軟に対応できるようになると同時に、エッジ AI 機能を通じてネットワーク エッジでより多くのインテリジェンスと意思決定を実現できるようになります。

シニア メンバーのテクニカル スタッフである Pekka Varis は次のように述べています。「イーサネットを工場で広く採用するための過程は、高帯域幅のリアルタイム通信から始まり、現在は AI 処理まで拡大しています。半導体技術の進歩により、ネットワーク接続された複数のアプリケーション間でより多くのデータを送信できるようになり、センサが積極的にデータを収集しているネットワーク エッジで、より多くの意思決定を実施できるようになりました。これは、レイテンシの短縮、ひいては効率と安全性の向上につながります」