JAJU889A May 2023 – May 2025
パワー モジュールに内蔵されている NTC 温度センサの出力は、絶縁型デジタル信号を通じてコントローラにフィードバックされます。この信号は、周波数が変化する 50% デューティ サイクルの方形波です。温度センサは、電源デバイスのできるだけ近くに配置すると同時にデバイスから電気的に絶縁することで、ベースプレートの近似温度を示します。NTC で検出された温度は、SiC MOSFET の接合部温度と大きく異なっており、正確な接合部温度測定としては使用できません。3 つの XM3 モジュールの NTC フィードバック信号をコントローラを使用して測定する方法は 2 つあります。1 つ目は、拡張キャプチャ (eCAP) ペリフェラルを使用して、差動レシーバから直接送信される信号の周波数をデジタル測定する方法です。図 3-8 および表 3-3 に、NTC 信号周波数と NTC 温度の関係を示します。2 つ目は、周波数信号をフィルタ処理し、コントローラの ADC で測定できるアナログ信号に変換する方法です。アナログ電圧の測定値は、周波数が 4.6kHz のときは 0.38V、周波数が 30.1kHz のときは 2.5V です。
| NTC 温度 (℃) | NTC 抵抗 (Ω) | 周波数出力 (kHz) |
|---|---|---|
| 0 | 13491 | 4.6 |
| 25 | 4700 | 10.3 |
| 50 | 1928 | 17.1 |
| 75 | 898 | 22.8 |
| 100 | 464 | 26.4 |
| 125 | 260 | 28.3 |
| 150 | 156 | 29.5 |
| 175 | 99 | 30.1 |
図 3-9 に、CAB450M12XM3 モジュールの NTC 抵抗 (RNTC (Ω)) と仮想接合部温度 (TVJ) のマッピングを示します。仮想接合部温度を計算するには、式 4 を使用します。
コントローラ PCB 上に追加の温度センサが 1 つ搭載されており、リファレンス デザイン ケース内の周囲温度を測定できます。この温度センサは、10kΩ の NTC 表面実装サーミスタと、分圧器を形成する 10kΩ の固定抵抗で構成されています。温度が上昇すると、分圧器の中点の電圧も上昇します。この電圧はローパス フィルタで処理され、緩やかに変化する温度からの高周波ノイズを除去します。この電圧信号 VT をサーミスタの温度 (ケルビン) に変換するには、式 5 を使用します。