JAJU978 February 2025 AMC131M03 , MSPM0G1507
世界の多くの地域では、商用電源の公称電圧は 100V ~ 240V なので、ADC で検出するには電圧をスケールダウンする必要があります。この電圧スケーリングに使用されるアナログフロントエンドを 図 2-2 に示します。位相 C の J11 に電圧を印加すると、位相 A と B にも同様の回路が使用されます。
図 2-2 に示されたように、電圧入力のアナログ フロント エンドは、分圧回路 (R70、R71、R72、R69) と、RC ローパス フィルタ (R68、R73、C56、C57) および C58 を備えています。
オプションとして、高精度の抵抗分圧器 RES60A (U17) を追加しました。この抵抗デバイダは、1000:1 の比率で電圧を低くします。これは、R70、R71、R72、R69 を使用する分散型分圧器の代替品になります。直列抵抗チェーン分圧器ネットワークの代わりに RES60A を使用するには、次の部品を変更します:
位相 A と位相 B に対して同様の手順を実行します
電流が小さい場合、電圧から電流へのクロストークは、電力オフセットのキャリブレーションを行わなければ、電圧精度よりも有効エネルギーの精度に、はるかに大きな影響を及ぼします。これらの低電流時の精度を最大化するため、このデザインでは電圧チャネルに ADC 範囲全体を使用していません。このデザインでは、電圧チャネルの ADC 範囲の一部のみを使用していますが、電圧を測定するのに十分な精度を維持しています。特定の商用電源電圧と、選択した分圧抵抗の値について、電圧 ADC チャネルに供給される差動電圧の範囲を計算する方法を、式 1 に示します。
この式と、式 1 で選択した抵抗の値に基づいて、(ラインと中間の間で測定される) 商用電源電圧が 120V なら、電圧 ADC への入力信号の電圧スイングは ±128.47mV (90.8mVRMS) です。(電力線と中性線との間で測定される) 商用電源電圧が 230V であれば、フロントエンド回路に 230V を入力すると、±246.23mV (174.11mVRMS) の電圧スイングが発生します。±128.47mV と ±246.23mV の電圧範囲はどちらも、-1.3V ~ +2.7V の範囲内です(ゲイン = 1 の場合、『AMC131M03 3 チャネル、64kSPS、同時サンプリング、24 ビット、強化絶縁型デルタ シグマADC、DC/DCコンバータ内蔵』データシートの「推奨動作条件」セクションを参照してください)。これは、ADC での検出も可能です。