JAJY148 December 2024 AMC0106M05 , AMC0106M25 , AMC0136 , AMC0311D , AMC0311S , AMC0386 , AMC0386-Q1 , AMC1100 , AMC1106M05 , AMC1200 , AMC1200-Q1 , AMC1202 , AMC1203 , AMC1204 , AMC1211-Q1 , AMC1300 , AMC1300B-Q1 , AMC1301 , AMC1301-Q1 , AMC1302-Q1 , AMC1303M2510 , AMC1304L25 , AMC1304M25 , AMC1305M25 , AMC1305M25-Q1 , AMC1306M05 , AMC1306M25 , AMC1311 , AMC1311-Q1 , AMC131M03 , AMC1336 , AMC1336-Q1 , AMC1350 , AMC1350-Q1 , AMC23C12 , AMC3301 , AMC3330 , AMC3330-Q1
インターネット コンテンツ プロバイダ、通信サービス プロバイダ、多くの消費者および企業の間で、クラウド ベースのテクノロジーへの需要が増大していることから、データ センターが強く求められるようになってきています。これらのデータ センター サーバーの電源分配ネットワークは、フロント エンドの力率補正 (PFC) 段から DC/DC 段に至るまで、高効率と電力密度についての規格を満たす必要があります。
Electric Power Research (EPRI) が ECOS Consulting と共同で開発した 80 PLUS という認証規格は、データ センターのサーバー電源ユニット (PSU) におけるエネルギーの効率的な使用を推進します。サーバーの PSU は、定格負荷および力率 (PF) レベルで達成可能なエネルギー効率に基づいて、Gold、Platinum など多くの 80 Plus 認定のいずれかを受けることができます。
80 Plus Titanium の標準効率、PF、および電流全高調波歪み (iTHD) の要件を、表 19、表 20、表 21 にそれぞれ示します。
| 115V 内部非冗長 | 230V 内部冗長 | 230V EU 内部非冗長 | ||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 定格負荷 | ||||||||||||
| 10% | 20% | 50% | 100% | 10% | 20% | 50% | 100% | 10% | 20% | 50% | 100% | |
| Titanium の効率 | 90% | 92% | 94% | 90% | 90% | 94% | 96% | 91% | 90% | 94% | 96% | 94% |
| 出力電力 | 10% | 20% | 50% | 100% |
| 力率 | > 0.90 | > 0.96 | > 0.98 | > 0.99 |
| 出力電力 | 5% を超え、10% 以下 | 10% を超え、20% 未満 | 20% 以上 | 40% 以上 | 50% 以上 |
| iTHD | 20% 未満 | 15% 未満 | 10% 未満 | 8% 以下 | 5% 以下 |
PFC 段と DC-DC 段を備えたサーバー電源のこのような実装を、図 134 に示します。非絶縁型 PFC 段により、整流されたライン電流が、整流されたライン電圧を確実に追従するようになります。このフロントエンド PFC 段により、比較的大きなリップルを持つ中間 DC バスが作成されます。次に、絶縁型 DC-DC 段によりガルバニック絶縁と、出力電流リップルが最小限で適切にレギュレートされた出力電圧が得られます。
最大効率を実現する力率は、ユニティに近い値になります。電圧および電流制御の帰還ループを備えた単相トーテム ポールのブリッジレス トポロジにより、効率的な PFC が実現します。電圧帰還ループを使用して、PFC バス電圧を事前に選択した値にレギュレートし、電流帰還ループによって総平均インダクタ電流をレギュレートします。電流ループでは、Titanium 規格の効率、PF、iTHD の要件を満たすために、高い測定精度と帯域幅が必要です。アーキテクチャと MCU の場所によって、電流および電圧センシングの帰還パスを絶縁する必要がある場合と、必要がない場合があります。
シャント ベースの電流測定は、電流帰還ループで高い精度レベルと高帯域幅を実現するために望ましいオプションです。シャント ベースのソリューションは、開ループのホール ベースの電流センサに比べて、精度が高く、温度ドリフトが小さく、高帯域幅を実現します。別の方法として閉ループのホール センサ モジュールがありますが、シャント ベースのソリューションに比べて、必要な性能に達するためのコストが非常に高くなります。
シャント抵抗を AMC3301 (±250mV の入力範囲) や AMC3302 (±50mV の入力範囲) など単一電源で動作し、帯域幅が最大 300kHz の強化絶縁型アンプと組み合わせると、シャント ベースの高精度絶縁型電流センシングに適した、シンプルで実装しやすいソリューションになります。これらの製品には、完全統合型 DC/DC コンバータが含まれているため、電流測定側の電源が不要です。電圧測定の場合、抵抗デバイダ ネットワークの後段に AMC3330 (±1V 入力範囲) などの強化絶縁型アンプを配置すると、非常に正確な絶縁型電圧センシングが可能になります。AMC3301 および AMC3330 デバイスのブロック図を、それぞれ図 135 と図 136 に示します。
サーバー PSU メーカーが Titanium 規格の認証取得を目指す傾向が強まっている現状で、AMC33xx 製品ファミリは電流と電圧の絶縁型センシング向けの、高性能でコスト最適化された、実装しやすいソリューションに使用できます。