JAJY152 November   2024

 

  1.   1
  2.   概要
  3.   概要
  4.   はじめに
  5.   電源設計における安全に関する考慮事項および潜在的な障害
  6.   産業用システムにおける機能安全および規格の概要
  7.   電圧スーパーバイザ IC を使用した電圧監視
  8.   電圧監視が機能安全レベルに与える影響
  9.   セーフ トルクオフの設計例
  10.   まとめ

セーフ トルクオフの設計例

モーター ドライブ段は、多くの産業用プロセスに不可欠であり、安全が最も重要な多くの環境で使用されています。多くのロボットは、人間と隣接して動作する際に、モーターを使用しています。モーター ドライブ アプリケーションでは、潜在的に危険な状態が発生した場合、システムをシャットダウンするために適切な処置を実行することが絶対に不可欠です。表 1 に示すような状況では、モーターが突然に危険な動作をする可能性があります。

安全なモーター ドライブの重要な要素の 1 つは、セーフ トルクオフ回路の実装です。すべてのモーター ドライブには、ゲート ドライバで構成された電力段と、電力段回路の他に絶縁機能があります。電圧スーパーバイザ IC を使用してゲート ドライバおよび電力段の電源レールを監視することは、システムの機能安全のレベルを決定するために非常に有益です。図 5 は、SIL 2 または PL d レベルのセーフ トルクオフ システム ブロック図の例です。

 SIL 2 または PL d レベルのセーフ トルクオフ システム ブロック図。図 5 SIL 2 または PL d レベルのセーフ トルクオフ システム ブロック図。

図 5 には、電圧監視のいくつかの対象事例があります。24V 電源と、電力段で使用される、MCU または FPGA (フィールド プログラマブル ゲート アレイ) のさまざまな絶縁型入力です。このようなの電圧監視方式のハードウェア フォールト トレランスは 0 です。しかし、TPS3762 のウィンドウ電圧監視機能とその BIST 機能によって高い診断範囲を実現しているので、SIL 2 または PL d レベルのシステムが得られます。