JAJY155 April 2025 AM2754-Q1 , AM62D-Q1
処理コンポーネントと車載用オーディオシステムの設計トレンドについて論じる前に、まず車載用オーディオシステムの基本的構成について見てみましょう。これらのシステムは、図 1で示されるようにヘッド ユニット、外部アンプ、スピーカの 3 つの部分で構成されています。
図 1 ヘッドユニット、外部アンプ、スピーカを搭載した標準的な車載用オーディオシステム。ヘッドユニットは、インフォテインメントシステムの中心的なコンポーネントです。オーディオ、ナビゲーション、接続性、ユーザーインターフェースの機能を管理します。ヘッドユニットは、スマートフォン、衛星ラジオ、HD ラジオのような音源からオーディオ信号を受信し、処理を行った後、アンプに送信します。
外部アンプは、ヘッドユニットで処理されたオーディオ信号を増幅し、音がよりクリアになり、音量も大きくなります。Class-D アンプは、高い効率性かつコンパクトな形状であることから、近年非常に人気が高まっています。
スピーカは増幅されたオーディオ信号を可聴音の音波に変換します。
標準的な車載用オーディオシステムでも十分な音質を得られますが、オーディオ処理用 DSP により、車内での音楽鑑賞のあり方は大きく変わりました。これらの DSP は、周波数、タ時間軸調整、レベルを微調整する方法で、音質を改善します。また、DSP はスピーカの限界や車内の音響特性を補正し、正確な制御とよりバランスのとれた快適なリスニング体験を提供します。
図 2から図 4までの図は、車載オーディオ システムにおける DSP の配置オプションを 3 つ示しています。
図 2 ヘッドユニットのメイン SoC に統合された DSP
コアの簡略図。
図 3 ヘッドユニット内部でメイン SoC の外側に配置された
DSP SoC の簡略図。
図 4 外部アンプに収容された DSP SoC
の簡略図。各オプションには長所と短所があります。現在の車載用オーディオシステムで最も一般的な DSP の実装方法は、外部アンプ内への配置です。このアプローチには、急速に進化するヘッドユニット技術から DSP システムの設計を分離するなど、大きな利点があります。また、このオプションは、再利用性とスケーラビリティの最大化ができ、車載インフォテインメント ECU (電子制御ユニット) の全製品ラインアップでオーディオシステムを急速に進歩させます。