TI 、データセンター向けに保護、電力密度、効率性の最大化を実現する新しいパワー マネージメント チップを発表
ニュースのハイライト:
- 業界初の電力パス保護機能を備えた 48V 統合ホットスワップ eFuse により、データ センターの設計が合理化され、6kW を超える電力レベルの処理が可能に
- TI の GaNと高性能ゲートドライバ、高度な保護機能を組み合わせた新しい統合GaNパワーステージを、業界標準のトランジスタ アウトライン リードレス(TOLL)パッケージで提供
テキサス・インスツルメンツ (TI) は、現代のデータ センターにおける急増する電力需要に対応する新しいパワー マネージメント チップを発表しました。高性能コンピューティングや人工知能(AI)の導入が進む中、データ センターでは、より高密度かつ効率的な電源ソリューションが求められています。TI の新製品である TPS1685 は、データ センターのハードウェアと処理ニーズに対応する業界初の電力パス保護機能を備えた48V 統合ホットスワップ eFuse です。さらに、TI は、業界標準の TOLL パッケージに対応した新しい統合 GaN パワー ステージとして LMG3650R035、LMG3650R025、LMG3650R070 も発表し、データ センター設計の簡素化を実現します。これらの製品は、2025年3 月 16 ~ 20 日にジョージア州アトランタで開催された 2025 Applied Power Electronics Conference(APEC)で展示されました。
TIの新製品TPS1685ホットスワップ eFuse は、より高効率かつ高電力密度なデータセンターを実現
詳細については、ti.com/TPS1685、ti.com/LMG3650R035、ti.com/LMG3650R070 をご覧ください。
TI の産業用電力設計サービス部門のゼネラル マネージャーである Robert Taylor は、次のように述べています。「データ センターの電力需要がますます高まる中、世界のデジタル インフラを支えるには、よりスマートで効率的な半導体が必要です。先進的なチップが AI の演算能力を高める一方で、アナログ半導体はエネルギー効率を最大化する鍵となります。TI の最新のパワー マネージメント イノベーションは、環境負荷を軽減しつつ、デジタル社会のニーズに応えるデータセンターを支えています」
インテリジェントなシステム保護により 6kW 超の電力に対応
電力需要の増加に伴い、データ センターの設計者はCPU、GPU、AI ハードウェア アクセラレータなどの部品を効率的かつスケーラブルにサポートするために、48V 電源アーキテクチャへ移行しています。TI のスタッカブル 48V 統合型ホットスワップ eFuse は、電源パス保護機能を備えており、設計者がスケーラブルなデバイスを使用して高電力(6kW超)処理のニーズに対応できるようにすることで、従来のホットスワップ コントローラと比較して設計を簡素化し、ソリューション サイズを半分に削減します。
TPS1685 を使用した設計の詳細については、技術記事「業界初の統合型 48V 統合ホット スワップ (eFuse) による AI データ センター向けの電源供給」をご覧ください。
業界標準のパッケージングで TI GaN による高効率を実現
TI は統合 GaN パワー ステージの新しい製品ラインアップも発表しました。LMG3650R035、LMG3650R025、LMG3650R070 は、TI GaNの特長を活かしながら業界標準TOLLパッケージを採用し、設計変更のコストや手間を抑えつつGaNの高効率性を実現します。
これらの新しいパワー ステージは、高性能ゲート ドライバと 650V GaN 電界効果トランジスタ(FET)を統合し、98%以上の高効率、100W/in3 を超える電力密度を実現します。さらに、過電流保護、短絡保護、過熱保護などの高度な保護機能を備えており、特にサーバー電源などのAC/DCアプリケーションにおいて、限られたスペースでより多くの電力を供給することを可能にします。
業界標準パッケージの TI GaN パワー ステージの詳細については、技術記事「統合型 TOLL パッケージ化 GaN デバイスを使用した電源設計の革新を推進」をご覧ください。
APEC 2025 で電力密度と効率の新たな可能性を紹介
APEC 2025 において TI は、設計者が新たな電力密度と効率性を追求できる電源ソリューションを紹介しました。
- TI GaN パワー ステージを搭載した Dell の 1.8kW サーバー電源ユニット(PSU):Dell 初の高効率 12V PSU 設計では、TI の統合 GaN パワー ステージが使用されています。GaN FETにドライバ、保護機能、温度レポート機能を内蔵し、システム全体で96%以上の効率を達成します。
- Vertiv の 5.5kW サーバー PSU:Vertiv の PowerDirect Rack DC 電源システムの一部として、TI の GaN 技術を活用し、ラックあたり最大 132kW の出力を実現します。
- Greatwall の 8kW PSU: Greatwall と TI は、TI の GaN 技術と C2000™ リアルタイム マイコンを活用して 8kW のオープンラック PSU を共同開発しました。これにより、設計者は電力密度の向上を図ることができます。
TIは展示会期間中に27の業界・技術セッションに登壇し、電源設計に関する課題について発表を行いました。
パッケージ、供給と価格について
- TPS1685、LMG3650R035、LMG3650R025、LMG3650R070 はいずれも、TI.com で量産開始前の数量を注文可能
- 複数のお支払いオプションと配送オプションが利用可能
- これら 3 種類のデバイスそれぞれに対応する評価基板が利用可能
TI(テキサス・インスツルメンツ)の概要
Texas Instruments Incorporated (NASDAQ:TXN) は、産業用、車載、パーソナル エレクトロニクス、エンタープライズ システム、通信機器などの市場で、アナログ チップと組込みプロセッシング チップの設計、製造、販売に従事しているグローバル半導体企業です。TIの中核には、半導体を通じてエレクトロニクスをより手ごろな価格で提供することで、より良い世界を創造するという情熱があります。この情熱は今日も生き続けており、各世代のイノベーションが最新の技術を基礎にして、テクノロジーの信頼性を高め、より手ごろな価格で低消費電力を実現し、あらゆる分野のエレクトロニクスで半導体を活用できるようにしています。詳細については TI.com をご覧ください。
商標
C2000 は テキサス・インスツルメンツの商標です。すべての登録商標およびその他の商標はそれぞれの所有者に帰属します。