TI、車載向けポートフォリオを拡充し、自動運転への移行を加速
新たなアナログおよび組込みプロセッシング技術により、自動車メーカーは車両ラインアップ全体で、よりスマートで安全、かつ高い接続性を備えた運転体験を提供可能に
ニュースのハイライト:
- TI の最新高性能コンピューティング SoC は、独自の NPU とチップレット対応設計により、最大 1200 TOPS の安全かつ高効率なエッジ AI 性能を実現
- 8 × 8 4D イメージングレーダートランシーバにより、レーダー設計の簡素化と高度なユースケースへの対応が可能
- 10BASE-T1S Ethernet PHY を使用することで、配線の複雑さとコストを抑えつつ、車両のエッジノードまでイーサネットを拡張
- これらの新しい半導体により、AI による迅速な判断、包括的な認識、統合ネットワークを実現し、自動車メーカーの車両全体における自動化レベル向上を支援
テキサス・インスツルメンツ (TI)は本日、車両モデル全体にわたる安全性と自動化の向上を支援する新しい車載向け半導体と開発リソースを発表しました。TI のスケーラブルな TDA5 高性能コンピューティング システム オン チップ(SoC)は、電力効率と安全性を最適化した処理性能とエッジ AI を提供し、自動車技術協会レベル 3 の自動運転に対応します。TI はまた、高解像度レーダーシステムの設計を簡素化する、シングルチップの 8×8 4D イメージング レーダー トランシーバ「AWR2188」を発表しました。これらのデバイスは、DP83TD555J-Q1 10BASE-T1S Ethernet 物理層(PHY)とともに、次世代の先進運転支援システム(ADAS)およびソフトウェア定義車両(SDV)向けの TI の包括的な車載ポートフォリオに加わります。これらの製品は、2026 年 1 月 6 ~ 9 日に米国ネバダ州ラスベガスで開催される 2026 CES にて展示する予定です。
高度なセンシング、信頼性の高い車載ネットワーク、そして効率的で高性能なプロセッシングに向けた TI のイノベーションは、すべての車両セグメントにおいて、より安全で自律性の高い運転を実現します
詳細については、ti.com/TDA54-Q1、ti.com/AWR2188、ti.com/DP83TD555J-Q1 をご覧ください。
TI の自動車システムディレクターである Mark Ng は、次のように述べています。「自動車業界は、ハンドル操作を必要としない運転の未来へと着実に移行しています。半導体は、より安全でスマート、かつ自動化された運転体験を、あらゆる車両で実現するための中核となる技術です。検知、通信、意思決定に至るまで、TI のエンド ツー エンド ソリューションにより、エンジニアは車載分野における次のイノベーションを実現できます」
高性能コンピューティング SoC は、車両モデル全体で安全かつスケーラブルな AI を実現
次世代車両における安全性と自動化を高めるため、自動車メーカーは AI とセンサ フュージョンを用いたリアルタイムの意思決定を支えるセントラル コンピューティング システムの導入を進めています。高性能コンピューティング向けに設計された TI の TDA5 SoC は、10 兆 TOPS(1 秒あたり 10 兆演算)から 1200 TOPS までのエッジ AI アクセラレーションを、24 TOPS/W を超える電力効率で実現します。Interconnect Express インターフェイス テクノロジーに対応したチップレット設計により、設計者は単一のポートフォリオで異なる機能構成を実装し、レベル 3 までの自動運転に対応することが可能です。20 年以上にわたる車載プロセッシング分野での実績を基盤に、本製品は TI の既存のポートフォリオのパフォーマンスを拡張し、自動車メーカーがコンピューティング アーキテクチャを一元管理し、より高度な AI モデルを処理できるよう支援します。
TI の最新世代 C7™ ニューラル プロセッシング ユニット(NPU)を統合することで、TDA5 SoC は、従来世代と比較して同等の消費電力で最大 12 倍の AI 演算性能を提供し、高価な熱対策が不要になります。この性能は、言語モデルとトランスフォーマー ネットワーク内の数十億個のパラメータをサポートし、車載インテリジェンスを向上させながら、クロスドメイン機能を維持します。また、最新の Arm® Cortex®-A720AE コアを搭載しており、安全性、セキュリティ、コンピューティング アプリケーションの統合が可能となります。
TDA5 SoCは、ADAS、車載インフォテインメント、ゲートウェイ システムのクロスドメイン フュージョンをシングルチップで実現し、システムの複雑さとコストを削減します。安全性を最優先とするアーキテクチャにより、外付け部品を用いることなく、 Automotive Safety Integrity Level D の安全基準を満たし、システムをさらに簡素化します。
複雑な車載ソフトウェア管理を簡素化するため、TI は Synopsys と提携し、TDA5 SoC 向け仮想開発キット(英語)を提供します。本キットのデジタルツイン機能により、SDV の市場投入までの期間を最大 12 か月短縮できます。
TDA5 SoC の詳細については、技術記事「スケーラブルな高性能SoCが自動運転車両の未来である理由」をご覧ください。
シングルチップの 8×8 レーダートランシーバが、より迅速かつ正確な検知を実現
レーダーは、あらゆる気象条件において優れた認識性能と信頼性を備え、先進的な ADAS と自動運転に不可欠な技術です。TI の AWR2188 4D イメージング レーダー トランシーバは、グローバル市場のニーズを満たすように設計されており、8 個のトランスミッターと 8 個のレシーバを 1 つのローンチオンパッケージチップに統合しています。これにより、8×8 構成ではカスケード接続が不要となり、チャンネル数を増やすために必要なデバイス数が少なくなるため、高解像度レーダーシステムを簡素化できます。このトランシーバは、サテライトとエッジの両方のアーキテクチャをサポートしており、エントリーレベルから高級車まで、ADAS 機能のグローバル展開を簡素化かつ加速します。
AWR2188 は、強化された A/D コンバータによるデータ処理とレーダーチャープ信号スロープエンジンにより、既存ソリューションと比較して 30% 高速なパフォーマンスを実現します。これにより、落下物の検知、近接車両の識別、高ダイナミックレンジ環境での物体認識といった高度なユースケースに対応します。さらに、350m を超える距離でも高精度な検知が可能となり、より安全な自動運転の実現に貢献します。
詳細については、技術記事「シングル チップの8×8カスケード対応トランシーバによる 4D レーダー イメージングの実現」をご覧ください。
10BASE-T1Sテクノロジーにより、車両エッジノードにイーサネットを拡張
SDV と自動化レベルの向上に伴い、サブシステム アーキテクチャは大きな転換期を迎えています。イーサネットは、シンプルで統合されたネットワーク アーキテクチャを通じて、車両ゾーン全体で大量のデータをリアルタイムに収集、送信するための重要な基盤技術です。新しい DP83TD555J-Q1 10BASE-T1S イーサネット シリアル ペリフェラル インターフェイス PHY は、メディア アクセス コントローラを内蔵し、ナノ秒単位の時間同期、業界トップクラスの信頼性、Power over Data Line 機能を提供します。これにより、高性能イーサネットを車両エッジノードに拡張しながら、ケーブル設計の複雑さとコストを削減できます。
TI は、高度なセンシング技術、信頼性の高い車載ネットワーク、効率的な AI 処理を含むエンドツーエンドのシステムを提供しています。これにより、自動車メーカーは、異なる車両モデルにわたって安全性と自動化レベルを向上させるシステムを開発することが可能になります。
詳細については、TI のブログ「自動運転体験を発展させる半導体技術」をご覧ください。
CES 2026 への出展について
TIは、ラスベガス コンベンションセンター北ホール、会議室番号 N115 にて、アナログおよび組込みプロセッシング ポートフォリオ全体にわたるイノベーションが、人々の「移動」「暮らし」「働き方」をどのように進化させているかを紹介します。車載技術と先進モビリティ、スマートホーム、デジタルヘルス、エネルギーインフラ、ロボティクス、データセンターに関するデモンストレーションを展示します。詳細はti.com/CESをご覧ください。
パッケージ、提供時期および価格について
- TDA54 ソフトウェア開発キットは、エンジニアがTDA54向け仮想開発キットを利用して開発を開始できるよう、現在 TI.com にて提供しています。最初のデバイスである TDA54-Q1 のサンプルは、2026年末までに一部の自動車業界のお客様向けに供開始予定です。
- AWR2188 トランシーバと評価モジュールは、現在 TI.com にて、量産開始前の数量をリクエストベースで提供しています。
- DP83TD555J-Q1 10BASE-T1S Ethernet PHY と評価モジュールは、現在 TI.com にて、量産開始前の数量をリクエストベースで提供しています。
TI (テキサス・インスツルメンツ) の概要
Texas Instruments Incorporated は、産業用、車載、パーソナル エレクトロニクス、エンタープライズ システム、通信機器などの市場で、アナログ チップと組込みプロセッシング チップの設計、製造、販売に従事しているグローバル半導体企業です。TIの中核には、半導体を通じてエレクトロニクスをより手ごろな価格で提供することで、より良い世界を創造するという情熱があります。この情熱は今日も生き続けており、各世代のイノベーションが最新の技術を基礎にして、テクノロジーの信頼性を高め、より手ごろな価格で低消費電力を実現し、あらゆる分野のエレクトロニクスで半導体を活用できるようにしています。詳細は TI.com をご覧ください。
商標
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