TI、マイコン ポートフォリオとソフトウェア エコシステムを拡張し、あらゆるデバイスでエッジ AI を実現

TinyEngine™ NPU 搭載の新しいマイコンが、AI 対応ハードウェア、ソフトウェア、ツールを網羅する TI の包括的ポートフォリオに加わり、さまざまな用途でインテリジェンスを展開可能に

12 3 月 2026 | 製品とテクノロジー

ニュースのハイライト:

  • TI の統合型 TinyEngine NPU は、アクセラレータ非搭載の同等のマイコンと比較して、AI推論あたりのレイテンシを最大 90 倍、エネルギー消費を 120 倍以上低減して AI モデルを実行
  • TI の新しい汎用およびリアルタイム マイコンには TinyEngine NPU が搭載されており、シンプルなシステムから複雑なシステムまで、あらゆるアプリケーションでより効率的なエッジ AI を実現
  • TI の CCStudio™ IDE に統合された生成 AI と、CCStudio Edge AI Studio に用意された 60 以上のモデルおよびアプリケーション例により、開発者はあらゆるデバイスにエッジ AI を迅速かつ容易に追加可能

テキサス・インスツルメンツ (TI) は本日、エッジ AI 機能を備えた 2 つの新しいマイコン (MCU)を発表しました。これにより、同社の組み込みプロセッシング製品ポートフォリオ全体でエッジ AI 実現の取り組みをさらに推進するものです。新しい MSPM0G5187 および AM13Ex マイコンは、TI の TinyEngine ニューラル プロセッシング ユニット(NPU)を統合しています。この NPU はマイコン向けの専用ハードウェア アクセラレータで、ディープ ラーニングの推論処理を最適化し、エッジでの処理時にレイテンシを低減し、エネルギー効率を向上させます。  

TIは、汎用マイコンや高性能リアルタイムマイコンを含むマイコン製品ポートフォリオ全体にTinyEngine NPUを展開しています 

詳細については、ti.com/edgeAI(英語)、ti.com/MSPM0G5187 および ti.com/AM13E23019 をご覧ください。

TI の組み込みプロセッシング製品ポートフォリオは、CCStudio 統合開発環境(IDE)を含む包括的な開発エコシステムによって支えられています。この生成 AI 機能により、エンジニアは自然言語を使用してコード開発、システム構成、デバッグを高速化できます。これらは、TI のデータと組み合わせた業界標準のエージェントやモデルを活用しています。これらの取り組みにより TI は、ウェアラブル型ヘルス モニターや家庭用ブレーカーのリアルタイム監視から、ヒューマノイド ロボットのフィジカル AI まで、幅広い電子機器におけるエッジ AI 導入を加速しています。これらのエンド ツー エンドのイノベーションは、2026 年 3 月 10日 ~12 日にドイツのニュルンベルクで開催される「embedded world 2026」の TI のブースで紹介されます。  

TI の組み込みプロセッシングおよび DLP® 製品担当シニア バイス プレジデントである Amichai Ron は、次のように述べています。「TI は約 50 年前にデジタル シグナル プロセッサを発明し、今日のエッジ AI 処理の基盤を築きました。現在TI は、TinyEngine NPU を汎用マイコンや高性能リアルタイム マイコンを含むマイコン製品ポートフォリオ全体に展開し、イノベーションの次なるフェーズを牽引しています。当社のソフトウェア、ツール、デバイス、エコシステム全体で AI を活用可能にすることで、すべてのお客様とあらゆる用途に対し、エッジ AI をより身近で容易に活用できる環境を提供しています」

TECHnalysis Research の社長兼チーフ アナリストである Bob O’Donnell 氏は、次のように述べています。「これまで多くの注目は大型 SoC における AI アクセラレーションや NPU に集まっていました。しかし、より興味深く幅広い可能性を持つ AI の応用の一部は、マイコンのような小型チップ内でも実現できることが明らかになっています。エッジベースの AI アクセラレーションは、消費者向けデバイスはよりインテリジェントにし、産業機器をより効率的にします。さらに、AI 機能の開発を支援する AI 搭載のソフトウェア開発ツールとこれらのチップを組み合わせることで、AI アクセラレーションのメリットを、より幅広いエンジニアやデバイス設計者が活用できるようになります」

高度なインテリジェンスをより身近に

消費者は、フィットネス用ウェアラブルから家庭用電化製品や電気システムに至るまで、日常のテクノロジーがより高度になることを求めています。しかし、多くのエンジニアは、コスト、消費電力、コーディング要件の高さから、 AI は高価格帯のアプリケーションに限られると考えてきました。TI の新しい MSPM0G5187 Arm® Cortex®-M0+ MSPM0 マイコンは、組み込み設計者にとって画期的な進展をもたらします。これにより、より簡素で小型、かつコスト効率に優れた幅広い用途へエッジ AI を展開することが可能になります。

TinyEngine NPU はローカルでの演算処理により、ニューラル ネットワークに必要な計算を、アプリケーション コードを実行する CPU と並行して処理します。アクセラレータを搭載していない同等のマイコンと比較すると、このハードウェア アクセラレーションは以下を実現します。

  • フラッシュ メモリの使用容量の最小化
  • AI 推論あたり最大 90 倍のレイテンシ低減
  • AI 推論あたりの最大 120 倍のエネルギー消費削減

これほどの効率性により、携帯型バッテリー駆動機器を含むリソース制約のあるデバイスでAI 処理が可能になります。MSPM0G5187 マイコンは、1,000 個単位で 1 米ドル未満という価格設定により、他のマイコンやプロセッサ アーキテクチャに対する低コストの代替手段として、システムおよび運用コストの削減に貢献します。

マルチモーター システム向けリアルタイム制御と AI アクセラレーション

家電、ロボティクス、産業システム向けのモーター制御では、適応制御や予知保全などの高度な機能が求められています。一方で、これらを実装するには、これまで複雑なマルチチップ設計が必要とされてきました。TIは、20年以上にわたり C2000™ リアルタイム マイコン ポートフォリオでモーター制御分野をリードしてきました。新しい AM13Ex マイコンは、高性能 Arm Cortex-M33 コア、TinyEngine NPU、高度なリアルタイム制御アーキテクチャを単一チップに統合した業界初の製品です。  

この統合レベルにより、外部コンポーネントを追加することなく、高度なモーター制御と AI 機能を同時に実装でき、部品表コストを最大 30% 削減できます。主な特長は以下のとおりです。

  • 最大 4 台のモーターの精密なリアルタイム制御ループを維持すると同時に、TinyEngine NPU が負荷センシングやエネルギー最適化のための適応制御アルゴリズムを実行
  • 統合型三角関数アクセラレータを搭載し、座標回転デジタル計算(CORDIC)方式と比べて 10 倍高速な計算を実現し、より精密で応答性の高いモーター制御を提供

AI モデルの学習、最適化、展開を容易に

両マイコンは、TI の CCStudio Edge AI Studio に対応しています。これは、TI の組み込みプロセッシング製品ポートフォリオ全体でモデルの選定、学習、展開を簡素化する無償の開発環境です。このエッジ AI ツールチェーンは、ハードウェアまたはソフトウェア実装のいずれにおいても、TI のマイコン上での AI モデル実行において高い柔軟性を提供します。現在、このツールには 60 以上のモデルとアプリケーション例が用意されており、開発者があらゆるデバイスでエッジ AI を導入できるよう支援しています。今後さらに多くのタスクとモデルが追加される予定です。  

embedded world 2026 への出展について

TI は、「embedded world 2026」 (ホール 3A、ブース番号 131) において、TI の技術がどのようにエンジニアの AI を活用した開発の加速を支援し、エッジ AI による性能向上を実現し、工場、建物、車両などさまざまな分野でエッジ AI の展開を可能にするかを紹介します。また、革新的な組み込みソリューションをより迅速に市場へ投入するための包括的な基盤を提供する TI のパートナー エコシステムも紹介します。詳細は、ti.com/ew(英語) をご覧ください。

パッケージ、提供時期および価格について

  • MSPM0G5187 マイコンは現在、 TI.com で量産数量を提供しています。AM13E23019 マイコンは、量産開始前の数量を提供しています。追加のパッケージおよびメモリ構成のラインアップは、2026 年末までに提供開始予定です。  
  • 複数のお支払いおよび配送オプションが利用可能です。

TI (テキサス・インスツルメンツ) の概要

Texas Instruments Incorporated はグローバル半導体企業として、産業用、車載、データセンター、パーソナル エレクトロニクス、通信機器などの市場で、アナログ チップと組込みプロセッシング チップの設計、製造、販売に従事しています。TIの中核には、半導体を通じてエレクトロニクスをより手ごろな価格で提供することで、より良い世界を創造するという情熱があります。この情熱は今日も生き続けており、各世代のイノベーションが最新の技術を基礎にして、テクノロジーの信頼性を高め、より手ごろな価格で低消費電力を実現し、あらゆる分野のエレクトロニクスで半導体を活用できるようにしています。詳細は TI.com をご覧ください。

商標

DLP は、テキサス・インスツルメンツの登録商標です。TinyEngine、CCStudio、C2000 はテキサス インスツルメンツの商標です。その他すべての商標は、それぞれの所有者に帰属します。

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