センサ・フュージョン

自動車内のセンサ データとビジョン データを迅速、高精度、高信頼性で計算する需要の増大に対応

自動車が搭載するセンサの数が増大を続けている現状で、センサ フュージョン システムはデータの解釈と運転動作の決定をごく短時間で実施する必要があります。電力効率の優れた TI の高性能の処理機能と通信技術を採用し、センサ、カメラ、レーダーの各データを高分解能かつ同期形式で送信してリアルタイム処理すると、自動車全体の安全性向上が容易になります。

センサ フュージョン システムで TI 製品を選択する理由

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高性能の処理機能

高効率のビジョン アクセラレータと AI (人工知能) アクセラレータを活用すると、複数のセンサと多様な種類のセンサから取得したデータを組み合わせて処理し、より高精度で信頼性の高い認識につなげることができます。

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信頼性の高い同期通信

自動車を取り巻く環境に関するリアルタイム データの送信と同期処理を行い、高精度でインテリジェントな処理を実現します。 

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システム実装が容易

TI の評価ボード、互換性のあるソフトウェア、アプリケーション固有のサンプルを使用すると、設計を開始し、市場投入までの期間を短縮することができます。

必要な自動運転レベルに合わせてセンサ フュージョン プラットフォームを設計

センサ データの組み合わせと処理をリアルタイムで実行

先進運転支援システム (ADAS) を採用する場合、自動車は安全性に関する決定をリアルタイムで下す必要があります。TI の Arm® ベースのプロセッサは、コンピュータ ビジョン、信号処理、画像処理から、人工知能やディープ ラーニング機能まで、幅広いコンピューティング性能を高効率で実現し、自動車の安全性向上と自動運転の段階的進歩に貢献します。重要なリソースを犠牲にせずに高性能センサ フュージョン システムを設計し、システム設計を効率化すると同時に、ASIL D までの範囲で ISO 26262 規格に適合することができます。

リアルタイム処理 に関する主な製品
TDA4VM-Q1 アクティブ 車載対応、ディープ・ラーニング使用、L2、L3、近接場分析システム向けのシステム・オン・チップ
新製品 TDA4VH-Q1 プレビュー 車載対応、グラフィックスと AI とビデオ・コプロセッサを搭載、L2 と L3 の各ドメイン・コントローラのセンサ・フュージョン向け SoC

多様なプロトコルにまたがって高信頼性かつセキュアなデータ転送を実現

全面的自動運転車の製作という将来構想に基づき、カメラとセンサの数が増加している現状で、自動車の周囲から取得するデータはこれまで以上に増加しています。TI の先進的な通信技術は多様な自動車アーキテクチャに対応しているので、安全かつ信頼性の高い方法でセンサ データを送信し、安全性に関する決定をタイムクリティカル (時間重視型) に下すのに役立ちます。TI の車載ネットワーク製品ラインアップは、イーサネット PHY、FPD-Link デバイス、CAN、LIN、PCIe で構成されており、さまざまなデータ速度のサポートや、安全重視の運転支援アプリケーションの信頼性向上に貢献します。

マルチプロトコル通信 に関する主な製品
DP83TG720S-Q1 アクティブ 車載対応、RGMII と SGMII をサポート、1000Base-T1、イーサネット PHY
DS90UB960-Q1 アクティブ デュアル CSI-2 出力ポート搭載、クワッド、2MP(メガピクセル)カメラ・ハブ FPD-Link III デシリアライザ
TCAN1043A-Q1 アクティブ 車載対応、ウェークとインヒビットとスリープの各機能搭載、CAN-FD トランシーバ

優れた電力効率と性能

ADAS (高度運転支援システム) を設計する際に、消費電力の低減、および性能の向上という相反する要件に対応することが重要です。特定の SoC (システム オン チップ) を想定した個別の統合型 PMIC (パワー マネージメント IC) を採用すると、部品点数の減少やシステム サイズの縮小と同時に、効率や放熱性能の向上を実現しやすくなります。TI の各種 PMIC は、センサ フュージョン設計でノイズの制限と電力密度の維持に役立つと同時に、ASIL D までの ISO 26262 規格への準拠に貢献

電力効率 に関する主な製品
TPS6594-Q1 アクティブ 車載対応、5 個の降圧レギュレータと 4 個の低ドロップアウト (LDO) レギュレータ搭載、2.8V ~ 5.5V、パワー・マネージメント IC (PMIC)
LP8764-Q1 アクティブ 車載対応 SoC 向け、4 個の 5A 出力、または 1 個の 20A 出力を供給するマルチフェーズ降圧コンバータ PMIC
TPS62870-Q1 アクティブ 車載対応、2.7V ~ 6V 入力、6A、スタッカブル、同期整流降圧コンバータ

TDA4x プロセッサを使用するソフトウェア開発の迅速化

TI の評価基板 (EVM) とクラウド環境を組み合わせ、TDA4x プロセッサを使用してソフトウェア性能を評価することができます。TensorFlow Lite、ONNX (Open Neural Network Exchange) Runtime、TVM (Tensor Virtual Machine)、GStreamer、Docker、ROS (Robot Operating System)、Open GL (Graphics Library) for ES (Embedded Systems) など業界標準の各種 API (アプリケーション プログラミング インターフェイス) を使用して、モデルのコンパイルと導入の平易化、推論の高速化、ディープ ラーニング推論の高速化を実現することができます。

アルゴリズム開発 に関する主な製品
TDA4VM-Q1 アクティブ 車載対応、ディープ・ラーニング使用、L2、L3、近接場分析システム向けのシステム・オン・チップ

TI のクロック デバイスとタイミング デバイスを使用して、センサ フュージョンの性能を最適化

複数の高性能 SoC を導入するには、センサ フュージョン内のクロック処理機能が不可欠です。BAW (バルク弾性波) 発振器など、低ジッタで使いやすいクロック / タイミング デバイスで構成された TI の製品ラインアップを使用すると、シンプルなディスクリート デバイスや高集積ソリューションを使用してクロック ツリーを製作することができます。

信頼性の高いクロックとタイミング に関する主な製品
CDCS503-Q1 アクティブ 車載対応、SSC オプションに対応、クロック・バッファ / クロック逓倍器
CDCE913-Q1 アクティブ 車載カタログ、2.5V または 3.3V LVCMOS 出力、プログラマブル、1 個の PLL VCXO クロック・シンセサイザ
LMK00334-Q1 アクティブ 車載対応、4 出力 PCIe® Gen1/Gen2/Gen3/Gen4/Gen5 クロック・バッファ / レベル・シフタ

設計と開発に役立つリソース

リファレンス・デザイン
2 個の 4Gbps クワッド・デシリアライザ付き ADAS 8 チャネル・センサ・フュージョン・ハブのリファレンス・デザイン
このセンサ・フュージョン・ハブのリファレンス・デザインは、最大 4 台の 2 メガピクセル・カメラと、最大 4 個のレーダ・モジュールを同軸ケーブル経由で接続できます。このデザインはこれらの同軸ケーブルを使用して、センサへの電力供給やバックチャネル通信、クロック同期を実行します。2 個の 4Gbps FPD-Link III クワッド・デシリアライザは、Samtec コネクタを経由するアプリケーション・プロセッサへのデュアル出力 MIPI(Mobile Industry Processor Interface)CSI-2(Camera Serial (...)
評価ボード
TDA4AP-Q1、TDA4VP-Q1、TDA4AH-Q1、TDA4VH-Q1 の 各 SoC 遠距離場分析システム向け評価基板

J784S4 評価基板 (EVM) は、車載と産業用の市場全体にわたるビジョン分析とネットワークの各アプリケーションで、TDA4AP-Q1、TDA4VP-Q1、TDA4AH-Q1、TDA4VH-Q1 の各プロセッサを評価するためのプラットフォームです。これらのプロセッサは、マルチカメラ、センサ・フュージョン、ADAS (先進運転支援システム) ドメイン制御の各アプリケーションで、特に優れた性能を発揮します。

TDA4AP-Q1、TDA4VP-Q1、TDA4AH-Q1、TDA4VH-Q1 の各プロセッサは、固定小数点と浮動小数点の各 DSP コア、Arm® Cortex®-A72 (...)

リファレンス・デザイン
Automotive domain controller for gateway, assisted and automated driving systems reference design

現在市販されている自動車のうち、分散アーキテクチャを採用した車種は、個別の ECU (電子制御ユニット) を使用しています。この種の ECU は一般的に、新しく登場する自動車アーキテクチャが必要とする複雑なタスクやデータの移動を取り扱うための処理能力や高速インターフェイスが不足しています。より高度な水準の機能を実現するには、DMIPS (処理能力)、データ帯域幅、電力効率の適切な組み合わせが必要です。TI の Jacinto™ 7 ファミリに属する DRA829V と TDA4VM の各プロセッサは、この種のアーキテクチャが必要とする性能、電力要件、車載インターフェイスを実現しています。

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センサ・フュージョン 関連の各種リファレンス・デザイン

セレクションツールを使用すると、お客様のアプリケーションやパラメータに最適なリファレンス・デザインをご覧いただけます。

主要製品

Arm ベースのプロセッサ TDA4VM-Q1 アクティブ 車載対応、ディープ・ラーニング使用、L2、L3、近接場分析システム向けのシステム・オン・チップ
マルチチャネル IC (PMIC) TPS6594-Q1 アクティブ 車載対応、5 個の降圧レギュレータと 4 個の低ドロップアウト (LDO) レギュレータ搭載、2.8V ~ 5.5V、パワー・マネージメント IC (PMIC)
Arm Cortex-R マイコン AM2732-Q1 アクティブ 車載対応、C66x DSP とイーサネットと安全性機能とセキュリティ機能搭載、最大 400MHz、デュアルコア Arm® Cortex-R5F マイコン
イーサネット PHY DP83TG720S-Q1 アクティブ 車載対応、RGMII と SGMII をサポート、1000Base-T1、イーサネット PHY
FPD-Link SerDes DS90UB960-Q1 アクティブ デュアル CSI-2 出力ポート搭載、クワッド、2MP(メガピクセル)カメラ・ハブ FPD-Link III デシリアライザ
複数の CAN トランシーバ TCAN1043A-Q1 アクティブ 車載対応、ウェークとインヒビットとスリープの各機能搭載、CAN-FD トランシーバ
2022年6月27日 | カンパニー・ブログ

ADAS(先進運転支援システム)技術は、緊急ブレーキ、前方衝突警告、死角モニタリングなど、重要でタイム・センシティブなアプリケーションへと拡大しています。複数のセンサから取得したデータを組み合わせることで、信頼性の高いリアルタイムな決断をくだし、より安全な自動運転が可能になります

詳細

技術リソース

ホワイト・ペーパー
ホワイト・ペーパー
Paving the way to self-driving cars with ADAS (Rev. A)
この資料をご覧になると、ADAS (先進運転支援システム) を使用した自動運転車の実現を TI がどのように支援しているかを理解できます。
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技術記事
技術記事
ADAS ドメイン コントローラに適したマルチカメラ ビジョン認識システムの製作
ドライバー、歩行者、路上にいて保護が不十分な人々を保護できるように、集中力の低下による影響を低減するうえで、先進運転支援システム (ADAS) がどのように役立つかをご確認ください。
ホワイト・ペーパー
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最新 ADAS アーキテクチャ内の通信プロトコル
このホワイト ペーパーでは、信頼性の高い ADAS (先進運転支援システム) を実現する各種通信技術について説明します。
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