HEV/EV on-board charger (OBC) & wireless charger

小型、高効率、高信頼性のオンボード・チャージャ設計で、充電時間の短縮と安全性の向上を実現

電気自動車 (EV) がいっそうの高電圧化を進め、より効率的なオンボード・チャージャを採用しようとする場合、リアルタイム・デジタル制御ソリューションを採用した、洗練された電源トポロジが必要になります。TI の各種リアルタイム・マイコンは、TI の絶縁型ゲート・ドライバ、バイアス電源、センシング技術とシームレスに連携し、高速で効率的な EV 充電を可能にします。

オンボード・チャージャ・システムで TI 製品を選択する理由

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高度な機能とアーキテクチャを実現可能

リアルタイム・マイコンとアナログ技術製品を取り揃えた TI の多様な製品ラインアップを活用すると、双方向の電力フローや統合型パワートレイン・システムなどの高度な機能を実現し、より高い電力レベルを確保することができます。

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電力密度の向上と同時に、システム・サイズを縮小

より高いスイッチング周波数を使用する各種パワー・マネージメント・デバイスを高度な高性能トポロジで実装すると、より高い電圧を使用し、電力密度を高めることができます。

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安全性と信頼性を強化

静電容量性で定格の高い強化絶縁技術と、早期障害検出機能を採用しており、システムの信頼性向上に貢献します。

実現に寄与する技術

リアルタイム制御マイコン

リアルタイム制御分野で処理能力やセンシングとアクチュエータ駆動の性能が向上した結果、精度と効率が向上し、自動車の低コスト化をいっそう進めることができます。

メリット

  • サイズと重量の低減:低レイテンシの制御ループと高分解能の PWM を活用すると、スイッチング周波数を引き上げ、受動部品や磁気部品の物理サイズと重量を低減することができます。
  • 電力密度と効率の向上:100kHz ~ 1MHz のスイッチング周波数を必要とするワイド・バンドギャップ (WBG) 半導体である GaN (窒化ガリウム) と SiC (シリコン・カーバイド) の利点を発揮できます。
  • システム統合によるコスト削減:コアとペリフェラルで高度な電源トポロジを採用し、単一のマイコンを使用するだけで複数の電力変換を統合することができます。
関連資料
CCM トーテムポール PFC と CLLLC DC/DC を搭載、7.4kW オンボード・チャージャのリファレンス・デザイン
この双方向 OBC のリファレンス・デザインを構成しているのは、インターリーブ連続導通モードのトーテム・ポール・ブリッジレス力率補正電力段と、その後段にあり、リアルタイム制御マイコンを使用して制御を行う CLLLC DC/DC 電力段です。
ホワイト・ペーパー
Achieving High Efficiency and Enabling Integration in EV Powertrain Subsystems
このホワイト・ペーパーは、オンボード・チャージャや、高電圧から低電圧への変換を行う DC/DC コンバータの制御に関する一般的な課題と、これらのサブシステムで C2000™ リアルタイム・マイコンを採用する場合の利点について説明します。 
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技術記事
マイコンを活用して自動車電動化設計の利点を最大限に引き出す方法
モーターのサイズと重量を軽減して航続距離を延長し、EV のいっそうの低コスト化を実現するために、高性能リアルタイム・マイコンを活用する方法を確認できます。
マイコン (MCU) に関する主な製品
新製品 TMS320F280039C-Q1 アクティブ 車載対応、C2000™ 32 ビット・マイコン、120MHz、384KB フラッシュ、FPU (浮動小数点演算ユニット)、CLA (制御補償器アクセラレータ) 搭載 TMU (三角関数算術演算ユニット
TMS320F28386D-Q1 アクティブ 車載対応、コネクティビティ・マネージャと 2x C28x+CLA CPU と 1.5MB フラッシュと FPU64 と CLB (構成可能ロジック・ブロック) と イーサネット搭載、C2000™ 32
新製品 AM2634-Q1 アクティブ 車載対応、リアルタイム制御機能とセキュリティ機能を搭載、最大 400MHz 動作、クワッド・コア Arm® Cortex®-R5F マイコン

絶縁型ゲート・ドライバ

ゲート・ドライバを採用すると、入力と出力の間でガルバニック絶縁を実現し、IGBT (絶縁ゲート・バイポーラ・トランジスタ)、Si (シリコン)、Si (シリコン・カーバイド) のいずれかをベースとする力率補正段を駆動することができます。

メリット

  • システム・レベルの効率の向上:ターンオンやターンオフのエネルギーを含め、スイッチング損失や導通損失が最小になります。
  • システム全体のサイズと重量の低減:スイッチング周波数を高くすると、システム全体の磁気素子の数と重量を大幅に低減できます。また、デュアルチャネル・ドライバを実装すると、シングルチャネル・オプションに比べてプリント基板の面積縮小と BOM (部品表) の低減を実現できます。
  • システムの信頼性:ガルバニック絶縁と高い同相過渡耐性を通じて、過渡やノイズに対するシステムの復元力が向上します。
アプリケーション・ノート
Optimizing On-Board and Wireless Charger Systems Using Logic and Translation (Rev. A)
このアプリケーション・ノートは、オンボード・チャージャ・システムで効率的な電力変換を意図して設計を行う際のいくつかの課題と、ロジックや変換機能を使用してそれらの課題を解決する方法を示すいくつかのサンプル・ソリューションを提示します。
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ホワイト・ペーパー
高性能な統合型パワートレイン・ ソリューション: EVに適用するための要件
このホワイト・ペーパーは、パワー・エレクトロニクスを活用し、EV での統合型パワートレイン・ソリューションの採用を推進する利点について説明します。また、ワイド・バンドギャップ半導体スイッチと絶縁型ゲート・ドライバの実装に注目しています。
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ホワイト・ペーパー
Meeting the demand for more efficient and powerful onboard chargers (Rev. A)
このホワイト・ペーパーは、電力密度と効率を向上させ、大電力をサポートするいくつかの高度なトポロジについて説明します。
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絶縁型ゲート・ドライバ に関する主な製品
UCC21530-Q1 アクティブ 車載対応、IGBT/SiC 向け、EN ピンと DT ピン搭載、4A、6A、5.7kVRMS、絶縁型デュアルチャネル・ゲート・ドライバ
UCC5350-Q1 アクティブ 車載対応、IGBT/SiC 向けのミラー・クランプまたは分割出力搭載、±5A、シングルチャネル絶縁型ゲート・ドライバ
UCC21222-Q1 アクティブ 車載対応、ディスエーブル・ピン採用、プログラマブル・デッドタイムと 8V UVLO の各機能搭載、3.0kVrms、4A/6A、2 チャネル絶縁型ゲート・ドライバ

適切なバイアス電源ソリューション

コストを最適化すると同時に、電力密度と効率を向上させてシステム要件を満たすことができます。FET (電界効果トランジスタ) と磁気素子の両方を内蔵、内蔵 FET と外部磁気素子の組み合わせ、外部 FET と外部磁気素子の組み合わせ、という各種バイアス電源で構成された幅広いラインアップから選択できます。

メリット

  • 電力密度と効率の向上、小型フットプリント、150V/ns を上回る同相過渡耐性、EMI (電磁干渉) の低減という特長があります。
  • ISO (国際標準化機構) 26262 に準拠し、システム・レベルの診断機能と保護機能を搭載しており、機能安全の効率化に貢献します。
  • 高いロード・レギュレーション精度と放熱性能を通じて、パワー・モジュールを保護します。
ホワイト・ペーパー
Power Through the Isolation Barrier: The Landscape of Isolated DC/DC Bias Power (Rev. A)
このホワイト・ペーパーは、絶縁バリアにまたがって信号と電力を転送する各種絶縁型 DC/DC バイアス電源について説明します。
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アプリケーション・ノート
HEV, EV, Bias Supply Design for Distributed Isolated Gate Drivers
このアプリケーション・レポートでは、絶縁型ゲート・ドライバ・バイアス・アプリケーションでUCC14240-Q1を使用する利点を紹介します。この資料の目的は、車載用アプリケーションと、完全統合型バイアス電源ソリューションの使いやすさです。
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ホワイト・ペーパー
高信頼性と低コストを両立させる絶縁技術により高電圧設計の様々な課題を解決 (Rev. A 翻訳版)
このホワイト・ペーパーは、ガルバニック絶縁の概要を紹介し、高電圧システムの一般的な絶縁方法を説明します。また、絶縁ニーズに対応するうえで、TI (テキサス・インスツルメンツ) の各種絶縁 IC がどのように役立つかを示します。
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バイアス電源 に関する主な製品
SN6501-Q1 アクティブ 車載、絶縁型電源向け、低ノイズ、350mA、410kHz トランス・ドライバ
UCC25800-Q1 アクティブ 絶縁型バイアス電源向けの超低 EMI トランス・ドライバ
LM25118-Q1 アクティブ AEC-Q100 認証済み、3 ~ 42V の広い入力電圧範囲 (Vin)、電流モード、非同期整流昇降圧コントローラ

電圧と電流のセンシング

電流と電圧の測定を高精度かつ低レイテンシで実現し、高い同相過渡耐性 (CMTI) と高い動作電圧に対処でき、オンボード充電システムの効率、信頼性、性能の向上に貢献します。

メリット

  • 静電容量性絶縁を採用し、安全性の向上とシステム・コストの削減に寄与します。
  • 高帯域幅に対応し、制御の高速化と応答時間の短縮を実現しているので、システムの信頼性と性能が向上します。
  • 設計の複雑さを低減し、外部保護を不要にすることができます。
Analog Design Journal
Design considerations for isolated current sensing
この記事は、絶縁仕様、ハイサイドへの電力供給方法、入力電圧範囲の選択など、絶縁型アンプを選択する際の設計上の検討事項について説明します。
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アプリケーション・ノート
Comparing Shunt and Magnetic Based Current Sensing
この資料は、オンボード・チャージャ、DC 充電 (パイル) ステーション、電力変換システム、モーター・ドライブなどのアプリケーションで絶縁型電流センシングを実現できるように、絶縁型シャント・ベースと磁気ベースの各センシングを比較します。
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センシング に関する主な製品
AMC3302-Q1 アクティブ 車載対応、内部機能搭載、±50mV 入力、高精度、電流センシング、強化絶縁型アンプDC/DC
TMCS1100-Q1 アクティブ 車載対応、外部リファレンス対応、高精度、絶縁型電流センサ
INA225-Q1 アクティブ AEC-Q100、4 ピン、選択可能なゲイン設定、36V、双方向、電流センス・アンプ

HEV/EV on-board charger (OBC) & wireless charger 関連の各種リファレンス・デザイン

セレクションツールを使用すると、お客様のアプリケーションやパラメータに最適なリファレンス・デザインをご覧いただけます。

主要製品

新製品 絶縁型 DC/DC コンバータとモジュール UCC14240-Q1 アクティブ 車載対応、2.0W、24Vin、25Vout、高密度、3kVRMS 超過、絶縁型 DC/DC モジュール
絶縁型ゲート・ドライバ UCC21530-Q1 アクティブ 車載対応、IGBT/SiC 向け、EN ピンと DT ピン搭載、4A、6A、5.7kVRMS、絶縁型デュアルチャネル・ゲート・ドライバ
絶縁型アンプ AMC1311-Q1 アクティブ 車載対応、2V 入力、高精度、電圧センシング、強化絶縁型アンプ
新製品 C2000 リアルタイム・マイコン TMS320F280037C-Q1 アクティブ Automotive C2000™ 32-bit MCU 120-MHz 256-KB flash, FPU, TMU with CLA, CLB, AES and CAN-FD
2022年9月5日 | カンパニー・ブログ

半導体テクノロジーにより、自動車からグリッド(V2G)への双方向充電が実現、これにより電力需要のピーク時にバッテリ電力を提供してグリッドを強化し、電力が高額または不足する場合でも家庭への電力供給が可能となります

詳細

技術リソース

ホワイト・ペーパー
ホワイト・ペーパー
Meeting the demand for more efficient and powerful onboard chargers (Rev. A)
このホワイト・ペーパーは、電力密度と効率を向上させ、大電力をサポートするいくつかの高度なトポロジについて説明します。 
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ホワイト・ペーパー
ホワイト・ペーパー
Achieving High Efficiency and Enabling Integration in EV Powertrain Subsystems
この資料は、オンボード・チャージャや、高電圧から低電圧への変換を行う DC/DC コンバータの制御に関する一般的な課題と、これらのサブシステムで C2000™ リアルタイム・マイコンを採用する場合の利点について説明します。
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ホワイト・ペーパー
ホワイト・ペーパー
Taking charge of electric vehicles – both in the vehicle and on the grid (Rev. A)
この資料は、オンボード・チャージャ、その動作方法、充電ステーションとオンボード・チャージャや EV BMS (電気自動車のバッテリ管理システム) の連携方法、さまざまな電源アーキテクチャの実装について説明します。
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