JAJSKK0A June   2020  – November 2020 DRV8428E

PRODUCTION DATA  

  1. 特長
  2. アプリケーション
  3. 概要
  4. 改訂履歴
  5. ピン構成および機能
    1. 5.1 端子機能
  6. 仕様
    1. 6.1 絶対最大定格
    2. 6.2 ESD 定格
    3. 6.3 推奨動作条件
    4. 6.4 熱に関する情報
    5. 6.5 電気的特性
      1. 6.5.1 代表的特性
  7. 詳細説明
    1. 7.1 概要
    2. 7.2 機能ブロック図
    3. 7.3 機能説明
      1. 7.3.1 PWM モータ・ドライバ
      2. 7.3.2 ブリッジの制御
      3. 7.3.3 電流レギュレーション、オフタイムおよびディケイ・モード
        1. 7.3.3.1 ミックス・ディケイ
        2. 7.3.3.2 スマート・チューン・ダイナミック・ディケイ
        3. 7.3.3.3 スマート・チューン・リップル・コントロール
        4. 7.3.3.4 ブランキング時間
      4. 7.3.4 リニア電圧レギュレータ
      5. 7.3.5 論理および 7 レベル・ピン構造図
      6. 7.3.6 保護回路
        1. 7.3.6.1 VM 低電圧誤動作防止 (UVLO)
        2. 7.3.6.2 過電流保護 (OCP)
        3. 7.3.6.3 サーマル・シャットダウン (OTSD)
        4. 7.3.6.4 フォルト条件のまとめ
    4. 7.4 デバイスの機能モード
      1. 7.4.1 スリープ・モード (nSLEEP = 0)
      2. 7.4.2 動作モード (nSLEEP = 1)
      3. 7.4.3 機能モードのまとめ
  8. アプリケーションと実装
    1. 8.1 アプリケーション情報
    2. 8.2 代表的なアプリケーション
      1. 8.2.1 設計要件
      2. 8.2.2 詳細な設計手順
        1. 8.2.2.1 電流レギュレーション
        2. 8.2.2.2 消費電力および熱に関する計算
          1. 8.2.2.2.1 アプリケーション曲線
    3. 8.3 代替アプリケーション
      1. 8.3.1 設計要件
      2. 8.3.2 詳細な設計手順
        1. 8.3.2.1 電流レギュレーション
          1. 8.3.2.1.1 ステッピング・モータの速度
            1. 8.3.2.1.1.1 ディケイ・モード
  9. 電源に関する推奨事項
    1. 9.1 バルク・コンデンサ
  10. 10レイアウト
    1. 10.1 レイアウトの注意点
      1. 10.1.1 レイアウト例
  11. 11デバイスおよびドキュメントのサポート
    1. 11.1 デバイス・サポート(オプション)
      1. 11.1.1 開発サポート(オプション)
      2. 11.1.2 デバイスの項目表記 (オプション)
    2. 11.2 ドキュメントのサポート(該当する場合)
      1. 11.2.1 関連資料
    3. 11.3 関連リンク
    4. 11.4 ドキュメントの更新通知を受け取る方法
    5. 11.5 コミュニティ・リソース
    6. 11.6 商標
  12. 12メカニカル、パッケージ、および注文情報

パッケージ・オプション

メカニカル・データ(パッケージ|ピン)
サーマルパッド・メカニカル・データ
発注情報

消費電力および熱に関する計算

本デバイスの出力電流および消費電力特性は、PCB 設計と外部条件に大きく依存します。ここでは、これらの値を計算するための指針を提示します。

本デバイスの総消費電力 (PTOT) は、おもに 3 つの要素から成ります。それらは、パワー MOSFET RDS(ON) (導通)損失、パワー MOSFET スイッチング損失、および電源静止電流損失です。それ以外の要素が電力損失の増加に影響することもありますが、この 3 つの主要な要素に比べると通常わずかです。

PTOT = PCOND + PSW + PQ

各ブラシ付き DC モータの PCOND は、デバイス RDS(ON) および安定化出力電流 (IREG) から計算できます。両方のブラシ付き DC モータで同じ IREG を仮定すると、

PCOND = 2 x (IREG)2 x (RDS(ONH) + RDS(ONL))

RDS(ON) はデバイス温度と強い相関があることに注意する必要があります。正規化した RDS(on) と温度との関係を示す曲線については、「代表的特性」の曲線を参照してください。

PCOND = 2 x (0.5-A)2 x (0.75-Ω + 0.75-Ω) = 0.75-W

PSW は、公称電源電圧 (VM)、安定化出力電流 (IREG)、スイッチング周波数 (fPWM)、デバイス出力立ち上がり (tRISE) / 立ち下がり (tFALL) 時間の仕様から計算できます。

PSW = 2 x (PSW_RISE + PSW_FALL)

PSW_RISE = 0.5 x VM x IREG x tRISE x fPWM

PSW_FALL = 0.5 x VM x IREG x tFALL x fPWM

PSW_RISE = 0.5 x 24 V x 0.5 A x 100 ns x 40 kHz = 0.024 W

PSW_FALL = 0.5 x 24 V x 1.5 A x 100 ns x 40 kHz = 0.024 W

PSW = 2 x (0.024W + 0.024W) = 0.096 W

PQ は、公称電源電圧 (VM) と IVM アクティブ・モード電流の仕様から計算できます。

PQ = VM x IVM = 24 V x 3.8 mA = 0.0912 W

全消費電力 (PTOT) は導通損失、スイッチング損失、静止電力損失の合計として計算されます。

PTOT = PCOND + PSW + PQ = 0.75W + 0.096W + 0.0912W = 0.9372W

周囲温度が TA 、総消費電力 (PTOT) の場合、接合部温度 (TJ) は次のように計算されます

TJ = TA + (PTOT x RθJA)

JEDEC 規格の 4 層 PCB を考慮すれば、接合部から周囲への熱抵抗 (RθJA) は、HTSSOP パッケージの場合 46.4℃/W、WQFN パッケージの場合 47℃/W、TSOT パッケージの場合 90.6℃/W です。

25℃の周囲温度を仮定すると、HTSSOP パッケージの接合部温度は以下のように計算されます。

Equation3. TJ = 25°C + (0.9372-W x 46.4°C/W) = 68.49 °C

WQFN パッケージの接合部温度は以下のように計算されます。

Equation2. TJ = 25°C + (0.9372-W x 47°C/W) = 69.05 °C

TSOT パッケージの接合部温度は以下のように計算されます。

Equation3. TJ = 25℃ + (0.9372W x 90.6°C/W) = 109.91 °C

したがって、 HTSSOP と WQFN パッケージはほぼ同じ接合部温度になりますが、 TSOT パッケージは露出パッドがないため、接合部温度が高くなります。その結果、 TSOT パッケージは HTSSOP および WQFN パッケージよりも比較的低い電流をサポートします。デバイス接合部温度が規定の動作範囲内にあることを確認する必要があります。