JAJU929A April   2024  – April 2024

 

  1.   1
  2.   概要
  3.   参照情報
  4.   特長
  5.   アプリケーション
  6.   デザイン イメージ
  7. 1システムの説明
  8. 2システム概要
    1. 2.1 ブロック図
    2. 2.2 設計の考慮事項
    3. 2.3 主な使用製品
  9. 3ハードウェア、ソフトウェア、テスト要件、テスト結果
    1. 3.1 ハードウェア要件
    2. 3.2 テスト構成
    3. 3.3 テスト結果
  10. 4設計とドキュメントのサポート
    1. 4.1 デザイン ファイル
      1. 4.1.1 回路図
      2. 4.1.2 BOM (部品表)
    2. 4.2 ツールとソフトウェア
    3. 4.3 ドキュメントのサポート
    4. 4.4 サポート・リソース
    5. 4.5 商標
  11. 5著者について
  12. 6改訂履歴

主な使用製品

TPS1641x は、高精度の電力制限または電流制限機能付きの統合型 eFuse です。このデバイスは、RON 152mΩ の NFET を内蔵しています。TPS16410、TPS16411、TPS16414、TPS16415 は電力制限機能、TPS16412、TPS16413、TPS16416、TPS16417 は電流制限機能を備えています。TPS16410、TPS16411、TPS16414、TPS16415 は、IEC60335 および UL60730 規格に準拠した低消費電力回路 (LPC) 用の 15W の高精度な電力制限を提供できます。また、TPS16410、TPS16411、TPS16412、TPS16413 は、入力と出力の間の短絡を検出し、FLT 出力に表示する機能も備えています。入力と出力の間の短絡検出機能により、IEC60335、UL60730 などの同様の規格において、入力と出力の間の短絡テストの際に eFuse や電力制限回路を追加する必要はありません。FLT は MCU の入力として使用するほか、外部 PFET の駆動にも使用できます。TPS1641x デバイスは、隣接するピンの短絡および GND へのピン短絡フォルトに対する保護機能も備えています。また、TPS1641x デバイスには、過渡負荷に対するブランキング時間 (IDLY または PDLY) と過電流保護 (IOCP) を構成できます。モーターなどの負荷は、起動に大電流を必要とします。ブランキング時間は、モーターなど負荷の起動時に大電流を供給するのに役立ちます。TPS1641x デバイスには、過電圧保護 (OVP)、過熱保護、および可変出力スルーレート制御 (dvdt) が備えられています。Vcc と FLT の定格は最大 60V で、外部 PFET を使用して最大 60V まで保護できます。

TIDA-010950 TPS16410図 2-17 TPS16410

LMR38020 コンバータは、4.2V~80V の電源電圧で動作する使いやすい同期整流降圧 DC/DC コンバータです。このデバイスは、小さい設計サイズで最大 2ADC 負荷電流を供給できます。LMR38020 は、ピーク電流モード制御を採用しています。軽負荷時には PFM モードへ移行し、PFM バージョンで高い効率を実現します。FPWM バージョンを備えており、軽負荷時に、小さい出力電圧リップル、正確な出力電圧安定化、一定のスイッチング周波数を実現します。デバイスは内部で位相補償されているため、設計時間が短縮され、外付け部品はとんど必要ありません。高精度イネーブルや内部ソフト スタートなどの追加機能により、広範なアプリケーション向けの柔軟で使いやすい設計を実現できます。保護機能として、サーマル シャットダウン、VIN 低電圧誤動作防止、サイクル単位の電流制限、ヒカップ モード短絡保護が搭載されています。このファミリは外付け部品がほとんど必要なく、PCB レイアウトが単純になるようにピン配置が設計されています。

TIDA-010950 LMR38020図 2-18 LMR38020

TPS62932 および TPS62933x は、2 つの n チャネル MOSFET を内蔵した、30V、2A および 3A の同期整流バック (降圧型) コンバータです。TPS62932 および TPS62933x は、固定周波数ピーク電流制御モードを採用して、高速な過渡応答と優れたラインおよび負荷レギュレーションを実現しています。内部ループ補償が最適化されているため、幅広い出力電圧範囲とスイッチング周波数において、外付け補償部品が不要です。76mΩ および 32mΩ の内蔵 MOSFET により、最大 2A (TPS62932) または 3A (TPS62933 と TPS62933x) の連続出力電流で高効率の電源設計を実現しています。帰還基準電圧は 0.8V に設計されています。出力電圧は 0.8V~22V まで降圧可能です。これらのデバイスは、5V、12V、19V、24V の電源バス レールから電源供給されるシステム用に設計されています。TPS6293x は、プリバイアスされた負荷に対して安全な単調起動が行えるよう設計されています。デフォルトでは VIN が 3.8V のときに起動します。デバイスがイネーブルになると、出力は 0V からレギュレートされた電圧まで滑らかに上昇します。TPS6293x は、無負荷でスイッチングを行わないときは動作電流が小さく、特に TPS62932、TPS62933、TPS62933P の動作電流は 12μA (標準値) です。TPS6293x がディセーブル時の電源電流は、約 2μA (標準値) です。低消費電力動作で長期的なバッテリ寿命を実現しようとする場合、これらの機能は非常に有益です。

TIDA-010950 TPS62932図 2-19 TPS62932

DRV8316C デバイスは、3 相モータ ドライブ アプリケーション向けの 95mΩ (ハイサイド + ローサイド MOSFET オン抵抗) 統合型ドライバです。このデバイスは、3 つのハーフ ブリッジ MOSFET、ゲート ドライバ、チャージ ポンプ、電流センス アンプ、外部負荷用リニア レギュレータと降圧レギュレータを統合することで、システムの部品点数、コスト、複雑さを低減しています。標準のシリアル ペリフェラル インターフェイス (SPI) を使うと、デバイスの各種設定とフォルト診断情報の読み出しを外部マイクロコントローラから簡単に行うことができます。また、ハードウェア インターフェイス (ピン) バリアントを選択した場合、固定の外付け抵抗を使用して、最も一般的に使用される設定を行うことができます。このアーキテクチャでは、短絡イベントや内部パワー MOSFET の dv/dt 寄生ターンオンから保護するために、内部ステート マシンを使用しています。DRV8316C デバイスには、内蔵電流センスを使用して各ハーフブリッジを流れる電流のレベルを監視するために、3 つの双方向電流センス アンプが内蔵されています。電流センス アンプのゲイン設定は、SPI またはハードウェア インターフェイスを介して調整できます。高いレベルのデバイス統合に加え、DRV8316C には、広範な保護機能も組み込まれています。例えば、電源の低電圧誤動作防止 (UVLO)、チャージ ポンプの低電圧誤動作防止 (CPUV)、過電流保護 (OCP)、AVDD 低電圧誤動作防止 (AVDD_UV)、降圧レギュレータ UVLO および 過熱警告とシャットダウン (OTW と OTSD) などの機能が挙げられます。フォルト イベントは nFAULT ピンによって示され、詳細情報は SPI バリアントの SPI レジスタで取得できます。

TIDA-010950 DRV8316C図 2-20 DRV8316C

DRV8428 デバイスはバイポーラ ステッピング モーター用の統合型モータ ドライバ設計です。このデバイスは、2 つの N チャネル パワー MOSFET H ブリッジ、電流検出抵抗とレギュレーション回路、およびマイクロステッピング インデクサを統合することで、性能を最大限に発揮します。DRV8428 は、4.2V~33V の広い電源範囲に対応しています。DRV8428 は、最大 1.7A のピーク、1A のフルスケール、0.7A の二乗平均平方根 (rms) の出力電流を提供します。実際のフルスケールおよび RMS 電流は、周囲温度、電源電圧、PCB の熱性能に依存します。DRV8428 は電流センス アーキテクチャを内蔵しているため、 2 つの外部電力センス抵抗が不要になり、基板面積、 BOM コスト、設計作業が大幅に削減され、消費電力が大幅に削減されます。このアーキテクチャでは、電流センシングに電流ミラー手法と内部パワー MOSFET を使うことで、センス抵抗での電力消費をなくしています。電流レギュレーションの設定点は VREF ピンの電圧で調整されます。シンプルな STEP/DIR インターフェイスにより、外部コントローラからステッピング モータの方向とステップ速度を制御できます。内部マイクロステッピング インデクサを使うと、巻線電流レベルを制御する外部コントローラを使わずに高精度のマイクロステッピングを実行できます。このステッピング制御ロジック (インデクサ) はフルステップ、ハーフステップ、1/4、1/8、1/16、1/32、1/64、1/128、1/256 マイクロステッピングを実行できます。高いマイクロステッピングにより、大きな可聴ノイズの低減とスムーズな移動が可能になります。標準のハーフステップ モードに加えて、非真円ハーフステップ モードを利用して、モータの RPM が高いときにトルク出力を増大させることもできます。ステッピング モータ ドライバは、いくつかの種類のディケイ モードを実装して巻線電流を再循環する必要があります。DRV8428 には、スマート チューン ディケイ モードが搭載されています。スマート チューンは優れたディケイ メカニズムで、電圧、モーター速度、変動、経年変化の影響に関係なく、最適な電流レギュレーション性能に自動的に調整します。スマート チューン リップル コントロールでは、オフ時間可変型のリップル電流制御方式により、モータ巻線電流の歪みを最小限に抑えることができます。スマート チューン ダイナミック ディケイでは、オフ時間固定のダイナミック ファースト ディケイ率方式により、モータ巻線電流の歪みを最小限に抑え、周波数成分を最小化し、設計作業を大幅に削減できます。このシームレスで簡単な自動スマート チューンに加えて、 DRV8428 は従来のミックス ディケイ モードも備えています。また、低消費電力スリープ モードを搭載しているため、モーターをアクティブに駆動していないときにシステムの電力を節約できます。

TIDA-010950 DRV8428図 2-21 DRV8428

ISO1211 および ISO1212 デバイスは、IEC 61131-2 タイプ 1、2、3 特性を持つ、完全統合型の絶縁型デジタル入力レシーバです。これらのデバイスは、24V~60V のデジタル入力信号を受信し、絶縁されたデジタル出力を供給します。現場側の電源は不要です。入力信号パス上の外付け抵抗 RSENSE により、内部フィードバック ループに基づいてフィールド入力から取り込まれる電流の制限が正確に設定されます。電圧遷移スレッショルドはタイプ 1、2、3 に準拠しており、外付け抵抗 RTHR を使用してさらに上げることができます。RSENSE および RTHR の抵抗値を選択する際の詳細については、「詳細な設計手順」セクションを参照してください。ISO121x デバイスは、オン オフ キーイング (OOK) 変調方式を使用し、二酸化ケイ素をベースとする絶縁バリアを介してデジタル データを送信します。トランスミッタは、バリアを介して高周波キャリアを送信することによって、1 つのデジタル状態を表しています。また、信号を送信しないことによって、もう 1 つのデジタル状態を表しています。レシーバは、高度な信号コンディショニングを行ってから信号を復調し、バッファ段経由で出力を生成します。ISO121x デバイスの概念ブロック図については、「機能ブロック図」セクションを参照してください。

TIDA-010950 ISO1212図 2-22 ISO1212

この CAN トランシーバ ファミリは、ISO11898-2 高速 CAN (コントローラ エリア ネットワーク) の物理層規格に準拠しています。CAN トランシーバは、CAN の差動バス ラインと CAN プロトコル コントローラ間のインターフェイスとして設計されています。

TIDA-010950 TCAN334図 2-23 TCAN334

MSPM0G350x マイクロコントローラ (MCU) は、最大 80MHz の周波数で動作する拡張 Arm® Cortex®-M0+ 32 ビット コア プラットフォームをベースにした、MSP 高集積超低消費電力 32 ビット MCU ファミリに含まれます。コスト最適化されたこれらの MCU は高性能アナログ ペリフェラルを統合しており、-40℃~105℃の拡張温度範囲をサポートし、1.62V~3.6V の電源電圧で動作します。MSPM0G350x デバイスは、エラー訂正コード (ECC) を内蔵した最大 128KB の組み込みフラッシュ プログラム メモリと、ハードウェア パリティ オプション付きの最大 32KB の SRAM を搭載しています。また、メモリ保護ユニット、7 チャネル DMA、演算アクセラレータに加えて、2 つの 12 ビット 4Msps ADC、構成可能な内部共有電圧リファレンス、1 つの 12 ビット 1Msps DAC、リファレンス DAC を内蔵した 3 つの高速コンパレータ、ゲインをプログラム可能な 2 つのゼロドリフト ゼロクロスオーバー オペアンプ、1 つの汎用アンプなど各種の高性能アナログ ペリフェラルも内蔵しています。これらのデバイスは、2 つの 16 ビット高度制御タイマ、5 つの汎用タイマ (QEI インターフェイス用の 1 つの 16 ビット汎用タイマ、STANDBY モード用の 2 つの 16 ビット汎用タイマ、1 つの 32 ビット汎用タイマ)、2 つのウィンドウ付きウォッチドッグ タイマ、アラームとカレンダー モードを備えた 1 つのRTCなど、インテリジェントなデジタル ペリフェラルも搭載しています。これらのデバイスは、データ整合性と暗号化ペリフェラル (AES、CRC、TRNG)、および拡張通信インターフェイス (4 つの UART、2 つの I2C、2 つの SPI、CAN 2.0/FD) を備えています。

TIDA-010950 MSPM0G3507図 2-24 MSPM0G3507

TMAG5273 IC は、テキサス・インスツルメンツのホール効果技術と高精度ミックスド シグナル回路をベースにしています。出力信号 (未加工の X、Y、Z の磁気データと温度データ) は、I2C インターフェイスからアクセスできます。IC は、次の機能ブロックと構築ブロックで構成されています。

  • 電源管理および発振器ブロックには、低消費電力発振器、バイアス回路、低電圧検出回路、および高速発振器が含まれています。
  • センシングおよび温度測定ブロックには、ホール バイアス、マルチプレクサ付きホール センサ、ノイズ フィルタ、積分回路、温度センサ、ADC が含まれています。ホール効果センサ データと温度データは、同じ ADC を介して多重化されます。
  • インターフェイス ブロックには、I2C 制御回路、ESD 保護回路、およびすべての I/O 回路が含まれています。TMAG5273 は、統合した巡回冗長性検査 (CRC) と連動して、複数の I2C 読み取りフレームに対応しています。
TIDA-010950 TMAG5273図 2-25 TMAG5273

TLV900x は、低消費電力のレール ツー レール入力および出力オペアンプのファミリです。これらのデバイスは 1.8V ~ 5.5V で動作し、ユニティ ゲインで安定しており、幅広い汎用アプリケーションのために設計されています。入力同相電圧範囲には両方のレールが含まれており、TLV900x ファミリは事実上あらゆる単一電源アプリケーションで使用できます。レール ツー レールの入出力スイングにより、特に低電源アプリケーションでダイナミック レンジが大幅に拡大し、サンプリング A/D コンバータ (ADC) の駆動に最適な選択肢となります。

TIDA-010950 TLV9002図 2-26 TLV9002