JAJA897A May   2025  – July 2025 BQ41Z50 , BQ41Z90

 

  1.   1
  2.   概要
  3.   商標
  4. 1はじめに
  5. 2バッテリ残量計アルゴリズムの背景
  6. 3バッテリのモデル化
  7. 4バッテリ充電状態の推定と残り容量の予測
  8. 5動的負荷電流に対するバッテリ応答のモデル化における課題
  9. 6バッテリ ダイナミクスを扱うアプローチ
    1. 6.1 動的負荷の精度測定に伴う利点
    2. 6.2 アルゴリズム性能
  10. 7まとめ
  11. 8参考資料
  12. 9改訂履歴

まとめ

Dynamic Z-Track 残量計アルゴリズムを使用すると、動的な負荷電流を使用するアプリケーションのバッテリ抵抗と残量をより正確に推定できます。Dynamic Z-Track は、残量計アルゴリズムの抵抗推定部分でバッテリの緩和を補正する広帯域バッテリ モデルを採用しています。バッテリ寿命期間中のバッテリ抵抗を正確に追跡することで、バッテリ駆動システムの動作に最低限必要なバッテリ端子電圧に達した瞬間の残り容量を正確に予測することができます。Dynamic Z-Track は、ドローン、ロボット、電動工具、AI 機能搭載の携帯電子機器など、幅広い用途で残量計の性能を向上させます。

安定負荷および動的負荷に対する Dynamic Z-Track と Impedance Track の性能の比較を 表 7-1 に示します。システムが Dynamic Z-Track の利点を享受できるかどうかを判断するには、TI の担当者にお問い合わせください。

表 7-1 Dynamic Z-Track™ と Impedance Track™ の比較
負荷Dynamic Z-Track™Impedance Track™CEDV
抵抗の推定値健全性の状態RemCap抵抗の推定値健全性の状態RemCap抵抗の推定値健全性の状態RemCap
安定的正確ありあり正確ありあり新しいセル値で固定経年劣化により精度が低下経年劣化により精度が低下
パルスSOC 対 T でワーストケース誤差 <10%ありありSOC 対 T でワーストケース誤差 <100%制約のある電流パルス形状に対応可能なしSOC 対 T でワーストケース誤差 <100%制約のある電流パルス形状に対応可能なし