JAJAA19 September   2025 TPS2HCS08-Q1 , TPS2HCS10-Q1

 

  1.   1
  2.   概要
  3.   商標
  4. 1はじめに
  5. 2ハイサイド スイッチ電流センスと開放負荷検出
    1. 2.1 ハイサイド スイッチでの電流センス
    2. 2.2 ハイサイド スイッチの開放負荷検出
  6. 3スマート eFuse 電流センスと開放負荷検出
    1. 3.1 eFuses における開放負荷検出
    2. 3.2 開放負荷電流検出のスケーリング
    3. 3.3 ADC 入力スケーリング
    4. 3.4 OL_ON と ADC 入力スケーリングのプログラミング手順
  7. 4通常とオープン負荷スケーリングのテスト結果
  8. 5設計上の考慮事項
  9. 6まとめ
  10. 7参考資料

開放負荷電流検出のスケーリング

たとえば、TPS2HCS08-Q1 のデフォルトの電流検出のスケーリング係数は KSNS = 5000A/A です。すなわち、ISNS = IOUT/5000 です。負荷電流が 10A を超える場合、この KSNS1 精度は±4% で非常に優れています。しかし、負荷電流が減少するにつれて、回路の性質から精度は低下し、100mA での KSNS1 精度は±18% です。電流が小さい場合、この精度は指数関数的に悪化します。

低電流時の精度を向上させるために、TI スマート eFuse には OL_ON モードが実装されています。このモードでは、TPS2HCS08-Q1 を例として、KSNS 値が 5000A/A から 1400A/A (KSNS2) に低下し、FET のオン抵抗が 8.7mΩ から 27mΩ に増加することで、低電流時の電流センス精度をはるかに向上できます。この場合、100mA での KSNS2 の精度は±10% であり、電流は SPI 経由で 10mA まで確実に読み取ることができます。