JAJY141 December 2023 BQ25756
USB PD の普及に伴い、バッテリ駆動の電子機器に対する需要が増加し、それらを充電するためのポータブル電源ステーションのニーズが高まっています。ポータブル電源ステーションは、以前はテレビ、ラジオ、小型冷蔵庫のような製品に使用されていましたが、USB PD EPR の拡張により、ラップトップやスピーカなど、より小型の家電製品用のポータブル電源ステーションのバッテリを同じ USB Type-C コードで充電できるようになりました。図 5 と図 6 を参照してください。図 5 では、バッテリ チャージャからポータブル電源ステーションのバッテリを最大 240W で充電できます。図 6 は、その逆の電力の流れを示しています。ポータブル電源ステーションのバッテリから、コードを使用して USB Type-C ポート経由でラップトップが充電されます。
図 5 と図 6 に示す最適化された充放電ソリューションを実現するには、双方向の昇降圧バッテリ チャージャが必要です。双方向とは、電力が出力から入力に流れるとき (リバース モード) にもバッテリ チャージャが降圧モードと昇圧モードで動作できることを意味します。リバース モードについて図で確認するには、図 2 と図 3 を参照してください。リバース モードでは、図 2 の降圧モードが昇圧モードになり、図 3 の昇圧モードが降圧モードになります。双方向の昇降圧チャージャを搭載しているので、USB Type-C ポートを使用してアプリケーションのバッテリを充電した後、電力の流れを逆にしてラップトップなどの別のデバイスを充電することができます。
ポータブル電源ステーションで双方向バッテリ チャージャがどのように役立つかについては前述のとおりですが、双方向の電力伝送機能が役立つアプリケーションはほかにもあります。その 1 つとして、最近の電動アシスト自転車では、USB Type-C を使用してメイン バッテリを充電した後、メイン バッテリから同じ USB Type-C ポート経由でパーソナル デバイスを充電できます。たとえば、電動アシスト自転車で公園に出かけ、スマートフォンで動画を見ようと思ったら 10% しか充電がなかったとします。電動アシスト自転車のメイン バッテリを双方向の昇降圧バッテリ チャージャと USB Type-C を使用して設計すれば、電動アシスト自転車のバッテリからスマートフォンを充電できます。