JAJSKG5B February   2020  – August 2021 DRV8220

PRODUCTION DATA  

  1. 特長
  2. アプリケーション
  3. 概要
  4. 改訂履歴
  5. デバイスの比較
  6. ピン構成および機能
  7. 仕様
    1. 7.1 絶対最大定格
    2. 7.2 ESD 定格
    3. 7.3 推奨動作条件
    4. 7.4 熱に関する情報
    5. 7.5 電気的特性
    6. 7.6 の標準特性
  8. 詳細説明
    1. 8.1 概要
    2. 8.2 機能ブロック図
    3. 8.3 機能説明
      1. 8.3.1 外付け部品
      2. 8.3.2 制御モード
        1. 8.3.2.1 PWM 制御モード (DSG:MODE = 0 かつ DRL)
        2. 8.3.2.2 PH/EN 制御モード (DSG: MODE = 1)
        3. 8.3.2.3 ハーフブリッジ制御モード (DSG: MODE = Hi-Z)
      3. 8.3.3 保護回路
        1. 8.3.3.1 電源の低電圧誤動作防止 (UVLO)
        2. 8.3.3.2 OUTx 過電流保護 (OCP)
        3. 8.3.3.3 過熱検出保護 (TSD)
      4. 8.3.4 ピン構造図
        1. 8.3.4.1 ロジックレベル入力
        2. 8.3.4.2 トライレベル入力
    4. 8.4 デバイスの機能モード
      1. 8.4.1 アクティブ・モード
      2. 8.4.2 低消費電力スリープ・モード
      3. 8.4.3 フォルト・モード
  9. アプリケーションと実装
    1. 9.1 アプリケーション情報
    2. 9.2 代表的なアプリケーション
      1. 9.2.1 フルブリッジ駆動
        1. 9.2.1.1 設計要件
        2. 9.2.1.2 詳細な設計手順
          1. 9.2.1.2.1 電源電圧
          2. 9.2.1.2.2 制御インターフェイス
          3. 9.2.1.2.3 低消費電力動作
        3. 9.2.1.3 アプリケーション曲線
      2. 9.2.2 ハーフブリッジ駆動
        1. 9.2.2.1 設計要件
        2. 9.2.2.2 詳細な設計手順
          1. 9.2.2.2.1 電源電圧
          2. 9.2.2.2.2 制御インターフェイス
          3. 9.2.2.2.3 低消費電力動作
        3. 9.2.2.3 アプリケーション曲線
      3. 9.2.3 デュアルコイル・リレーの駆動
        1. 9.2.3.1 設計要件
        2. 9.2.3.2 詳細な設計手順
          1. 9.2.3.2.1 電源電圧
          2. 9.2.3.2.2 制御インターフェイス
          3. 9.2.3.2.3 低消費電力動作
        3. 9.2.3.3 アプリケーション曲線
      4. 9.2.4 電流センス
        1. 9.2.4.1 設計要件
        2. 9.2.4.2 詳細な設計手順
          1. 9.2.4.2.1 シャント抵抗の決定
          2. 9.2.4.2.2 RCフィルタ
    3. 9.3 電流能力と熱性能
      1. 9.3.1 消費電力および出力電流特性
      2. 9.3.2 熱性能
        1. 9.3.2.1 定常状態熱性能
        2. 9.3.2.2 過渡熱性能
  10. 10電源に関する推奨事項
    1. 10.1 バルク容量
  11. 11レイアウト
    1. 11.1 レイアウトのガイドライン
    2. 11.2 レイアウト例
  12. 12デバイスおよびドキュメントのサポート
    1. 12.1 ドキュメントのサポート
      1. 12.1.1 関連資料
    2. 12.2 Receiving Notification of Documentation Updates
    3. 12.3 サポート・リソース
    4. 12.4 商標
    5. 12.5 Electrostatic Discharge Caution
    6. 12.6 Glossary
  13. 13メカニカル、パッケージ、および注文情報

パッケージ・オプション

メカニカル・データ(パッケージ|ピン)
サーマルパッド・メカニカル・データ
発注情報

消費電力および出力電流特性

本デバイスの総消費電力は、静止消費電流 (PVM)、パワー MOSFET のスイッチング損失 (PSW)、およびパワー MOSFET の RDS(on) (伝導) 損失 (PRDS) の 3 つの主要な成分に分けられます。それ以外の要素が消費電力の増加に影響することもありますが、この 3 つの主要な要素に比べると通常わずかです。

Equation2. PTOT = PVM + PSW + PRDS

PVM は、公称モーター電源電圧 (VVM) と、IVM アクティブ・モード電流の仕様から計算できます。

Equation3. PVM = VVM x IVM
Equation4. PVM = 16.8mW = 12V x 1.4mA

PSW は、公称モーター電源電圧 (VVM)、平均出力電流 (IRMS)、スイッチング周波数 (fPWM)、デバイス出力立ち上がり (tRISE) および立ち下がり (tFALL) 時間の仕様から計算できます。

Equation5. PSW = PSW_RISE + PSW_FALL
Equation6. PSW_RISE = 0.5 x VM x IRMS x tRISE x fPWM
Equation7. PSW_FALL = 0.5 x VM x IRMS x tFALL x fPWM
Equation8. PSW_RISE = 9mW = 0.5 x 12V x 0.5A x 150ns x 20kHz
Equation9. PSW_FALL = 9mW = 0.5 x 12V x 0.5A x 150ns x 20kHz
Equation10. PSW = 18mW = 9mW + 9mW

PRDS は、デバイスの RDS(on) と平均出力電流 (IRMS) から計算できます。

Equation11. PRDS = IRMS2 x (RDS(ON)_HS + RDS(ON)_LS)

RDS(ON) はデバイス温度と強い相関があります。デバイスの接合部温度を 85℃ と仮定すると、正規化した温度データに基づき、RDS(on) は約 1.5 倍に増大する可能性があります。下の計算は、このディレーティング係数を示しています。または、Topic Link Label7.6 セクションには RDS(on) が温度に応じてどのように変化するかを示す曲線が記されています。

Equation12. PRDS = 375mW = (0.5A)2 x (500mΩ x 1.5 + 500mΩ x 1.5)

上記の計算例に基づき、以下の式でデバイスの予想される消費電力の合計を計算します。

Equation13. PTOT = PVM + PSW + PRDS
Equation14. PTOT = 410mW = 16.8mW + 18mW + 375mW

デバイス接合部温度は、PTOT、デバイス周囲温度 (TA)、パッケージ熱抵抗 (RθJA) を使って推定できます。RθJA の値は、PCB 設計と、デバイス周りの銅のヒートシンクに大きく依存します。Topic Link Label9.3.2 に、この依存関係を詳細に説明します。

Equation15. TJ = (PTOT x RθJA) + TA
Equation16. TJ = 124°C = (0.410W x 94.7°C/W) + 85°C

デバイスの接合部温度は、システムのすべての動作条件について、絶対最大定格より低く維持する必要があります。このセクションの計算では、接合部温度の妥当な推定値を示します。ただし、システム動作中の温度測定に基づくその他の方法は、より現実的で信頼性の高いものになります。モーター・ドライバの定格電流と消費電力の詳細については、「Topic Link Label9.3.2」および「Topic Link Label12.1.1」を参照してください。