JAJSCA0B September 2014 – March 2015 TPS92638-Q1
PRODUCTION DATA.
NOTE
以降のアプリケーション情報は、TIの製品仕様に含まれるものではなく、TIではその正確性または完全性を保証いたしません。個々の目的に対する製品の適合性については、お客様の責任で判断していただくことになります。お客様は自身の設計実装を検証しテストすることで、システムの機能を確認する必要があります。
ここでは、ストップライトやテールライトなどの車載照明用にTPS92638-Q1デバイスを実装する方法を示した、いくつかのアプリケーションについて説明します。いくつかの例では、フォルト・バス機能の実装や、大電流アプリケーションへのデバイスの使用方法の詳細を示しています。
TPS92638-Q1デバイスには、出力調光用に4つのPWMバンクがあります。これらに対してTLC555-Q1 PWMジェネレータを使用すると、MCUが不要になります。
この設計では、R(REF)基準抵抗を使用して最大出力電流を設定し、TLC555-Q1で調光率を制御するPWMデューティ・サイクルを設定しています。
SUPPLY = EN = 14V | PWM周波数 = 1kHz | デューティ・サイクル = 50% |
CH1: PWM1 | CH2: PWM2 | CH3: Vref |
CH4: IOUT8 |
SUPPLY = EN = 14V | PWM周波数 = 1kHz | デューティ・サイクル = 50% |
CH1: PWM3 | CH2: PWM4 | CH3: Vref |
CH4: IOUT8 |
代表的なTAILおよびSTOPアプリケーションの場合、TPS92638-Q1デバイスに内蔵されているSTOPおよびTAIL機能を使用して簡単に実装できます。次の回路図は、アプリケーションの回路を示したものです。代表的なアプリケーションでは、2つの独立したソース、すなわちTAILとSTOPが、ストップライトとテールライトへ電力を供給します。TPS92638-Q1デバイスとともにブロッキング・ダイオードD0およびD1を使用すると、STOPおよびTAIL機能を結合して単一の電源で駆動できます。ブロッキング・ダイオードD2は、バッテリが逆に接続された場合にSTOPピンを保護します。STOPピンには、アクティブでないときにLOW状態を保証するため、内部的にプルダウン抵抗が存在します。
アプリケーションの設計では、目的の出力電流を得るために使用する抵抗の値を計算します。
R(STOP)の推奨値は10kΩです。
TPS92638-Q1デバイスは、以下に説明するように、電源からのPWM調光をサポートしています。電源調光は一般に、ボディ・コントロール・モジュール(BCM)のハイサイド・スイッチに実装されます。ハイサイド・スイッチの性質から、TPS92638-Q1の電源はグランドへ強くプルダウンされず、デカップリング・コンデンサと合計消費電流に依存します。TPS92638-Q1デバイスは、電源電圧がLED順方向電圧とドロップアウト電圧を補える十分な能力がある限り、出力電流を一定に維持します。
電源電圧がLEDを駆動できないほど低下すると、デバイスはオープン負荷を検出し、出力チャネルをシャットダウンします。このため、TIはPWMまたはEN入力を使用してチャネルのシャットダウンを保証することをお勧めします。したがって、最も低い分割電圧がPWMスレッショルドよりも低いことを保証するため、抵抗ストリングR1およびR2が推奨されます。
R(REF)基準抵抗は電流を設定します。
TPS92638-Q1デバイスは、複数のチャネルを並列に組み合わせることで、LEDストリングの並列駆動をサポートします。これによって優れた熱特性が得られ、電流駆動能力が高くなります。
R(REF)およびR(REFHI)基準抵抗は、電流を設定します。R(REF)はテール電流を、R(REF)およびR(REFHI)はストップ電流を設定します。
設計の柔軟性のため、複数のTPS92638-Q1デバイスを並列に使用して、別々のデバイスを駆動することもできます。次の図は、デバイスとチャネルの両方を並列に使用して、大電流の負荷を駆動する組み合わせを示したものです。
R(REFHI)およびR(REF)基準抵抗は、電流を設定します。R(REF)は、単独でテール電流を設定します。R(REF)およびR(REFHI)の組み合わせにより、ストップ電流を設定します。アプリケーションによっては、電流の柔軟性を得るため、デバイスごとに基準抵抗の設定値を変えることもできます。このデータシートでは単純化のため、アプリケーションではどちらのデバイスにも同じ基準電流を設定するものとします。