JAJT263 january   2023 UCD3138

 

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  2. 1概要
  3. 2CCM PFC のピーク電流モード制御
  4. 3DCM PFC のピーク電流モード制御
  5. 4テスト結果
  6. 5まとめ
  7. 6関連資料

DCM PFC のピーク電流モード制御

同じアルゴリズムを不連続導通モード (DCM) の動作に拡張できます。図 5 に、DCM でのインダクタ電流波形を示します。インダクタ電流は、Toff の終わりにゼロに低下し、残りの期間 Tdcm ではゼロのままです。したがって、T = Ton + Toff + Tdcm となります。PWM 波形ジェネレータは 図 4 と同じですが、図 6 に示すように、PWM オフ時間は Toff + Tdcm であり、Toff ではありません。

GUID-20221214-SS0I-1XLH-PB7H-KXJLCV4F87HV-low.svg図 5 DCM での PFC インダクタ電流波形。
GUID-20221214-SS0I-XJK3-VCCL-39PFXLFV5G1X-low.svg図 6 DCM で提案される方法の PWM 波形生成。

式 4式 9 に書き換えると、1 スイッチング・サイクルの DCM での平均電流が、次のように計算されます。

式 9. I a v g = ( I 2 - V i n * T o n 2 * L ) * T o n + T o f f T

定常状態では、インダクタのボルト秒は各スイッチング・サイクルでバランスをとる必要があり、その結果、式 10 のようになります。

式 10. V i n *   T o n = V o u t -   V i n *   T o f f

Toff を解き、式 9 を代入すると、式 11 のようになります。

式 11. I a v g = ( I 2 - V i n * T o n 2 * L ) * T o n * V o u t T ( V o u t - V i n )

式 6 から、式 12 は次のようになります。

式 12. I 2 * R V R A M P = T -   T o n T

式 13 は、のこぎり波 VRAMP のピーク値を次のように計算します。

式 13. V R A M P = G v * V i n * T * V o u t - V i n T o n * V o u t + R * T o n * V i n 2 * L * T T - T o n

式 13式 12 に代入して I2 について解くと、式 14 のようになります。

式 14. I 2 = G v * V i n * T * V o u t - V i n R * T o n * V o u t + T o n * V i n 2 * L

I2式 11 に代入すると、式 15 のようになります。

式 15. I a v g = G v * V i n * T * V o u t - V i n R * T o n * V o u t + T o n * V i n 2 * L - V i n * T o n 2 * L *   T o n * V o u t T V o u t - V i n   =   G v R * V i n

式 15 では、GV は定常状態では一定です。したがって、Iavg は Vin に比例し、Vin の形状に従います。Vin が正弦波の場合、Iavg も正弦波になるため、力率を 1 にすることができます。

式 9 から 式 15 までは CCM と DCM の両方で有効なので、式 13 に従ってのこぎり波信号のピーク値を生成すると、CCM と DCM の両方で力率を 1 にすることができます。

式 1 は、T = Ton + Toff である 式 13 の特殊なケースです。軽負荷 (軽負荷時には PFC が DCM モードになる)、THD、力率が重要ではないアプリケーションでは、式 1 を使用して実装を簡素化します。