JAJT282 February   2024 TPS62873 , TPS62876-Q1 , TPSM8287A12 , TPSM8287A15

 

  1.   1
  2. 1はじめに
  3. 2DCS-Control トポロジの概要
  4. 3固定周波数 DCS-Control トポロジの概要
  5. 4スイッチング周波数の変動
  6. 5低リップルのパワー セーブ モード
  7. 6スタッキング (並列接続) による負荷電流の増加 (または減少)
  8. 7まとめ
  9. 8参考資料

スタッキング (並列接続) による負荷電流の増加 (または減少)

プロセッサの世代が変わると、多くの場合、プロセッサ コアはより大電流を必要とするようになります。その一方で、アプリケーションによっては、特定のプロセッサの機能をすべて使用しない場合や、同じプロセッサ ファミリ内の低性能プロセッサを使用する場合があるため、電流要件は低くなります。電源の電流能力を増加および減少の両方向にスケーリングするには、電流要件の変化に応じて電源相を追加または削除できるスタッカブル (並列接続可能) ソリューションが必要です。

固定周波数 DCS-Control デバイスはスタッキングをサポートしています。具体的な実装の詳細はデバイス ファミリによって多少異なりますが、カレント シェア (電流共有)、相インターリーブ、インターフェイスの簡素化などの機能が含まれます。

カレント シェアは、COMP ピンを使用して達成されます。COMP ピンは本質的に小信号の動作点であるため、スタッキングされたすべてのデバイスでこのピンの信号を共有すると、固定周波数 DCS-Control で通常 10% 未満のカレント シェア精度を達成できます。

相インターリーブは、専用の SYNC_OUT ピンによって達成されます。このピンは、スタック内の次のデバイスの MODE/SYNC 入力ピンに接続されます。SYNC_OUT は、リップルを相殺するために自動的に位相シフトされます。このシンプルなデイジー チェーン接続により、スタック内のすべてのデバイスが同じ周波数で動作し、単相設計よりもリップルが低くなります。多数のコンバータをスタッキングして良好な位相バランスを実現でき、スタック内のデバイス数を指定する必要はありません。

I2C を介してスタックと接続する場合、出力電圧の調整、動作モードの変更、フォルト レジスタのリードバックを行うための通信は、スタック内の各デバイスに対してではなく、プライマリ デバイスに対してのみ発生します。1 つのデバイスと接続することにより、読み取りおよび書き込みの数と配線が必要な PCB 信号の数の両方が削減されるため、通信オーバーヘッドと PCB 配線が大幅に簡素化されます。