JAJT282 February   2024 TPS62873 , TPS62876-Q1 , TPSM8287A12 , TPSM8287A15

 

  1.   1
  2. 1はじめに
  3. 2DCS-Control トポロジの概要
  4. 3固定周波数 DCS-Control トポロジの概要
  5. 4スイッチング周波数の変動
  6. 5低リップルのパワー セーブ モード
  7. 6スタッキング (並列接続) による負荷電流の増加 (または減少)
  8. 7まとめ
  9. 8参考資料

DCS-Control トポロジの概要

図 1 に、DCS-Control トポロジの基本ブロック図 [1‌] を示します。出力電圧センス (VOS) ピンと帰還 (FB) ピンの両方の信号を制御ループに入力することで、適切なレギュレーションを実現します。VOS ピンから出力電圧を直接供給してランプを生成し、それをコンパレータに入力することで、トポロジの高速過渡応答を実現します。このコンパレータの出力が、即座に動作点に影響を与えます。FB ピンは低帯域幅のパスで、高精度の DC 設定点レギュレーションを行います。VOS ピンの AC パスと FB ピンの DC パスを DCS-Control 内で組み合わせることで、正確な出力電圧を供給し、負荷過渡にも迅速に応答します。

GUID-20240129-SS0I-GRWT-SNMP-FRFGZPZZ2GCF-low.gif図 1 DCS-Control トポロジのブロック図

DCS-Control などの COT トポロジでは、オン時間はタイマで設定されます。タイマでこのオン時間を入力電圧と出力電圧に合わせて調整することで、パルス幅変調 (PWM) モードでほとんどのデューティ サイクルにおいて、適度に一定の周波数が得られます。 式 1 に例を示します。ここで、 416ns は 2.4MHz スイッチング周波数の周期です。

式 1. t O N   =   V O U T V I N   ×   416 n s

ただし、特定の周波数帯域内または帯域外での動作を必要とするアプリケーションには、このスイッチング周波数の精度では不十分です。これらのアプリケーションでは通常、電圧または電流モード制御などのように、発振器を使用してスイッチング周波数を設定する必要があり、場合によってはシステム クロック信号と同期できる機能も必要となります。リファレンス [2] に、 DCS-Control の周波数変動の詳細な例が示されています。