図 14 に示すように、モーター・ドライブは AC 商用電源から電力を取り込み、DC 電圧に整流し、モーター負荷の要求に応じて DC を可変の振幅と周波数で AC に逆変換します。

モーター・ドライブは通常、各種の絶縁型半導体部品を使用して電力回路と制御回路との間に絶縁バリアを設けています。絶縁型アンプまたは変調器は、電力回路からの電流および電圧フィードバック信号を測定および絶縁します。絶縁型ゲート・ドライバはマイコン (パルス幅変調 (PWM) 制御信号を生成) と パワー・トランジスタ (IGBT など) の間を絶縁します。絶縁型コンパレータは過電流、過電圧、過熱条件を検出し、マイコンにフォルト信号を送信します。デジタル・アイソレータによるインターフェイス絶縁 (オプション) は、システムの追加の安全要件を満たすのに役立ちます。

直流的に絶縁されたモーター・ドライブにより電源回路と制御回路の間のノイズ干渉を最小限に抑え、要員の安全を確保することが重要です。最新のモーター・ドライブ・システムは IEC 61800-5-1 安全規格も満たす必要があります。

電流および電圧フィードバック・ループの測定精度の向上は、トルク・リップルを最小化し、速度とトルクの滑らかな電流プロファイルをモーターに与えるのに役立ちます。AMC1300 と AMC1311B などの絶縁型アンプや AMC1306M25 や AMC1336 などの絶縁型変調器は高精度の電流および電圧測定をサポートしています。これらのデバイスは高 CMTI であり、結合ノイズが小さいため、システムの信頼性を高めることができます。

絶縁型ゲート・ドライバは、伝搬遅延時間が短く、CMTI が高く、立ち上がり / 立ち下がり時間が短いため、より高い PWM 周波数と最小限のスイッチング損失を実現できます。そのため、モーター・ドライブ・システムの設計に SiC および窒化ガリウム (GaN) トランジスタを容易に採用できます。フォルト・トレラント・システムでの高精度高速フォルト検出のために、AMC23C12 強化絶縁型コンパレータ・ファミリは、3% 未満の精度と 、400ns 未満のレイテンシを備え、スペースと部品点数を最大 50% の削減した、コスト効率の優れたソリューションを提供します。

インターロック機能を内蔵した低 EMI の ISO6760L などのデジタル・アイソレータは、電源回路と制御回路の間、または (任意で) マイコンとインターフェイスの間で信号品位が高いデジタル信号を確実に伝送します。絶縁型デルタ・シグマ変調器を使用した AC/DC 電圧および電流測定モジュールのリファレンス・デザインは、絶縁型電流および電圧測定向けに 1% 未満の精度を達成できる、コスト最適化された信頼性の高いソリューションを提供します。