JAJSIB6C December   2019  – September 2020 TMP64

PRODUCTION DATA  

  1. 特長
  2. アプリケーション
  3. 概要
  4. 改訂履歴
  5. デバイス比較表
  6. ピン構成および機能
    1.     ピンの機能
  7. 仕様
    1. 7.1 絶対最大定格
    2. 7.2 ESD 定格
    3. 7.3 推奨動作条件
    4. 7.4 熱に関する情報
    5. 7.5 電気的特性
    6. 7.6 代表的特性
  8. 詳細説明
    1. 8.1 概要
    2. 8.2 機能ブロック図
    3. 8.3 機能説明
      1. 8.3.1 TMP64 の R-T 表
      2. 8.3.2 線形抵抗曲線
      3. 8.3.3 正温度係数 (PTC)
      4. 8.3.4 内蔵フェイルセーフ
    4. 8.4 デバイスの機能モード
  9. アプリケーションと実装
    1. 9.1 アプリケーション情報
    2. 9.2 代表的なアプリケーション
      1. 9.2.1 サーミスタ・バイアス回路
        1. 9.2.1.1 設計要件
        2. 9.2.1.2 詳細な設計手順
          1. 9.2.1.2.1 コンパレータを使用した過熱保護
          2. 9.2.1.2.2 サーマル・フォールドバック
      2. 9.2.2 アプリケーション曲線
  10. 10電源に関する推奨事項
  11. 11レイアウト
    1. 11.1 レイアウトのガイドライン
    2. 11.2 レイアウト例
  12. 12デバイスおよびドキュメントのサポート
    1. 12.1 ドキュメントの更新通知を受け取る方法
    2. 12.2 サポート・リソース
    3. 12.3 商標
    4. 12.4 静電気放電に関する注意事項
    5. 12.5 用語集
  13. 13メカニカル、パッケージ、および注文情報

パッケージ・オプション

メカニカル・データ(パッケージ|ピン)
サーマルパッド・メカニカル・データ
発注情報

詳細な設計手順

抵抗分圧器方式では、バイアス電圧 (VBIAS) に応じて出力電圧 (VTEMP) が変化します。VBIAS を ADC の基準電圧としても使用した場合、電圧電源の変動または誤差が相殺され、温度の精度に影響を与えません。このタイプの構成を図 9-2 に示します。Equation2 に、TMP64 の可変抵抗 (RTMP64) とバイアス抵抗 (RBIAS) に基づく出力電圧 (VTEMP) を示します。その出力電圧、ADC のフルスケール範囲、ADC の分解能に対応する ADC コードはEquation3 で与えられます。

GUID-DE98897A-4728-45F3-A852-3F60ECB9234B-low.gif図 9-2 ADC を使用した TMP64 分圧器
Equation2. GUID-611DBE77-AEB2-41E6-AA7C-1BD740D11602-low.gif
Equation3. GUID-FFF0FBAB-B4D9-4B2F-A842-93FE97AB9099-low.gif

ここで

  • FSR は ADC のフルスケール範囲 (GND に対する REF の電圧 (VREF)) です。
  • n は ADC の分解能です。

Equation4 は、VREF = VBIAS の場合、VBIAS が相殺されることを示しています。

Equation4. GUID-201B68F4-A3DC-4190-84C9-7BEEC53A9E7E-low.gif

多項式または LUT を用いて、マイクロコントローラで読み取った ADC コードに基づく温度測定値を抽出します。TMP64 の抵抗を温度に変換するには、サーミスタ設計ツール を使用する必要があります。

VBIAS の相殺は、分圧器を使用すること (レシオメトリック方式) の 1 つの利点ですが、分圧器の出力電圧感度の向上は限定的です。したがって、FSR と比較して電圧出力範囲が小さいため、すべての ADC コードが使用されるわけではありません。しかし、この応用回路はきわめて一般的であり、実装が簡単です。

図 9-3 に示すような電流源を使用した回路は、出力電圧の感度の制御性が優れており、より高い精度を達成できます。この場合、出力電圧は単純に V = I × R です。たとえば、TMP64 で 100μA の電流源を使用すると、出力電圧は約 5.5V になり、ゲインは最大 40mV/℃ になります。電圧範囲と感度を制御できるため、ADC コードとフルスケール範囲を最大限に活用できます。上記のレシオメトリック方式と同様に、ADC の基準電圧と同じバイアスを共有する電流源を ADC が内蔵している場合、電源電流の誤差は相殺されます。この場合、高精度の ADC は不要です。この方式はもっとも高い精度をもたらしますが、システム実装コストが高くなる可能性があります。

GUID-4AB19604-ACC7-4DC5-9A05-D5B267974C52-low.gif図 9-3 電流源を使用した TMP64 のバイアス回路

分圧器構成のノンリニア NTC サーミスタと比べ、TMP64 は優れた線形出力特性を備えています。図 9-4 に、線形化並列抵抗 RP 使用した場合と使用しない場合の 2 つの分圧器回路を示します。VBIAS = 5V、RBIAS = 47kΩ とし、追加の 47kΩ の並列抵抗 (RP) を NTC サーミスタ (RNTC) と組み合わせて出力電圧を線形化する例を検討します。NTC の曲線が狭い温度範囲のみで線形であるのに対して、TMP64 は全温度範囲にわたって線形性が高い曲線を描きます。NTC 回路に並列抵抗 (RP) を追加した場合、曲線の線形性ははるかに改善されますが、出力電圧範囲に大きな影響を与えます。

GUID-DFA8D05D-F778-45A2-87F9-AA125641B4AD-low.gif図 9-4 TMP64 と NTC (線形化抵抗 (RP) を使用) の分圧器回路の比較