JAJSL74A March   2021  – January 2024 TPS62901

PRODUCTION DATA  

  1.   1
  2. 特長
  3. アプリケーション
  4. 概要
  5. ピン構成および機能
  6. 仕様
    1. 5.1 絶対最大定格
    2. 5.2 ESD 定格
    3. 5.3 推奨動作条件
    4. 5.4 熱に関する情報
    5. 5.5 電気的特性
    6. 5.6 代表的特性
  7. 詳細説明
    1. 6.1 概要
    2. 6.2 機能ブロック図
    3. 6.3 機能説明
      1. 6.3.1 モード選択とデバイス構成のための MODE/S-CONF
      2. 6.3.2 可変 VO 動作 (外付け分圧器)
      3. 6.3.3 設定可能な VO 動作 (VSET と内部分圧器)
      4. 6.3.4 ソフトスタート / トラッキング (SS/TR)
      5. 6.3.5 高精度のスレッショルドを持つスマート イネーブル
      6. 6.3.6 パワー グッド (PG)
      7. 6.3.7 低電圧誤動作防止 (UVLO)
      8. 6.3.8 電流制限および短絡保護
      9. 6.3.9 サーマル・シャットダウン
    4. 6.4 デバイスの機能モード
      1. 6.4.1 パルス幅変調 (PWM) 動作
      2. 6.4.2 AEE (自動効率拡張) 機能
      3. 6.4.3 パワーセーブ モード動作 (自動 PFM/PWM)
      4. 6.4.4 100% デューティ サイクルでの動作
      5. 6.4.5 出力放電機能
      6. 6.4.6 負荷にバイアスが印加された状態での起動
  8. アプリケーションと実装
    1. 7.1 アプリケーション情報
    2. 7.2 代表的なアプリケーション - 可変出力電圧
      1. 7.2.1 設計要件
      2. 7.2.2 詳細な設計手順
        1. 7.2.2.1 WEBENCH® ツールによるカスタム設計
        2. 7.2.2.2 出力電圧の設定
        3. 7.2.2.3 外付け部品の選択
        4. 7.2.2.4 インダクタの選択
        5. 7.2.2.5 コンデンサの選択
          1. 7.2.2.5.1 出力コンデンサ
          2. 7.2.2.5.2 入力コンデンサ
          3. 7.2.2.5.3 ソフトスタート コンデンサ
        6. 7.2.2.6 トラッキング機能
        7. 7.2.2.7 出力フィルタとループ安定性
      3. 7.2.3 アプリケーション曲線
      4. 7.2.4 VSET を使った設定可能な VO の代表的なアプリケーション
        1. 7.2.4.1 設計要件
        2. 7.2.4.2 詳細な設計手順
        3. 7.2.4.3 アプリケーション曲線
    3. 7.3 システム例
      1. 7.3.1 LED の電源
      2. 7.3.2 複数の負荷への電力供給
      3. 7.3.3 電圧トラッキング
    4. 7.4 電源に関する推奨事項
    5. 7.5 レイアウト
      1. 7.5.1 レイアウトのガイドライン
      2. 7.5.2 レイアウト例
        1. 7.5.2.1 熱に関する注意事項
  9. デバイスおよびドキュメントのサポート
    1. 8.1 デバイスのサポート
      1. 8.1.1 開発サポート
        1. 8.1.1.1 WEBENCH® ツールによるカスタム設計
    2. 8.2 ドキュメントの更新通知を受け取る方法
    3. 8.3 サポート・リソース
    4. 8.4 商標
    5. 8.5 静電気放電に関する注意事項
    6. 8.6 用語集
  10. 改訂履歴
  11. 10メカニカル、パッケージ、および注文情報

パッケージ・オプション

メカニカル・データ(パッケージ|ピン)
  • RPJ|9
サーマルパッド・メカニカル・データ
発注情報

インダクタの選択

TPS62901 は、1µH (公称値) のインダクタを使うように設計されています。インダクタ電流リップルを低減するためにより大きな値も使えますが、効率と過渡応答に悪影響を及ぼす可能性があります。1µH より小さい値は、低出力電流または無出力電流時の強制 PWM モードでのより大きな負のインダクタ電流の原因となる大きなインダクタ電流リップルを引き起こします。したがって、入力電圧が高く出力電圧が低い場合のように、インダクタの両端の電圧が大きい場合、1µH より小さい値は推奨されません。強制 PWM モードでの小さい出力電流は、負の電流制限を超える可能性があるより大きな負のピーク インダクタ電流の原因となります。出力電流が小さく (またはゼロであり)、かつインダクタ値が小さい場合、出力電圧はもはやレギュレートされません。その他の LC 組み合わせの詳細については、SLVA463 を参照してください。

インダクタの選択は、インダクタ リップル電流、出力リップル電圧、PWM から PFM への遷移点、効率など、各種の要因に影響されます。また、選択されたインダクタは、適切な飽和電流と DC 抵抗 (DCR) の定格を満たしている必要があります。式 11 を使って、最大インダクタ電流を計算できます。

式 11. GUID-4F0D3DC8-2030-435E-B616-2E7A317F2EC3-low.gif
式 12. GUID-20201119-CA0I-XGB8-F5CV-KD0VLSXXJSTB-low.gif

ここで、

  • IL(max) はインダクタ電流の最大値
  • ΔIL(max) は、ピーク ツー ピーク インダクタ リップル電流の最大値
  • L(min) は実効インダクタ値の最小値
  • fsw は実際の PWM スイッチング周波数
  • VOUT は出力電圧
  • VIN(max) は最大出力電圧の期待値

実際の動作条件を使用して最大インダクタ電流を計算すると、必要なインダクタ飽和電流の最小値が求まります。約 20% のマージンを追加することを推奨します。リップル電流が小さくするためにも、インダクタの値を大きくすることは有効ですが、過渡応答時間が長くなり、サイズも大きくなります。以下のインダクタは、TPS62901 と組み合わせて使用した実績があり、これらのインダクタを使うことを推奨します。

表 7-4 インダクタ一覧
タイプ インダクタンス [µH] 電流 [A] (1) 寸法 (LxBxH) [mm] 製造元
XGL4020-102ME 1.0µH、±20% 8.8 4.0x4.0x2.1 Coilcraft
DFE252012F-1R0M 1.0µH、±20% 4.7 2.5x2.5x1.2 Murata (村田製作所)
CIGT252010TM1R0MLE 1.0µH、±20% 5.3 2.5x2.5x1.0 Samsung
TFM252010ALM-1R0MTAA 1.0µH、±20% 4.7 2.5x2.0x1.0 TDK
XEL5030-222ME 2.2μH、±20% 9.7 5.3x5.5x3.1 Coilcraft
XGL4020-222ME 2.2μH、±20% 6.2 4.0x4.0x2.1 Coilcraft
30% 低下時の ISAT

インダクタの値は、パワーセーブ モードに移行する負荷電流も決定します。

式 13. GUID-F7737DF3-D9E8-4C3C-A8CE-B2E2EBD9E62C-low.gif