JAJAAB4 November   2025 DRV8363-Q1

 

  1.   1
  2.   概要
  3.   商標
  4. 1はじめに
  5. 2モーター ドライバ システムの電力損失と熱
    1. 2.1 導通損失
    2. 2.2 スイッチング損失
      1. 2.2.1 スイッチング周波数の影響
  6. 3現実的なモーター ドライバの制限
    1. 3.1 電磁干渉 (EMI) - システム ノイズの考慮事項
    2. 3.2 モーター ドライバの電圧許容誤差
  7. 4まとめ
  8. 5参考資料

導通損失

ドレインからソースに電流が流れるとき、MOSFET で導通損失が発生します。導通時の MOSFET のチャネル抵抗は、一般にオン抵抗 (Rds(on)) と呼ばれます。これらの損失は電流の 2 乗に比例するため、モーター電流は導通損失を決定する際の主な要因になります。FOC 整流中の導通損失は、次の式を使用して計算されます:

式 1. P c o n d u c t i o n   =   3   ×   I R M S 2   ×   R d s ( o n )

事例 1

2 つのシステムの合計電力が 960W と想定します。

システム A = 12V バッテリ

システム B = 48V バッテリ

式 2. P   =   I   ×   V

式 2 に基づき、12V と 48V の両方のシステムについて求められる出力電力が同じと想定する場合、オームの法則を使用すると、48V システムは 1/4 の電流で動作すると推測できます。そのため、MOSFET を流れる電流が小さくなるので、式 1 から 48V システムの導通損失は 1/16 になります。例 1 で示される損失を、図 2-1 に示します。

 12V と 48V での導通損失の比較図 2-1 12V と 48V での導通損失の比較