JAJSFO5D June   2018  – September 2022 TMP117

PRODUCTION DATA  

  1. 特長
  2. アプリケーション
  3. 概要
  4. 改訂履歴
  5. ピン構成および機能
  6. 仕様
    1. 6.1 絶対最大定格
    2. 6.2 ESD 定格
    3. 6.3 推奨動作条件
    4. 6.4 熱に関する情報
    5. 6.5 電気的特性
    6. 6.6 スイッチング特性
    7. 6.7 2 線式インターフェイスのタイミング
    8. 6.8 タイミング図
    9. 6.9 代表的特性
  7. 詳細説明
    1. 7.1 概要
    2. 7.2 機能ブロック図
    3. 7.3 機能説明
      1. 7.3.1 電源オン
      2. 7.3.2 平均化
      3. 7.3.3 温度結果と限界
    4. 7.4 デバイスの機能モード
      1. 7.4.1 連続変換モード
      2. 7.4.2 シャットダウン・モード (SD)
      3. 7.4.3 ワンショット・モード (OS)
      4. 7.4.4 サーム・モードとアラート・モード
        1. 7.4.4.1 アラート・モード
        2. 7.4.4.2 サーム・モード
    5. 7.5 プログラミング
      1. 7.5.1 EEPROM のプログラミング
        1. 7.5.1.1 EEPROM の概要
        2. 7.5.1.2 EEPROM のプログラミング
      2. 7.5.2 ポインタ・レジスタ
      3. 7.5.3 I2C バスおよび SMBus インターフェイス
        1. 7.5.3.1 シリアル・インターフェイス
          1. 7.5.3.1.1 バスの概要
          2. 7.5.3.1.2 シリアル・バス・アドレス
          3. 7.5.3.1.3 読み取りと書き込みの動作
          4. 7.5.3.1.4 スレーブ・モードの動作
            1. 7.5.3.1.4.1 スレーブ・レシーバ・モード
            2. 7.5.3.1.4.2 スレーブ・トランスミッタ・モード
          5. 7.5.3.1.5 SMBus のアラート機能
          6. 7.5.3.1.6 ゼネラル・コール・リセット機能
          7. 7.5.3.1.7 タイムアウト機能
          8. 7.5.3.1.8 タイミング図
    6. 7.6 レジスタ・マップ
  8. アプリケーションと実装
    1. 8.1 アプリケーション情報
    2. 8.2 代表的なアプリケーション
      1. 8.2.1 設計要件
      2. 8.2.2 詳細な設計手順
        1. 8.2.2.1 ノイズと平均化
        2. 8.2.2.2 自己発熱効果 (SHE)
        3. 8.2.2.3 同期温度測定
      3. 8.2.3 アプリケーション曲線
  9. 電源に関する推奨事項
  10. 10レイアウト
    1. 10.1 レイアウトのガイドライン
    2. 10.2 レイアウト例
  11. 11デバイスおよびドキュメントのサポート
    1. 11.1 ドキュメントのサポート
      1. 11.1.1 関連資料
    2. 11.2 Receiving Notification of Documentation Updates
    3. 11.3 サポート・リソース
    4. 11.4 商標
    5. 11.5 Electrostatic Discharge Caution
    6. 11.6 Glossary
  12. 12メカニカル、パッケージ、および注文情報

自己発熱効果 (SHE)

TMP117 は低消費電力ですが、ADC 変換時には多少の電力が消費され、デバイスを加熱します。特定の高精度測定を行うときは、自己発熱効果 (SHE) を考慮してください。デバイスの電源をオンにした後で、25℃の静止した空気の中での SHE を、図 8-2 に示します。このデバイスのパッケージは、11mm × 20mm × 1.1mm サイズのクーポン基板にはんだ付けされています。この基板は水平に配置され、デバイスが上面になります。TMP117 は連続変換モードで、64 サンプリングの平均化とゼロ変換サイクル時間で動作します。温度データを 1 秒ごとに読み取る以外に、デジタル・バスの動作はありません。図 8-2 に示すように、デバイスの消費電力が大きいと、静止空気中での SHE の安定化時間が長くなります。

SHE のドリフトは、デバイスの消費電力と強く比例します。また、同じ電源電圧では温度とともに消費電流が増加するため、この SHE ドリフトはデバイスの温度にも比例します。同じクーポン基板と前述の同じ条件で、SHE ドリフトと温度および 25℃での消費電力との関係を、図 8-3 に示します。

類似のサイズの基板について SHE を推定するには、25℃でのデバイスの消費電力を計算し、図 8-3 に示す対応する電力のラインを使用します。たとえば、25℃において 3.3V 電源で DC を使用しない CC モードでは、デバイスは 410μWt を消費します。したがって、静止空気中の自己発熱は、記述された条件において約 40m℃で、150℃で 52m℃まで上昇します。

以下の方法で SHE を低減できます。

  • システム・キャリブレーションを行うと、自己発熱誤差と電源除去比 (PSRR) 効果が除去されるだけでなく、デバイスと測定対象物体の間の熱抵抗によって生じる温度変化も補償されます。
  • 現実的に可能なら、デバイスのワンショット・モードを使用します。連続的な変換が必要な場合は、変換サイクル・モードを使用し、十分なスタンバイ時間をとります。たとえば、1 秒の変換サイクルで 8 サンプルの平均化 (125ms) を実施すると、ほとんどの場合にデバイスが周囲温度まで冷却するのに十分な時間が得られ、SHE が除去されます。
  • 許容される最小の電源電圧を使用します。
  • デバイスの熱抵抗を最小限に抑えるプリント基板 (PCB) レイアウトを使用します。
  • SDA ピンと ALERT ピンに小さな値のプルアップ抵抗を使用することは避けます。代わりに、2kΩ より大きいプルアップ抵抗を使用します。
  • SCL と SDA の信号レベルがデバイスの電源電圧の 10% 未満、90% を超えた値に維持されることを保証します。
  • データ・ラインの過剰なバイパス・トラフィックは避けます。同じデータ・ライン上で他のデバイスと通信を行うと、デバイスが SD モードであっても、消費電流が増加します。
  • 使用可能な最も速い通信速度を使用します。