JAJSFU5B January 2017 – November 2018 DRV8886AT
PRODUCTION DATA.
DRV8886AT はバイポーラ・ステッピング・モータ用の高集積モータ・ドライバ・ソリューションです。N チャネル・パワー MOSFET H ブリッジ (x2)、電流センスおよびレギュレーション回路、マイクロステッピング制御ロジックを内蔵しています。DRV8886AT は 8~37V の電源電圧範囲で動作し、ピーク時で最大 3A、フルスケールで最大 2A、実効値 (RMS) で最大 1.4A の出力電流を供給できます。実際のフルスケールおよび RMS 電流は、周囲温度、電源電圧、PCB の熱性能に依存します。
DRV8886AT は、2 つの外部電流センス・シャント抵抗を必要としない内部電流センス・アーキテクチャを採用しています。このアーキテクチャでは、電流センシングに電流ミラー手法と内部パワー MOSFET を使うことで、センス抵抗での電力消費をなくしています。電流レギュレーション設定値は、RREF ピンに接続された標準の低電力抵抗で調節します。このため、外付け部品のコスト、プリント基板 (PCB) のサイズ、システムの消費電力を低減できます。
シンプルな STEP/DIR インターフェイスにより、外部コントローラからステッピング・モータの方向とステップ速度を制御できます。内部ステッピング制御ロジックを使うと、巻線電流レベルを制御する外部コントローラを使わなくても高精度のマイクロステッピングを実行できます。ステッピング制御ロジックはフルステップ、ハーフステップ、1/4、1/8、1/16 のマイクロステッピングに対応しています。標準のハーフステップ・モードに加えて、非循環ハーフステップ・モードを利用して、モータの RPM が高いときにトルク出力を増大させることもできます。
電流レギュレーションは、複数の減衰モードに構成できます。減衰モードは、低速・混合、混合減衰、AutoTune リップル制御、AutoTune 動的減衰といった電流レギュレーション方式に設定できます。低速・混合減衰モードでは、ステップの増加時には低速減衰を、ステップの減少時には混合減衰を使用します。AutoTune 減衰モードは、最適な電流制御性能を実現するための自動調整機能と、モータの変動や経年変化に対する補償機能を備えています。AutoTune リップル制御では、オフ時間可変型のリップル制御方式により、モータ巻線電流の歪みを最小限に抑えることができます。AutoTune 動的減衰では、オフ時間固定の動的減衰率方式により、モータ巻線電流の歪みを最小限に抑え、周波数成分も最小化できます。
アダプティブ・ブランキング時間により、出力電流レベルに応じて自動的に最小駆動時間を調整します。この機能は、低電流ステップでの駆動時間を制限してゼロクロス歪みを低減するのに役立ちます。
トルク DAC 機能を使うと、RREF リファレンス抵抗を変更しなくてもコントローラは出力電流を調整できます。トルク DAC はデジタル入力ピンから利用できるため、高い出力トルクが不要なときにモータの消費電流を抑えることで、コントローラはシステムの電力消費を削減できます。
また、低消費電力スリープ・モードを内蔵しているため、モータをアクティブ駆動していないときにシステムの電力を節約できます。