JAJSSD8B May   2004  – January 2024 LM64

PRODUCTION DATA  

  1.   1
  2. 特長
  3. アプリケーション
  4. 概要
  5. ピン構成および機能
  6. 仕様
    1. 5.1 絶対最大定格
    2. 5.2 動作定格
    3. 5.3 DC 電気的特性
    4. 5.4 動作時の電気的特性
    5. 5.5 AC 電気的特性
    6. 5.6 デジタルの電気的特性
    7. 5.7 SMBus のロジック電気的特性
    8. 5.8 ‌SMBus デジタル スイッチング特性
  7. 詳細説明
    1. 6.1 概要
    2. 6.2 機能ブロック図
    3. 6.3 機能説明
      1. 6.3.1  変換シーケンス
      2. 6.3.2  ALERT 出力
        1. 6.3.2.1 温度コンパレータとしての ALERT 出力
        2. 6.3.2.2 割り込みとしての ALERT 出力
        3. 6.3.2.3 SMBus アラートとしての ALERT 出力
      3. 6.3.3  SMBus インターフェイス
      4. 6.3.4  パワーオン リセット (POR) のデフォルト状態
      5. 6.3.5  温度データの形式
      6. 6.3.6  オープン ドレインの出力、入力、プルアップ抵抗
      7. 6.3.7  ダイオードのフォルト検出
      8. 6.3.8  LM64 との通信
      9. 6.3.9  デジタル フィルタ
      10. 6.3.10 フォルト キュー
      11. 6.3.11 ワンショット レジスタ
      12. 6.3.12 シリアル インターフェイスのリセット
  8. レジスタ
    1. 7.1 LM64 のレジスタ
      1. 7.1.1 LM64 の 16 進数順レジスタ マップ
      2. 7.1.2 機能順の LM64 レジスタマップ
      3. 7.1.3 LM64 の初期レジスタ シーケンスおよびレジスタの機能順説明
        1. 7.1.3.1 LM64 で必要な初期ファン制御レジスタ シーケンス
      4. 7.1.4 LM64 レジスタの機能順説明
        1. 7.1.4.1 ファン制御レジスタ
        2. 7.1.4.2 構成レジスタ
        3. 7.1.4.3 タコメータ カウントおよび制限値レジスタ
        4. 7.1.4.4 ローカル温度およびローカル上限設定点レジスタ
        5. 7.1.4.5 リモート ダイオード温度、オフセット、設定点レジスタ
        6. 7.1.4.6 アラート ステータスおよびマスク レジスタ
        7. 7.1.4.7 変換レート レジスタおよびワンショット レジスタ
        8. 7.1.4.8 ID レジスタ
    2. 7.2 汎用レジスタ
  9. アプリケーションと実装
    1. 8.1 アプリケーション情報
      1. 8.1.1 ファン制御デューティサイクル とレジスタ設定および周波数との関係
        1. 8.1.1.1 特定の周波数に対するデューティサイクルの計算
      2. 8.1.2 非線形 PWM 値と温度の関係を示すルックアップ テーブルの使用
      3. 8.1.3 非理想係数と温度精度
        1. 8.1.3.1 ダイオードの非理想性
        2. 8.1.3.2 ダイオードの非理想性の補償
      4. 8.1.4 タコメータ カウントからのファンの RPM の計算
    2. 8.2 代表的なアプリケーション
  10. レイアウト
    1. 9.1 ノイズを最小限に抑えるための PCB レイアウト
  11. 10デバイスおよびドキュメントのサポート
    1. 10.1 ドキュメントのサポート
    2. 10.2 ドキュメントの更新通知を受け取る方法
    3. 10.3 サポート・リソース
    4. 10.4 商標
    5. 10.5 静電気放電に関する注意事項
    6. 10.6 用語集
  12. 11改訂履歴
  13. 12メカニカル、パッケージ、および注文情報

パッケージ・オプション

メカニカル・データ(パッケージ|ピン)
サーマルパッド・メカニカル・データ
発注情報

ノイズを最小限に抑えるための PCB レイアウト

GUID-E6BB0883-35F3-48CC-B9F2-CDC433BAAB54-low.png図 9-1 理想的なダイオードのトレース レイアウト

プロセッサのマザーボードなどのノイズの多い環境では、レイアウトに関する考慮事項は非常に重要です。リモート温度ダイオード センサと LM64 の間のトレースに誘起されるノイズは、温度変換誤差を引き起こす可能性があります。LM64 が測定する信号レベルは、μV の単位であることに注意してください。以下のガイドラインに従う必要があります。

  1. 0.1 µF の電源バイパスコンデンサを VDD ピンにできるだけ近づけて配置し、推奨の 2.2nF コンデンサを LM64 の D+ および D- ピンにできるだけ近づけて配置します 。2.2nF のコンデンサへの 2 つのトレースがそろっているようにします。
  2. 理想的には、LM64 はプロセッサのダイオード ピンから 10cm 以内に配置し、トレースはできるだけまっすぐ、短く、同一形状にする必要があります。1Ω のトレース抵抗は、最大 1℃の誤差を発生させる可能性があります。この誤差は、リモート温度オフセット レジスタを使用して補償できます。これらのレジスタに格納された値が、リモート温度読み取り値から自動的に減算または加算されるからです。
  3. ダイオード トレースのいずれかの側、可能であれば上と下の両側を GND ガード リングで囲む必要があります。この GND ガードは、D+ ラインと D- ラインの間に配置しないでください。ノイズがダイオード ラインに結合する場合、同相で結合することが望ましいです。すなわち、D+ ラインおよび D- ラインに等しくノイズが印加される状態です。
  4. ダイオード トレースを電源のスイッチング インダクタまたはフィルタリング インダクタの近くに配線するのは避けてください。
  5. ダイオード トレースを高速デジタル ラインおよびバス ラインの近く、またはそれらと並行して配線するのは避けてください。ダイオード トレースは、高速デジタル トレースから 2 cm 以上離す必要があります。
  6. 高速デジタル トレースを交差させる必要がある場合は、ダイオード トレースと高速デジタル トレースを 90 度の角度で交差させる必要があります。
  7. LM64 の GND ピンは、センス ダイオードに関連付けられているプロセッサの GND のできるだけ近くに接続するのが理想的です。
  8. D+ と GND の間のリーク電流は、最小限に抑える必要があります。1nA のリーク電流は、ダイオードの温度測定値に最大 1℃の誤差を発生させる可能性があります。プリント基板をできるだけ清浄に保つことで、リーク電流を最小限に抑えることができます。

デジタル ラインに結合するノイズが 400mVp-p (ヒステリシス標準値) を上回る場合や、GND よりも 500mV 下回るアンダーシュートがある場合には、LM64 との SMBus 通信が正常に行われなくなる可能性があります。SMBus のノー アクノリッジが最も一般的な症状で、バス上に不必要なトラフィックを発生させます。SMBus の最大通信周波数は比較的低いですが (最大 100 kHz)、バス上に複数の部品が存在して、プリント基板のトレースが長いシステムでは、適切な終端を確保するよう注意する必要があります。LM64 の SMBCLK 入力は、3db コーナー周波数が約 40MHz である RC ローパス フィルタを備えています。SMBData ラインおよび SMBCLK ラインと直列に抵抗を追加することで、ノイズとリンギングをさらにフィルタできます。デジタル トレースをスイッチング電源領域から遠ざけ、高速データ通信を含むデジタル ラインが SMBData ラインおよび SMBCLK ラインと直角に交差するようにすることで、ノイズ結合を最小限に抑えます。