JAJT269 June   2023 INA333 , INA350

 

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  2. 1はじめに
  3. 2デュアル電源回路
  4. 3PCB レイアウト
  5. 4測定結果
  6. 5まとめ

まとめ

多くの設計者は通常、低コストのアプリケーションでディスクリート ソリューションを実装しますが、新しい汎用 IA (たとえば、テキサス・インスツルメンツの INA350) を使用すると、全体のコストが削減され、性能が向上する可能性が高くなります。ゲインによっては INA333 などの高精度 IA で 優れた性能とゲイン範囲を実現できますが、特に温度範囲全体にわたって性能を決定する重要な要因は外付けの RGです。

表 3 に比較の概要を示します。

表 3 デュアル電源 IA 回路ソリューションの比較。
PCB 面積 ゲイン範囲 性能 コスト
ディスクリート IA 48.78mm2 1V/V ~ 100V/V 良好 $$
汎用 IA 16.79mm2 10、20、30、50V/V より良好
高精度 IA 29.7mm2 1V/V ~ 1,000V/V 最良 $$$$

次回デュアル電源 IA を設計するときは、この記事で概要を説明するトレードオフを検討してください。最高の精度を必要とするアプリケーションでは、高精度 IA が自然な選択肢となります。コスト効率に優れた性能を必要とするアプリケーションでは、その選択はディスクリート IA の構築ほど容易ではありません。新しい汎用 IA は、ディスクリート ソリューションとは比較にならない程優れた性能を実現すると同時に、PCB 面積の節減とシステム コストの削減を可能にします。