JAJSHK1B August   2019  – January 2021 DRV8876-Q1

PRODUCTION DATA  

  1. 特長
  2. アプリケーション
  3. 概要
  4. 改訂履歴
  5. ピン構成と機能
    1.     ピン機能
  6. 仕様
    1. 6.1 絶対最大定格
    2. 6.2 ESD 定格
    3. 6.3 推奨動作条件
    4. 6.4 熱に関する情報
    5. 6.5 電気的特性
    6. 6.6 代表的特性
  7. 詳細説明
    1. 7.1 概要
    2. 7.2 機能ブロック図
    3. 7.3 機能説明
      1. 7.3.1 外付け部品
      2. 7.3.2 制御モード
        1. 7.3.2.1 PH/EN 制御モード (PMODE = 論理 Low)
        2. 7.3.2.2 PWM 制御モード (PMODE = 論理 High)
        3. 7.3.2.3 独立ハーフブリッジ制御モード (PMODE = Hi-Z)
      3. 7.3.3 電流検出およびレギュレーション
        1. 7.3.3.1 電流検出
        2. 7.3.3.2 電流レギュレーション
          1. 7.3.3.2.1 固定オフ時間電流チョッピング
          2. 7.3.3.2.2 サイクル単位電流チョッピング
      4. 7.3.4 保護回路
        1. 7.3.4.1 VM 電源低電圧誤動作防止 (UVLO)
        2. 7.3.4.2 VCP チャージ・ポンプ低電圧誤動作防止 (CPUV)
        3. 7.3.4.3 OUTx の過電流保護 (OCP)
        4. 7.3.4.4 サーマル・シャットダウン (TSD)
        5. 7.3.4.5 フォルト条件のまとめ
      5. 7.3.5 ピン構造図
        1. 7.3.5.1 論理レベル入力
        2. 7.3.5.2 トライレベル入力
        3. 7.3.5.3 クワッドレベル入力
    4. 7.4 デバイスの機能モード
      1. 7.4.1 アクティブ・モード
      2. 7.4.2 低消費電力スリープ・モード
      3. 7.4.3 フォルト・モード
  8. アプリケーションと実装
    1. 8.1 アプリケーション情報
    2. 8.2 代表的なアプリケーション
      1. 8.2.1 主要アプリケーション
        1. 8.2.1.1 設計要件
        2. 8.2.1.2 詳細な設計手順
          1. 8.2.1.2.1 電流検出およびレギュレーション
          2. 8.2.1.2.2 消費電力および出力電流特性
          3. 8.2.1.2.3 熱性能
            1. 8.2.1.2.3.1 定常状態熱性能
            2. 8.2.1.2.3.2 過渡熱性能
        3. 8.2.1.3 アプリケーション曲線
      2. 8.2.2 代替アプリケーション
        1. 8.2.2.1 設計要件
        2. 8.2.2.2 詳細な設計手順
          1. 8.2.2.2.1 電流検出およびレギュレーション
        3. 8.2.2.3 アプリケーション曲線
  9. 電源に関する推奨事項
    1. 9.1 バルク容量
  10. 10レイアウト
    1. 10.1 レイアウトのガイドライン
    2. 10.2 レイアウト例
      1. 10.2.1 HTSSOP のレイアウト例
  11. 11デバイスおよびドキュメントのサポート
    1. 11.1 ドキュメントのサポート
      1. 11.1.1 関連資料
    2. 11.2 ドキュメントの更新通知を受け取る方法
    3. 11.3 コミュニティ・リソース
    4. 11.4 商標
  12. 12メカニカル、パッケージ、および注文情報

パッケージ・オプション

デバイスごとのパッケージ図は、PDF版データシートをご参照ください。

メカニカル・データ(パッケージ|ピン)
  • PWP|16
サーマルパッド・メカニカル・データ
発注情報

電流検出

IPROPI ピンは、AIPROPI でスケーリングされる H ブリッジのローサイド・パワー MOSFET を流れる電流に比例したアナログ電流を出力します。IPROPI の出力電流はEquation1 で計算できます。Equation1 の ILSx は、ローサイド MOSFET のドレインからソースに電流が流れるときのみ有効です。ソースからドレインに電流が流れる場合、そのチャネルの ILSx の値はゼロです。たとえば、ブリッジにブレーキがかかっている場合 (スロー・ディケイ状態)、IPROPI から流れ出る電流はローサイド MOSFET のうちの 1 つの電流にのみ比例します。

Equation1. IPROPI (μA) = (ILS1 + ILS2) (A) x AIPROPI (μA/A)

内部電流ミラー・アーキテクチャで電流を測定するため、外付け検出抵抗は不要です。また、電流ミラー・アーキテクチャにより、ドライブ期間とブレーキ (ローサイド・スロー・ディケイ) 期間の両方でモータ巻線電流を検出できるため、一般的な双方向ブラシ付き DC モータ用途で電流を常時監視できます。コースト・モードでは、電流がソースからドレインに流れるため、電流が還流して電流を検出できません。しかし、ドライブ・モードまたはスロー・ディケイ・モードでドライバを短い間有効にして電流を測定した後、コースト・モードに戻すことで、その電流をサンプリングできます。独立 PWM モードで両方のローサイド MOSFET に電流が流れている場合、IPROPI の出力は 2 つのローサイド MOSFET の電流の和となります。

IIPROPI アナログ電流出力により IPROPI ピンで比例電圧 (VIPROPI) を生成するために、IPROPI ピンは外付け抵抗 (RIPROPI) を介してグランドに接続する必要があります。これにより、標準のアナログ / デジタル・コンバータ (ADC) を使用して、RIPROPI 抵抗両端の電圧降下として負荷電流を測定できます。RIPROPI 抵抗は、すべてのコントローラ ADC を利用できるように、そのアプリケーションの負荷電流の期待値に基づいて値を調整できます。また、DRV887x-Q1 は IPROPI 電圧クランプ回路を備えているため、VREF ピンの VVREF を基準として VIPROPI 電圧を制限し、出力過電流または想定外の大電流イベント時に外部 ADC を保護できます。

出力電流に対応する IPROPI 電圧は、Equation2 で計算できます。

Equation2. VIPROPI (V) = IPROPI (A) x RIPROPI (Ω)
GUID-B7C98B8D-FADE-4EEE-9952-E47D2EBAD287-low.gif図 7-2 内蔵電流検出回路

IPROPI 出力の帯域幅は、DRV887x-Q1 の内部電流検出回路の検出遅延時間 (tDELAY) によって制限されます。この時間は、ローサイド MOSFET イネーブル・コマンド (PH/EN ピンの INx) から IPROPI 出力準備完了までの遅延に相当します。デバイスが H ブリッジ PWM パターンで駆動とスロー・ディケイ (ブレーキ) を繰り返している場合、電流を検出するローサイド MOSFET は連続的にオンし、検出遅延時間は IPROPI 出力に影響を与えません。INx (PH/EN ピン) のコマンドがTopic Link Label7.3.2 の論理表に従ってローサイド MOSFET をディスエーブルすると、IPROPI 出力は入力ロジック信号によってディスエーブルされます。ローサイド MOSFET はディスエーブルする際に、本デバイスのスルーレートに従って電流を流し続けようとする場合がありますが (電気的特性表に tRISE 時間として記載)、このターンオフ時間中のローサイド MOSFET の電流は IPROPI に反映されません。