JAJSFW2A July   2018  – November 2018 TL431LI , TL432LI

PRODUCTION DATA.  

  1. 特長
  2. アプリケーション
  3. 概要
    1.     Device Images
      1.      概略回路図
  4. 改訂履歴
  5. デバイス比較表
  6. ピン構成および機能
    1.     端子機能
  7. 仕様
    1. 7.1 絶対最大定格
    2. 7.2 ESD定格
    3. 7.3 熱特性
    4. 7.4 推奨動作条件
    5. 7.5 電気的特性
    6. 7.6 代表的特性
  8. パラメータ測定情報
    1. 8.1 温度係数
    2. 8.2 ダイナミック・インピーダンス
  9. 詳細説明
    1. 9.1 概要
    2. 9.2 機能ブロック図
    3. 9.3 機能説明
    4. 9.4 デバイスの機能モード
      1. 9.4.1 開ループ(コンパレータ)
      2. 9.4.2 閉ループ
  10. 10アプリケーションと実装
    1. 10.1 アプリケーション情報
    2. 10.2 代表的なアプリケーション
      1. 10.2.1 基準電圧内蔵コンパレータ
        1. 10.2.1.1 設計要件
        2. 10.2.1.2 詳細な設計手順
          1. 10.2.1.2.1 基本動作
            1. 10.2.1.2.1.1 オーバードライブ
          2. 10.2.1.2.2 出力電圧とロジック入力レベル
            1. 10.2.1.2.2.1 入力抵抗
        3. 10.2.1.3 アプリケーション曲線
      2. 10.2.2 高精度定電流シンク
        1. 10.2.2.1 設計要件
        2. 10.2.2.2 詳細な設計手順
          1. 10.2.2.2.1 基本動作
            1. 10.2.2.2.1.1 出力電流範囲および精度
          2. 10.2.2.2.2 消費電力
      3. 10.2.3 シャント・レギュレータ/基準電圧
        1. 10.2.3.1 設計要件
        2. 10.2.3.2 詳細な設計手順
          1. 10.2.3.2.1 出力/カソード電圧の設定
          2. 10.2.3.2.2 総合精度
          3. 10.2.3.2.3 安定性
          4. 10.2.3.2.4 起動時間
        3. 10.2.3.3 アプリケーション曲線
      4. 10.2.4 オプトカプラによる絶縁型フライバック
        1. 10.2.4.1 設計要件
          1. 10.2.4.1.1 詳細な設計手順
            1. 10.2.4.1.1.1 TL431の帰還ループ誤差の計算
    3. 10.3 システム例
  11. 11電源に関する推奨事項
  12. 12レイアウト
    1. 12.1 レイアウトの注意点
    2. 12.2 レイアウト例
  13. 13デバイスおよびドキュメントのサポート
    1. 13.1 関連リンク
    2. 13.2 ドキュメントのサポート
      1. 13.2.1 デバイスの項目表記
      2. 13.2.2 関連資料
    3. 13.3 ドキュメントの更新通知を受け取る方法
    4. 13.4 コミュニティ・リソース
    5. 13.5 商標
    6. 13.6 静電気放電に関する注意事項
    7. 13.7 Glossary
  14. 14メカニカル、パッケージ、および注文情報

パッケージ・オプション

メカニカル・データ(パッケージ|ピン)
サーマルパッド・メカニカル・データ
発注情報

TL431の帰還ループ誤差の計算

Figure 26 に、帰還ネットワークの概略回路図を示します。出力電圧の精度は、TL431LIの安定化電圧精度で決まります。VOUTの概算をEquation 2に示しますが、この式には出力を変動させる誤差が入っていません。

Equation 2. TL431LI TL432LI Accuracy2.gif

誤差の主因となるのはError|VrefとError|Irefです。Error|Vrefは、TL431LIの内部バンドギャップ基準電圧に影響を与える誤差で主に構成されます。この誤差は、初期精度、温度ドリフト、カソード電圧変動に対するリファレンス電圧変動の比率、およびダイナミック・インピーダンスに起因する誤差で構成されます。TL431LIの利点は温度ドリフトとVI(dev)が小さいことであり、これにより標準的なTL431LIに比べて、全温度範囲でVrefの精度が向上します。Equation 3に、初期精度および温度ドリフトによる最悪条件のVrefの概算値を示します。

Equation 3. TL431LI TL432LI Accuracy1.gif

Figure 26のError|Irefは、R1とともにIrefおよびII(dev)に依存します。TL431LIはIrefとII(dev)が小さいため、抵抗R1の値を大きくして消費電力を節約できます。通常、オプトカプラ帰還設計ではIrefを考慮に入れてVOUTを計算する必要がありますが、Irefの最大値と標準値の偏差から誤差が生じます。加えて、II(dev)はIref電流の温度による偏差であり、TL431LIに流れ込むリファレンス電流全体に影響を与えます。Equation 4は、IrefとII(dev)が小さくなったFigure 26のTL431LIのVOUTを示しています。VOUTの式は、抵抗R1およびR2の精度の許容公差を0.5%と仮定しています。

Equation 4. TL431LI TL432LI Accuracy0.gif

誤差ありと誤差なしのVOUT計算値を比較すると、最悪条件での推定最大誤差は2.1%となり、3%という誤差目標値を達成しています。