JAJA751A june   2020  – may 2023 BQ25150 , BQ25155 , BQ25618 , BQ25619 , TS5A12301E , TS5A3157 , TS5A3159A , TS5A6542

 

  1.   1
  2. ピン・インターフェイスを使用した TWS の高効率充電
  3.   商標
  4. はじめに
  5. システム概要
    1. 2.1 充電ケース
      1. 2.1.1 BQ25619
      2. 2.1.2 TLV62568P
      3. 2.1.3 TPS22910A
      4. 2.1.4 TS5A12301E
      5. 2.1.5 マイコン
    2. 2.2 イヤホン
      1. 2.2.1 BQ25155
      2. 2.2.2 TPS22910A
      3. 2.2.3 TS5A12301E
      4. 2.2.4 BT/SOC
  6. 充電ケース・アルゴリズムの実装
    1. 3.1 初期化とメイン・コード
    2. 3.2 UART 割り込みおよび出力電圧の調整
  7. イヤホン・アルゴリズムの実装
    1. 4.1 初期化とメイン・コード
    2. 4.2 割り込みと送信
  8. テスト方法
  9. テスト結果
    1. 6.1 動的電圧の調整
    2. 6.2 出力 4.6V の BQ25619
    3. 6.3 出力 5V の標準昇圧
  10. まとめ
  11. 回路図
  12. PCB レイアウト
  13. 10ソフトウェア
    1. 10.1 充電ケース main.c
    2. 10.2 イヤホン main.c
  14. 11改訂履歴

初期化とメイン・コード

このシステムが実装している通信では、イヤホンはスレーブとして機能します。これにより、ケースが電力モードのときにイヤホンが通信モードに移行しないようにします。このイヤホンは通信モードに移行し、VIN_PGOOD_FLAG (レジスタ・アドレス 0x3) がアサートされ、BQ25155 の内部 ADC が 0V であることを検出した場合のみメッセージを送信します。この信号は、ケースが通信モードに移行したことを示します。図 4-1 は、イヤホン・アルゴリズムのフロー・チャートです。

GUID-81F28E2F-F12D-4A10-932B-FEA2A008435B-low.svg図 4-1 イヤホンのアルゴリズム

イヤホンは、ユーザーのシステム要件を満たすよう最初に初期化されます。ここで設定するのは、BQ25155 の充電電流、ADC 変換レートなどです。初期化後、システムの割り込みがイネーブルになります。この時点で、システムはケースに接続された時点で充電サイクルを開始する準備ができています。

以下の 2 つの表に、変更されたレジスタを示します。

表 4-1 イヤホン BQ25155 レジスタ
名称目的
ICHG_CTRL0x50ICHG を 100mA に設定
CHARGERCTRL00x92ウォッチドッグ・タイマをディスエーブルにする
ADCCTRL00x58ADC を変換ごとに 3mS の連続読み取りに設定する
ADCCTRL10x00コンパレータをディスエーブルにする
ADC_READ_EN0xFEADC 読み取りチャネルをイネーブルにする
表 4-2 ケース BQ25619 レジスタ
名称目的
REG01(Charger Control 0)0x3A昇圧モードをイネーブルにする
REG05(Charger Control 1)0x8Eウォッチドッグ・タイマをディスエーブルにする
REG06(Charger Control 2)0xC6昇圧電圧を 4.6V に設定する

システムが初期化され、ケースに接続されると、充電が開始され、ケースによってトリガされる通信サイクルに応答するのを待ちます。通信サイクルを待機する間、イヤホンは 0.5 秒ごとにバッテリ電圧を保存します。これを行う理由は、VIN が 0 になって通信サイクルがトリガされると、イヤホンのバッテリ電圧がわずかに低下し、この時間中に測定値を取得した結果、必要な充電電圧より低い電圧が送信されるためです。

ケースが通信モードに入ると、入力電圧が 0 に低下します。これにより BQ25155 は、VIN が許容可能な電圧を下回ったことを示すフラグを設定し、その INT ピンで割り込みをトリガします。これにより ISR がトリガされます。