JAJA757 February   2023 LM5177

 

  1.   1
  2.   概要
  3.   商標
  4. 1はじめに
  5. 2デジタル・フィルタの設計
  6. 3ATRK 機能のプラント伝達関数
  7. 4ATRK プラント用アナログ・コントローラ
  8. 5Z 変換と差分方程式
  9. 6アプリケーションと実装
    1. 6.1 ソフトウェアのフローチャート
    2. 6.2 アプリケーションのデモ
    3. 6.3 DTRK を使用した実装
  10. 7まとめ
  11. 8関連資料

Z 変換と差分方程式

前セクションで定式化したコントローラの伝達関数は連続時間ドメインにあります。ただ、実際のマイコンはサンプリングに限界があるため、離散時間ドメインでしか動作しません。したがって、デジタル制御コードの場合、既存の連続時間ドメイン・モデルを離散時間ドメインに変換する必要があります。このため、双一次変換が使用されます。双一次変換は s ドメインの伝達関数を離散時間 z ドメインに変換し、z ドメインは離散時間数列を複素周波数 z 平面で表現します。コントローラの等価 z ドメイン伝達関数は 式 5 で表されます。双一次変換のサンプリング周期は、ADC サンプリング周波数 10kHz に基づいて、100 マイクロ秒です。

式 5. H z = 2.116 z - 1.91 z 2 - 1.691 z + 0.6913

コントローラの z ドメイン伝達関数をデジタル・フィルタの式 (差分方程式) に変換するために、H (z) で逆 z 変換が実行されます。逆 z 変換から算出されるデジタル・フィルタの式は、式 6 で表されます。この場合、k は離散時間、X はセンサ値、Y はコントローラの出力値になります。

式 6. Y k = 1.691 × Y k - 1 - 0.6913 × Y k - 2 + 2.116 x X k - 1 - 1.91 x X k - 2