JAJA968 September 2025 BQ76905 , BQ76907
BQ76907 は、パッシブバランシング方式を使用して最大 50mA の内部バランシング電流をサポートする、バランシング回路を内蔵しています。ただし、バランシングを有効にするため、ホストがコマンドを送信する必要があります。これは隣接していないセルの同時バランシングだけでなく、隣接するセルの同時バランシングもサポートしています。
バランシングをオンにすると、対応するセルおよび隣接するセルのピン電圧が変化する場合があります。図 5-1 は、Cell_n セルのバランシングがオンになる前後の等価回路を示しています。
図 5-1 BQ76907 内部バランス回路図 5-1 では、対応する VCx 入力ピンの電圧は次のように変化します:
| 電圧 | バランスがオフ | バランスがオン |
|---|---|---|
バッテリのバランシングのためにサンプリング電圧が不正確になることを防止するため、サンプリング中はバランシングを無効化する必要があります。バランシング機能 (デューティサイクルのバランシング) とサンプリングレートのバランスを取るため、BQ76907 は通常のサンプリング ADSCAN LOOP の後に複数の IDLE スロットを追加できます
図 5-2 セルバランスモードでの電圧測定ループ (7S バージョン)IDLE スロットが多くなるほどバランシングデューティサイクルは大きくなり、バッテリパックのバランシング能力は強くなりますが、サンプリングリフレッシュレートは低下する可能性があります。そのため、実際の使用シナリオに応じて CB_LOOP_SLOW[1:0] レジスタを構成する必要があります。
また、セルバランシングをオフにすると、RC ネットワークが存在するため電圧回復には一定の時間がかかり、セルバランシングをオフにした後、いくつかの電圧サンプリングで大きな誤差が発生する可能性があります。このような誤差を回避するため、BQ76907 は遅延サンプリングレジスタを開きます:設定:セルバランシング:バランシング構成[CBDLY2:0]。このレジスタを使うと、図 5-3 に示すように、セルバランスがオフになってから電圧サンプリングが有効になるまでに 0 ~ 64ms の遅延を挿入できます。
図 5-3 セルバランスモードでの電圧測定ループ (7S バージョン)