1 概要

USB は、ヒューマン・マシンの相互作用、診断、ファームウェアのダウンロード、周辺機器の接続、データロギングのための産業用システム・インターフェイスとして、ますます普及しています。産業界で発生するノイズや過酷な過渡電流、同時に電気的な安全性を考慮して、システム設計者は USB ポートを絶縁したいと考えています。ホスト (ノート PC など) 接続とペリフェラル (USB ドライブなど) 接続が分離したポートになっておらず、そのどちらにも接続可能な USB ポートを搭載することで、柔軟性を高め、コストを削減します。

USB On-the-Go (OTG) は、この柔軟性を実現しながら、ホスト・ネゴシエーション・プロトコル (HNP) によりホストとペリフェラルの役割を交換することも可能です。ただし、現在 USB OTG ポートを絶縁するソリューションはありません。この記事では、絶縁型 USB リピータから HNP と関連する要件で絶縁型 USB OTG ポートを実現する場合の主な検討事項について説明します。また、テキサス・インスツルメンツの絶縁型 USB リピータ ISOUSB211 を使用した絶縁型 USB OTG ポートを実装しているアプリケーション図とテスト結果も示します。