JAJU849A september   2022  – may 2023

 

  1.   1
  2.   概要
  3.   リソース
  4.   特長
  5.   アプリケーション
  6.   6
  7. 1システムの説明
  8. 2システム概要
    1. 2.1 ブロック図
    2. 2.2 設計上の考慮事項
      1. 2.2.1 フレーム・ハンドラ
  9. 3ハードウェア、ソフトウェア、テスト要件、テスト結果
    1. 3.1 ハードウェア要件
    2. 3.2 テスト構成
    3. 3.3 テスト結果
      1. 3.3.1 電源突入テスト (TCM_PHYL_INTF_ISIRM)
      2. 3.3.2 インターフェイス・ウェークアップ電圧 (TCM_PHYL_INTF_IQWUF および TCM_PHYL_INTF_IQWUHL)
      3. 3.3.3 電流シンク
      4. 3.3.4 タイミング・テスト
  10. 4設計とドキュメントのサポート
    1. 4.1 設計ファイル
      1. 4.1.1 回路図
      2. 4.1.2 BOM
    2. 4.2 ツールとソフトウェア
    3. 4.3 ドキュメントのサポート
    4. 4.4 サポート・リソース
    5. 4.5 商標
  11. 5改訂履歴

システムの説明

センサとアクチュエータはオートメーションの最も基本的なユニットであり、ネットワーク接続された複数のシステムに情報を供給し、それらのシステムからの命令に従って動作します。従来、センサやアクチュエータのようなデバイスは、インテリジェンスがごく限定的なインターフェイスを経由して制御ユニットに接続していました。その結果、交換できる構成情報や診断情報はごくわずか、または皆無でした。新しいデバイスを取り付けるには、使用する時点で手動の構成が必要だったほか、診断機能がないので、本当に必要なときに予知保全を実施することも不可能でした。

IO-Link (国際電気標準会議 [IEC] 61131-9) は、オープン規格をベースとするプロトコルであり、センサやアクチュエータのような小型デバイスに関するインテリジェント制御のニーズに対処します。この標準は、デバイスとマスタの間で、低速のポイント・ツー・ポイント・シリアル通信を実現します。この場合のマスタは通常、フィールド・バスや PLC に到達するためのゲートウェイとして機能します。接続の確立後にこのインテリジェント・リンクを使用すると、データ交換、構成、診断を目的とする通信を容易に実施できます。

シールドなしの 3 線ケーブルは最大 20m の長さに対応し、一般的に M12 コネクタを両側に取り付けて、IO-Link 接続を確立します。データ・レートの範囲は最大 230kbps に達し、非同期の最小サイクル時間は 400μs +10% です。4 つの動作モードは、双方向の入出力 (I/O)、デジタル入力、デジタル出力、非アクティブ化に対応しています。セキュリティ・メカニズムとディタミニスティック (確定的) なデータ配信は規定されていません。IODD (IO Device Description、IO デバイス記述) というプロファイルは、通信プロパティ、デバイス・パラメータ、ID (識別子) とプロセスと診断に関するデータ、デバイスとメーカーに関する固有の情報を保持しています。

IO-Link システムを配備する多くの利点として、標準化済みの配線、データ可用性の向上、リモートの監視と構成、複数のデバイスのシンプルな置き換え、先進的な診断機能を挙げることができます。IO-Link を採用すると、ファクトリのマネージャは、センサからの更新情報を受け取り、今後の保守や交換に関する計画を立てることができます。交換を必要としているセンシング・ユニットまたはアクチュエータ・ユニットの交換と、PLC から IO-Link マスタ経由での新しいユニットの構成を実施すると、手動のセットアップが不要になり、ダウンタイムを短縮できます。ファクトリの現場へ足を運ばずに、ある構成から他の構成へと製造をリモートで切り替えることができるので、製品のカスタマイズがいっそう容易になります。IO-Link は既存の標準的な I/O 設備と配線に対する上位互換性があるので、ファクトリは製造ラインを IO-Link に簡単にアップグレードすることができます。総合すると、これらの特長を活用して全体のコストを削減し、プロセスの効率と機械の可用性を向上させることができます。