JAJA710A June   2020  – November 2022 LM5156 , LM5156-Q1 , LM51561 , LM51561-Q1 , LM51561H , LM5156H , LM5156H-Q1 , LM5157-Q1 , LM51571-Q1 , LMR43610 , LMR43610-Q1 , LMR43620 , LMR43620-Q1

 

  1.   EMI 低減手法、デュアル・ランダム・スペクトラム拡散
  2.   商標
  3. 1はじめに
  4. 2スペクトラム拡散のレビュー
    1. 2.1 スペクトラム拡散の目的
    2. 2.2 定義
    3. 2.3 最適化とトレードオフ
  5. 3アナログと疑似ランダムの手法
    1. 3.1 適応型ランダム・スペクトラム拡散
    2. 3.2 デュアル・ランダム・スペクトラム拡散
  6. 4まとめ
  7. 5関連資料
  8. 6改訂履歴

スペクトラム拡散の目的

スペクトラム拡散の背後にある基本原理は、狭帯域信号を広帯域信号に変換し、EMI の影響を低減することです。これにより、エネルギーは複数の周波数に分散されます。スイッチング・レギュレータの場合、これはスイッチング周波数を設定する発振器を操作することで行い、ほとんどのスイッチ・モード電源トポロジ (降圧、昇圧など) で実行できます。エネルギー保存則から、合計エネルギーは常に一定ですが、エネルギーを複数の周波数帯域に分散することで、エネルギーのピークを最小限に抑えられます。結果として、付近にある敏感な回路 (以後「ビクティム」と呼びます) は、干渉による揺動を受けにくくなります。時間の経過に応じてクロック周波数を操作すると、スイッチャによって生成されるエネルギーがどのように拡散できるかを、図 2-1 に示します。

GUID-3FB687B0-4059-4D46-8802-DACC3946FEB5-low.gif図 2-1 スペクトラム拡散と周波数変調による EMI 低減