JAJSMS3A october 2022 – july 2023 DRV8411A
PRODUCTION DATA
デバイスごとのパッケージ図は、PDF版データシートをご参照ください。
DRV8411A には、固定オフ時間電流チョッピング方式を使用した電流レギュレーションが内蔵されています。これにより、図 9-5 に示すように、モータのストール、高トルク、またはその他の大電流負荷イベントが発生した場合でも、デバイスの出力電流を制限できます。
電流チョッピング・スレッショルド (ITRIP) は、VREF 電圧 (VVREF) と IPROPI 出力抵抗 (RIPROPI) の組み合わせにより設定されます。具体的には、内部コンパレータを使用して、外付け RIPROPI 抵抗両端の電圧降下を VVREF と比較します。
VVM ≥ 3.6V の場合、VVREF は最大 3.6V の電圧に設定できます。VVM < 3.6V の場合は、VVREF は VVM 以下である必要があります。
固定オフ時間電流チョッピング方式では、H ブリッジが tOFF 時間後に自動的にイネーブルになり、出力をリセットするのに xINx ピンの新しい制御入力エッジを必要としないので、最大 100% のデューティ・サイクル電流レギュレーションがサポートされます。モータ電流が ITRIP スレッショルドを超えると、出力は固定オフ時間 (tOFF) で電流チョッピング・モードに移行します。tOFF の間は、IOUT が ITRIP を超過すると、tOFF の間 H ブリッジがブレーキ / ローサイド・スロー・ディケイ状態 (両方のローサイド MOSFET がオン) に移行します。tOFF が経過すると、IOUT が ITRIP 未満であれば、制御入力に従って出力が再イネーブルされます。IOUT が ITRIP を超過したままの場合、H ブリッジは tOFF の間、ブレーキ / ローサイド・スロー・ディケイ状態に再度移行します。xINx 制御ピンの状態が tOFF 時間中に変化すると、tOFF の残りの時間は無視され、出力は再び入力に追従するようになります。
ITRIP コンパレータには、ブランキング時間 (tBLANK) とグリッチ除去時間 (tDEG) があります。内部ブランキング時間は、出力切替時の電圧および電流過渡事象が電流レギュレーションに影響を与えないようにするのに役立ちます。これらの過渡現象はモータ内部のコンデンサにより発生することがあり、またはモータ端子への接続で発生することがあります。内部グリッチ除去時間により、過渡条件が電流レギュレーションを通常より早くトリガすることを防止します。過渡条件がグリッチ除去時間より長く続く場合、10nF のコンデンサを IPROPI ピンに (デバイスに近付けて) 接続することで、IPROPI 出力の過渡現象をフィルタ処理し、電流レギュレーションが通常より早くトリガされるのを防止できます。コンデンサの値は必要に応じて調整できますが、コンデンサの値が大きいと、電流レギュレーション回路の応答が遅くなる場合があります。
IPROPI を GND に接続し、VREF ピンの電圧を GND より高く設定することで、内部電流レギュレーションと電流帰還を無効にできます。電流帰還が必要でありかつ電流レギュレーションが不要である場合、VIPROPI が VVREF スレッショルドに到達することがないように VVREF と RIPROPI を設定します。電流レギュレーション回路を正常に動作させるには、「推奨動作条件」表に規定されている VREF ピン電圧の範囲内に VVREF が入っている必要があります。