JAJSMS3A october   2022  – july 2023 DRV8411A

PRODUCTION DATA  

  1.   1
  2. 特長
  3. アプリケーション
  4. 概要
  5. 改訂履歴
  6. デバイスの比較
  7. ピン構成および機能
    1.     ピンの機能
  8. 仕様
    1. 7.1 絶対最大定格
    2. 7.2 ESD 定格
    3. 7.3 推奨動作条件
    4. 7.4 熱に関する情報
    5. 7.5 電気的特性
    6. 7.6 タイミング図
  9. 代表的特性
  10. 詳細説明
    1. 9.1 概要
    2. 9.2 機能ブロック図
    3. 9.3 外付け部品
    4. 9.4 機能説明
      1. 9.4.1 ブリッジの制御
      2. 9.4.2 電流検出およびレギュレーション
        1. 9.4.2.1 電流検出
        2. 9.4.2.2 電流レギュレーション
      3. 9.4.3 保護回路
        1. 9.4.3.1 過電流保護 (OCP)
        2. 9.4.3.2 サーマル・シャットダウン (TSD)
        3. 9.4.3.3 低電圧誤動作防止 (UVLO)
    5. 9.5 デバイスの機能モード
      1. 9.5.1 アクティブ・モード
      2. 9.5.2 低消費電力スリープ・モード
      3. 9.5.3 フォルト・モード
    6. 9.6 ピン配置図
      1. 9.6.1 ロジックレベル入力
  11. 10アプリケーションと実装
    1. 10.1 アプリケーション情報
      1. 10.1.1 代表的なアプリケーション
        1. 10.1.1.1 ステッピング・モータ・アプリケーション
          1. 10.1.1.1.1 設計要件
          2. 10.1.1.1.2 詳細な設計手順
            1. 10.1.1.1.2.1 ステッピング・モータの速度
            2. 10.1.1.1.2.2 電流レギュレーション
            3. 10.1.1.1.2.3 ステッピング・モード
              1. 10.1.1.1.2.3.1 フル・ステッピング動作
              2. 10.1.1.1.2.3.2 ハーフ・ステッピング動作と高速減衰
              3. 10.1.1.1.2.3.3 ハーフ・ステッピング動作と低速減衰
          3. 10.1.1.1.3 アプリケーション曲線
        2. 10.1.1.2 デュアル BDC モータ・アプリケーション
          1. 10.1.1.2.1 設計要件
          2. 10.1.1.2.2 詳細な設計手順
            1. 10.1.1.2.2.1 モータ電圧
            2. 10.1.1.2.2.2 電流レギュレーション
          3. 10.1.1.2.3 アプリケーション曲線
        3. 10.1.1.3 熱に関する注意事項
          1. 10.1.1.3.1 最大出力電流
          2. 10.1.1.3.2 消費電力
          3. 10.1.1.3.3 熱性能
            1. 10.1.1.3.3.1 定常状態熱性能
            2. 10.1.1.3.3.2 過渡熱性能
  12. 11電源に関する推奨事項
    1. 11.1 バルク容量
    2. 11.2 電源とロジックのシーケンシング
  13. 12レイアウト
    1. 12.1 レイアウトのガイドライン
    2. 12.2 レイアウト例
  14. 13デバイスおよびドキュメントのサポート
    1. 13.1 ドキュメントのサポート
      1. 13.1.1 関連資料
    2. 13.2 ドキュメントの更新通知を受け取る方法
    3. 13.3 コミュニティ・リソース
    4. 13.4 商標
  15. 14メカニカル、パッケージ、および注文情報
    1. 14.1 テープおよびリール情報

パッケージ・オプション

デバイスごとのパッケージ図は、PDF版データシートをご参照ください。

メカニカル・データ(パッケージ|ピン)
  • PWP|16
  • RTE|16
サーマルパッド・メカニカル・データ
発注情報

電流レギュレーション

DRV8411A には、固定オフ時間電流チョッピング方式を使用した電流レギュレーションが内蔵されています。これにより、図 9-5 に示すように、モータのストール、高トルク、またはその他の大電流負荷イベントが発生した場合でも、デバイスの出力電流を制限できます。

GUID-20210831-SS0I-NZCT-SWTJ-H70NFFT0ZV05-low.svg図 9-5 オフ時間電流レギュレーション

電流チョッピング・スレッショルド (ITRIP) は、VREF 電圧 (VVREF) と IPROPI 出力抵抗 (RIPROPI) の組み合わせにより設定されます。具体的には、内部コンパレータを使用して、外付け RIPROPI 抵抗両端の電圧降下を VVREF と比較します。

式 3. ITRIP (A) x AIPROPI (μA/A) = VVREF (V) / RIPROPI (Ω)
たとえば、VVREF = 3.3V、RIPROPI = 10kΩ、AIPROPI = 200μA/A の場合、ITRIP は約 1.65A となります。

VVM ≥ 3.6V の場合、VVREF は最大 3.6V の電圧に設定できます。VVM < 3.6V の場合は、VVREF は VVM 以下である必要があります。

固定オフ時間電流チョッピング方式では、H ブリッジが tOFF 時間後に自動的にイネーブルになり、出力をリセットするのに xINx ピンの新しい制御入力エッジを必要としないので、最大 100% のデューティ・サイクル電流レギュレーションがサポートされます。モータ電流が ITRIP スレッショルドを超えると、出力は固定オフ時間 (tOFF) で電流チョッピング・モードに移行します。tOFF の間は、IOUT が ITRIP を超過すると、tOFF の間 H ブリッジがブレーキ / ローサイド・スロー・ディケイ状態 (両方のローサイド MOSFET がオン) に移行します。tOFF が経過すると、IOUT が ITRIP 未満であれば、制御入力に従って出力が再イネーブルされます。IOUT が ITRIP を超過したままの場合、H ブリッジは tOFF の間、ブレーキ / ローサイド・スロー・ディケイ状態に再度移行します。xINx 制御ピンの状態が tOFF 時間中に変化すると、tOFF の残りの時間は無視され、出力は再び入力に追従するようになります。

ITRIP コンパレータには、ブランキング時間 (tBLANK) とグリッチ除去時間 (tDEG) があります。内部ブランキング時間は、出力切替時の電圧および電流過渡事象が電流レギュレーションに影響を与えないようにするのに役立ちます。これらの過渡現象はモータ内部のコンデンサにより発生することがあり、またはモータ端子への接続で発生することがあります。内部グリッチ除去時間により、過渡条件が電流レギュレーションを通常より早くトリガすることを防止します。過渡条件がグリッチ除去時間より長く続く場合、10nF のコンデンサを IPROPI ピンに (デバイスに近付けて) 接続することで、IPROPI 出力の過渡現象をフィルタ処理し、電流レギュレーションが通常より早くトリガされるのを防止できます。コンデンサの値は必要に応じて調整できますが、コンデンサの値が大きいと、電流レギュレーション回路の応答が遅くなる場合があります。

IPROPI を GND に接続し、VREF ピンの電圧を GND より高く設定することで、内部電流レギュレーションと電流帰還を無効にできます。電流帰還が必要でありかつ電流レギュレーションが不要である場合、VIPROPI が VVREF スレッショルドに到達することがないように VVREF と RIPROPI を設定します。電流レギュレーション回路を正常に動作させるには、「推奨動作条件」表に規定されている VREF ピン電圧の範囲内に VVREF が入っている必要があります。