JAJSJ72C June   2020  – February 2021 LMX2820

PRODUCTION DATA  

  1. 特長
  2. アプリケーション
  3. 概要
  4. 改訂履歴
  5. ピン構成と機能
  6. 仕様
    1. 6.1 絶対最大定格
    2. 6.2 ESD 定格
    3. 6.3 推奨動作条件
    4. 6.4 熱に関する情報
    5. 6.5 電気的特性
    6. 6.6 タイミング要件
    7. 6.7 代表的特性
  7. 詳細説明
    1. 7.1 概要
    2. 7.2 機能ブロック図
    3. 7.3 機能説明
      1. 7.3.1  基準発振器入力
      2. 7.3.2  入力パス
        1. 7.3.2.1 入力パス・ダブラ (OSC_2X)
        2. 7.3.2.2 プリ R デバイダ (PLL_R_PRE)
        3. 7.3.2.3 プログラマブル入力マルチプライヤ (MULT)
        4. 7.3.2.4 R デバイダ (PLL_R)
      3. 7.3.3  PLL 位相検出器とチャージ・ポンプ
      4. 7.3.4  N デバイダとフラクショナル回路
        1. 7.3.4.1 整数 N 分周部 (PLL_N)
        2. 7.3.4.2 分数 N 分周部 (PLL_NUM および PLL_DEN)
        3. 7.3.4.3 変調器の次数 (MASH_ORDER)
      5. 7.3.5  LD ピンのロック検出
      6. 7.3.6  MUXOUT ピンと読み戻し
      7. 7.3.7  内部 VCO
        1. 7.3.7.1 VCO のキャリブレーション
          1. 7.3.7.1.1 VCO のゲインおよび範囲の決定
      8. 7.3.8  チャネル・デバイダ
      9. 7.3.9  出力周波数ダブラ
      10. 7.3.10 出力バッファ
      11. 7.3.11 パワーダウン・モード
      12. 7.3.12 複数デバイスでの位相同期
        1. 7.3.12.1 同期のカテゴリ
        2. 7.3.12.2 位相調整
          1. 7.3.12.2.1 MASH_SEED を使った位相シフト
          2. 7.3.12.2.2 静的と動的な位相調整の比較
          3. 7.3.12.2.3 位相調整への微調整
      13. 7.3.13 SYSREF
      14. 7.3.14 高速 VCO キャリブレーション
      15. 7.3.15 ダブル・バッファリング (シャドウ・レジスタ)
      16. 7.3.16 出力ミュート・ピンとピンポン手法
    4. 7.4 デバイスの機能モード
      1. 7.4.1 外部 VCO モード
      2. 7.4.2 外部フィードバック入力ピン
        1. 7.4.2.1 PFDIN の外部フィードバック・モード
        2. 7.4.2.2 RFIN 外部フィードバック・モード
  8. アプリケーションと実装
    1. 8.1 アプリケーション情報
      1. 8.1.1 未使用ピンの処理
      2. 8.1.2 外部ループ・フィルタ
      3. 8.1.3 インスタント・キャリブレーションの使用
    2. 8.2 代表的なアプリケーション
      1. 8.2.1 設計要件
      2. 8.2.2 詳細な設計手順
      3. 8.2.3 アプリケーション曲線
    3. 8.3 初期化およびパワーオン・シーケンス
  9. 電源に関する推奨事項
  10. 10レイアウト
    1. 10.1 レイアウトのガイドライン
    2. 10.2 レイアウト例
  11. 11デバイスおよびドキュメントのサポート
    1. 11.1 ドキュメントの更新通知を受け取る方法
    2. 11.2 サポート・リソース
    3. 11.3 商標
    4. 11.4 静電気放電に関する注意事項
    5. 11.5 用語集
  12. 12メカニカル、パッケージ、および注文情報

パッケージ・オプション

メカニカル・データ(パッケージ|ピン)
サーマルパッド・メカニカル・データ
発注情報

インスタント・キャリブレーションの使用

インスタント・キャリブレーションにより、デバイスは非常に高速な VCO のキャリブレーションを 2.5µs で行い、同じキャリブレーション設定 (rb_VCO_SEL、rb_VCO_DACISET、rb_VCO_CAPCTRL) を選択できます。この機能の初期化後は、オーバーヘッドなしに VCO 周波数を変更できます。デバイスの電源を最初にオンにしたときに、この初期化を行う必要がありますが、電源ピンから電力が供給されている限りは設定が保持されます。詳しい手順について、以下に示します。

  1. デバイスの電源を通常どおりオンにします。
  2. INSTCAL_DLY = tDLY × fOSC (MHz 単位)/ 2CAL_CLK_DIV をプログラムします。tDLY はインスタント・キャリブレーションに必要なタイムアウト回数で、ピン 3 のバイアス・コンデンサに基づいています。
    表 8-2 インスタント・キャリブレーションのタイムアウトの決定
    ピン 3 の容量 PLL の 1/f ノイズ劣化 最小 tDLY
    0.47μF 1dB 2.5μs
    C 0~1dB 2.5μs × C / (0.47μF)
    4.7μF 0dB 25μs
  3. レジスタ R1 をインスタント・キャリブレーション用にプログラムします。
    • INSTCAL_EN = 1 を設定します。INSTCAL_EN を 0 から 1 に切り替えるアクションは、インスタント・キャリブレーション設定をリセットし、レジスタ R0 が次に FCAL_EN = 1 にプログラムされたとき設定を生成するよう、部品を設定します。
    • 出力ダブラを使用する場合は、INSTCAL_DBLR_EN = 1 を設定します。使用しない場合は 0 に設定します。
  4. デバイスが 5.65GHz を出力するようプログラムします。
  5. INSTCAL_PLL_NUM = 232 × (PLL_NUM / PLL_DEN) をプログラムします。
  6. キャリブレーション設定を生成するため、FCAL_EN = 1 を R0 に書き込みます。
  7. デバイスを 5.65GHz にロックするため、FCAL_EN = 0 を R0 に書き込みます。
  8. ロック検出が High に移行するまで待ちます。

これで、デバイスが初期化された特定の位相検出器周波数について、デバイスが初期化されました。デバイスに電力が供給され続け、位相検出器の周波数が変化しない限り、以後の周波数変更はインスタント・キャリブレーションで行うことができます。インスタント・キャリブレーションの初期化後に周波数を変更するには、以下を行います。

  1. INSTCAL_PLL_NUM、PLL_N、PLL_NUM、PLL_DEN の値を書き込みます。
  2. R0 を書き込んでキャリブレーションをトリガします (DBLR_CAL_EN = 0、FCAL_EN = 0 の値を書き込みます)。