JAJA691 September   2021 TMAG5170 , TMAG5170-Q1 , TMAG5173-Q1

 

  1.   商標
  2. 1高速での高精度位置検出を実現
  3. 2消費電力の最適化
  4. 3フレキシビリティの向上を実現
  5. 4信頼性の向上
  6. 5まとめ
  7. 6その他の資料

信頼性の向上

ファクトリ・オートメーションは、常に、信頼性の高い製品を必要としています。Industry 4.0 の出現とともに、ゼロ・ダウンタイムを達成するために、あるいは、少なくともダウンタイムを可能な限り最小限に抑えるために、信頼性の高い診断スキームが不可欠になっています。ロボット・システムの大半では、多軸センサまたはロータリー・エンコーダ がロボット・アーム内の各ジョイントの角度を決定 (図 4-1 参照) するか、または、自律型モバイル・ロボット内の各ホイールの角度を判定し、組み立てラインや工場現場で高精度の移動とナビゲーションを確保しています。ちりや湿気の影響を受けやすい光学エンコーディング・ソリューションと違って、磁気エンコーダの性能は過酷な環境の影響を受けません。


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図 4-1 TMAG5170 を使用したロボット・アームの例

安全対策が組み込まれていて、動作中に発生する可能性のある問題をユーザーが診断できるようにするセンサは、ファクトリ・オートメーション・システムに不可欠なものです。表 4-1 に、 TMAG5170 が提供するデバイス・レベルおよびシステム・レベルの診断機能を示します。

表 4-1 TMAG5170 連続的診断およびユーザー起動診断
デバイス・レベルの診断
診断 機能 メリット
信頼性の高い通信チェック 巡回冗長性検査 (CRC) 通信:
  • 受信した情報の CRC をチェック
  • 予測される CRC フレーム情報をマイコンに組み込んでチェック
ノイズ注入とデータ破損を低減するためのインターフェイス・フィルタが不要の通信ソリューションを提供
内部メモリおよびレジスタのチェック
  • 電源投入時、変換開始時、およびセンサ構成時の CRC
  • MCU は構成レジスタの値を定期的に読み取って、精度を確認可能
センサ信号パスをチェックして既知の正常な測定を確保
信号パス診断 信号パスの整合性をチェック
軸ごとのホール・センサ診断
  • センサの精度と整合性をチェック
  • オフセットと感度の検証により精度を確保
システム・レベルの診断
診断 機能 メリット
ピンの導通 VCC、GND、シリアル・ペリフェラル・インターフェイス ( SPI) バス・ピンなど各種ピン間の短絡をチェック 致命的な障害を引き起こす可能性のある危険を検出することにより、システム・レベルの長期的な信頼性を実現
磁界範囲外 設定時にスレッショルド値を設定して、磁界と比較 追加のホール・スイッチなしで、冗長磁界振幅チェックを実現
周囲温度範囲外 オンチップ温度センサでダイの温度を監視し、ユーザー指定のスレッショルドと比較 外部温度センサの追加コストを発生させずに、熱による障害イベントをシステムに警告
電源低電圧、過電圧、および内部 LDO (リニア・レギュレータ) 低電圧 電源電圧範囲外を MCU に警告 外付けのパワー・マネージメント・スーパーバイザ・デバイスが不要

SPI は TMAG5170 との信頼性の高い通信を提供します。このデバイスは、追加機能用のアラート入出力ピンを備えています (図 4-2 参照)。


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図 4-2 TMAG5170 デジタル・インターフェイス