JAJSG32D September 2018 – December 2022 OPA2828 , OPA828
PRODUCTION DATA
大信号のダイナミック特性を最もよく表すアンプのパラメータはスルーレートです。スルーレートは、時間に対する出力電圧の最大変化率を測定した値であり、一般に V/マイクロ秒 (V/µs) 単位で表されます。スルーレートは通常、出力が最終値の 10% から最終値の 90% までにスイングする時間として測定されます。図 7-10 に示す信号のスルーレートは、Equation3 で求められます。
アンプのスルーレートは、アンプの内部アーキテクチャ、アンプの静止電力、内部容量によって制限されます。OPAx828 にはスルー・ブースト回路が内蔵されているので、スルーレートが最大になります。OPAx828 に使用されている独自のスルー・ブースト回路により、非常に高いスルーレートを実現すると同時に、静止電力レベルは低く維持されます。内部スルー・ブースト回路は、+IN 入力ピンと –IN 入力ピンの間の入力差動電圧を測定します。この入力差動電圧が十分に大きい場合、内部スルー・ブースト回路によってアンプの内部バイアス電流が増加し、出力のスルーレートが上がります。最適なダイナミック特性を実現するため、電源バイパス・コンデンサは OPAx828 の近くに配置します。
アンプの入力に大きな静的または DC 差動電圧が存在する場合、OPAx828 はその状態を認識します。これは、スルーレートを上げる必要があることを示しているのではなく、過負荷状態であることを示しています。この場合、OPAx828 の内部バイアス電流は増加せず、静止電流は通常動作と変わりません。