JAJSG32D September   2018  – December 2022 OPA2828 , OPA828

PRODUCTION DATA  

  1. 特長
  2. アプリケーション
  3. 概要
  4. 改訂履歴
  5. ピン構成および機能
  6. 仕様
    1. 6.1 絶対最大定格
    2. 6.2 ESD 定格
    3. 6.3 推奨動作条件
    4. 6.4 熱に関する情報
    5. 6.5 電気的特性
    6. 6.6 代表的な特性
  7. 詳細説明
    1. 7.1 概要
    2. 7.2 機能ブロック図
    3. 7.3 機能説明
      1. 7.3.1  位相反転保護
      2. 7.3.2  電気的オーバーストレス
      3. 7.3.3  MUX 対応入力
      4. 7.3.4  過負荷電力制限
      5. 7.3.5  ノイズ特性
        1. 7.3.5.1 低ノイズ
      6. 7.3.6  容量性負荷および安定度
      7. 7.3.7  セトリング・タイム
      8. 7.3.8  スルーレート
      9. 7.3.9  フルパワー帯域幅
      10. 7.3.10 小信号応答
      11. 7.3.11 サーマル・シャットダウン
      12. 7.3.12 低いオフセット電圧ドリフト
      13. 7.3.13 過負荷からの回復
    4. 7.4 デバイスの機能モード
  8. アプリケーションと実装
    1. 8.1 アプリケーション情報
    2. 8.2 代表的なアプリケーション
      1. 8.2.1 SAR ADC ドライバ
        1. 8.2.1.1 設計要件
        2. 8.2.1.2 詳細な設計手順
        3. 8.2.1.3 アプリケーション曲線
      2. 8.2.2 ローパス・フィルタ
        1. 8.2.2.1 設計要件
        2. 8.2.2.2 詳細な設計手順
        3. 8.2.2.3 アプリケーション曲線
    3. 8.3 電源に関する推奨事項
    4. 8.4 レイアウト
      1. 8.4.1 レイアウトのガイドライン
        1. 8.4.1.1 熱に関する注意事項
        2. 8.4.1.2 PowerPAD™ 設計上の考慮事項 (DGN パッケージのみ)
      2. 8.4.2 レイアウト例
  9. デバイスおよびドキュメントのサポート
    1. 9.1 デバイスのサポート
      1. 9.1.1 開発サポート
        1. 9.1.1.1 PSpice® for TI
        2. 9.1.1.2 フィルタ設計ツール
    2. 9.2 ドキュメントのサポート
      1. 9.2.1 関連資料
    3. 9.3 ドキュメントの更新通知を受け取る方法
    4. 9.4 サポート・リソース
    5. 9.5 商標
    6. 9.6 静電気放電に関する注意事項
    7. 9.7 用語集
  10. 10メカニカル、パッケージ、および注文情報

パッケージ・オプション

メカニカル・データ(パッケージ|ピン)
サーマルパッド・メカニカル・データ
発注情報

スルーレート

大信号のダイナミック特性を最もよく表すアンプのパラメータはスルーレートです。スルーレートは、時間に対する出力電圧の最大変化率を測定した値であり、一般に V/マイクロ秒 (V/µs) 単位で表されます。スルーレートは通常、出力が最終値の 10% から最終値の 90% までにスイングする時間として測定されます。図 7-10 に示す信号のスルーレートは、Equation3 で求められます。

Equation3. GUID-8C6400B8-E8EB-4FCE-BC20-8B4CB6AF6145-low.gif

アンプのスルーレートは、アンプの内部アーキテクチャ、アンプの静止電力、内部容量によって制限されます。OPAx828 にはスルー・ブースト回路が内蔵されているので、スルーレートが最大になります。OPAx828 に使用されている独自のスルー・ブースト回路により、非常に高いスルーレートを実現すると同時に、静止電力レベルは低く維持されます。内部スルー・ブースト回路は、+IN 入力ピンと –IN 入力ピンの間の入力差動電圧を測定します。この入力差動電圧が十分に大きい場合、内部スルー・ブースト回路によってアンプの内部バイアス電流が増加し、出力のスルーレートが上がります。最適なダイナミック特性を実現するため、電源バイパス・コンデンサは OPAx828 の近くに配置します。

アンプの入力に大きな静的または DC 差動電圧が存在する場合、OPAx828 はその状態を認識します。これは、スルーレートを上げる必要があることを示しているのではなく、過負荷状態であることを示しています。この場合、OPAx828 の内部バイアス電流は増加せず、静止電流は通常動作と変わりません。