JAJU925 March 2024
LP8774x-Q1 デバイスは、ISO26262 機能安全に準拠したパワー マネージメント IC (PMIC) で、以下に示す主要な機能安全の特長を備えており、ASIL-C、SIL-2 までの安全システム設計に役立ちます。安全メカニズムについて、およびこのデバイスを機能安全システムに統合する方法の詳細については、『LP87745-Q1 AWR および IWR レーダー センサ用、3 個の降圧コンバータおよび 5V 昇圧回路』データシートの仕様、および『 LP87745-Q1 機能安全マニュアル』SFFS159を参照してください 。
LP8774x-Q1 デバイスは、独立した電圧モニタを使用して、降圧、昇圧、VIO_LDOの出力電圧、VMON1 (汎用電圧モニタ) 入力、VCCA 入力について、低電圧 (UV) および過電圧 (OV) 状態を監視します。また、短絡および電流制限コンパレータによってレギュレータの出力を監視します。レギュレータ モニタは、対応するレギュレータがイネーブルになり、OV、UV のセルフテストが完了するとイネーブルになります。
LP8774x-Q1 デバイスには、有限ステート マシン (FSM) エンジンが内蔵されており、動作状態遷移中のデバイスの状態を管理します。このデバイスは、NVM で構成可能なパワーアップ、パワーダウン シーケンス、およびエラー処理をサポートしています。重大なエラーが発生した場合、メイン プロセッサ リセット信号 (NRSTOUT) が Low に駆動され、すべての電源レールがオフになることにより、システムを安全状態に維持します。NVM 構成によっては、中程度のエラー イベントが発生した場合、PMIC は割り込み信号 (nINT) およびソフトウェア割り込みを通じて、これらのイベントをプロセッサに対して通知でき、また、nINT または CAN_DIS 信号により CAN (Controller Area Network) 通信をディセーブルにできます。
ウォッチドッグは MCU が正しく機能しているかどうかをモニタします。LP8774x-Q1 の Q&A モード ウォッチドッグは、MCU の正常な動作を検出するために、特定の間隔で MCU からの特定のメッセージを要求します。動作中に、デバイスは SPI 経由で質問を MCU に送ります。MCU は、この質問に対して一定の演算処理を実行し、必要な 32 ビットの回答を計算します。この回答は、回答 3 、回答 2 、回答 1 、回答 0 という 4 つの回答バイトに分かれています。MCU は、これらの回答を正しい順序とタイミングで SPI 経由で送信する必要があります。MCU の回答または回答順序が正しくない場合、デバイスはエラーを検出します。エラーに対する応答は、NVM、OTP の設定によって決まります。エラーが永続する場合は、PMIC エラー カウンタがオーバーフローし、すべての電源レールがシャットダウンされて、システムを安全な状態に維持します。
LP8774x-Q1 にはエラー信号モニタ (ESM) があり、nERR 入力ピンで MCU エラー出力信号を監視します。デフォルトでは、LP8774x-Q1 デバイスのスタートアップ時に ESM はディセーブルになっています。ESM を開始するためには、MCU はスタート ビットを設定します。
システムの電源がオンになり、MCU が LP8774x-Q1 の構成を完了した後、ソフトウェアによって ESM_MCU_START を設定して開始します。このデバイスは、レベル モードまたは PWM モードをサポートしています。デバイスが ESM エラーを検出した場合、エラーに対する応答は NVM、OTP の構成によって決まります。エラーが永続する場合は、 PMIC エラー カウンタがオーバーフローし、すべての電源レールがシャットダウンされて、システムを安全な状態に維持します。
このデバイスは、電圧モニタと TSD コンパクタの健全性をチェックするアナログ内蔵セルフ テスト (ABIST) 、デバイスの起動時にデジタル機能をチェックするロジック内蔵セルフ テスト (LBIST) を備えており、通知がプロセッサに送信されます。デバイスのトリム レジスタ、構成レジスタおよび SPI 通信は、CRC で保護されており、ビット エラーを検出します。